見出し画像

水道広域化ありきで検討が進むのか?~2024年6月議会①~


※写真は築造中の染屋浄水場第一配水池(大正11年)です。

水道広域化は現在の上田市政の最重要課題

(斉藤達也) 水道事業の広域化は、我々の命に直結するライフラインの問題であること、そして将来世代に及ぼす影響も非常に大きいこと、それに加えて今年度中に上田市として結論を出していくという点で、現在の上田市政の最重要課題だと思っています。
 5月23日には、塩田、川西地域などの住民有志でつくるおいしい水を広める市民の会主催で、水道の将来像について市民として自分事として考えようという趣旨で勉強会が開催されました。勉強会では、専門家の先生方による講演に続き、活発な意見交換が行われ、参加された市民の皆様の関心の高さを感じました。そして、そこには上下水道局の職員さんも多く参加されていました。
 その様子を見ながら私が感じたのは、市役所の中の担当課以外の職員の皆さんだったり、今この議場にいる理事の皆さん、そして我々議員こそが水道の広域化について、市民の皆様以上に自分事として真剣に考え、より議論していくべきだと痛切に感じました。

上田長野地域水道事業広域化協議会の目的は水道事業の統合…

 昨年9月議会の一般質問で、豊かな水源を持つ上田市として、広域化する場合は条件を提示するなど議論のイニシアチブを取っていく必要があると提案させていただきましたが、市長からは上流に位置する上田市として議論のイニシアチブを取っていくことは当然であるとのご答弁をいただきました。そして、この4月には、上田長野地域水道事業広域化協議会が設立されました。
 そこで、まず水道事業の広域化に対する上田市の基本的な考え方を改めて確認させていただきます。さきの4月臨時会の冒頭で市長も述べられましたとおり、上田市は安全安心な水道水を将来にわたり安定的に供給するため、長野市、千曲市、坂城町、長野県企業局と共に令和3年度から広域化を一つの手段として研究してきました。そして、この取組について、さらなる詳細な検討、協議を行うため、協議会が設立された、そう私は理解していました。
 しかし、同協議会の規約を確認したところ、その目的は、私の認識とは全く異なるものでした。協議会の規約によりますと、その目的は、長野市、上田市、千曲市及び坂城町における水道事業の統合であり、そのための広域水道企業団の設立に向けた検討、協議を行うものであるとのことでした。そこで、協議会の目的について、まず市長の見解を伺います。

広域化ありきで協議が進むと考えられるが市長は見解はどうか?

 市は、水道事業の広域化を一つの選択肢として研究してきたが、設立された上田長野地域水道事業広域化協議会の目的は水道事業の統合である。これは今まで市が説明してきた一つの選択肢としての広域化とは異なり、実質的に広域化する前提で協議が進むものと考えられるが、協議会の目的に対する市長の見解はどうかお尋ねし、第1問といたします。

市長(土屋陽一君) 水道事業は、将来の人口減少による料金収入の減少あるいは老朽化施設の更新費用の増加などが見込まれ、加えて職員の大量退職と少子化による担い手不足、多発する大規模災害などの対応から水道事業の経営環境の悪化が懸念されております。これらの課題に対し、将来にわたって適切な料金で、安全安心な水道水を安定的に届けるため、水道事業の基盤強化を図る必要があります。
 このような状況を踏まえ、上田市、長野市、千曲市、坂城町及び長野県企業局は、将来を見据え、地域にふさわしい水道事業の在り方を研究する中で、広域化を一つの方向性として検討するため、令和3年7月に上田長野地域水道事業広域化研究会を設置し、研究を重ね、令和4年3月に広域化した場合の財政シミュレーションを公表しました。
 令和4年度から5年度にかけて各地域協議会の説明や市内9か所における市民説明会の開催、市民アンケートの実施等を行ってまいりましたが、上田市は料金抑制効果が薄いことなどからメリットが少ない等のご意見をいただいております。
 

市長「この協議会は広域化ありきで検討に取り組んでいるものではない」

 このような中、水道事業広域化について、さらなる詳細な検討を行うため、本年4月8日に上田駅前ビルパレオに任意の上田長野地域水道事業広域化協議会を設置しました。今後、この協議会において詳細なシミュレーションの実施や広域化を見据えた上での整理すべき項目を洗い出し、協議及び調整を行う中で、上田市における広域化の効果や課題を明らかにしてまいりたいと考えております。
 この協議会への参加は、広域化する前提で協議しているのではという質問でございますが、現時点では広域化の事業統合の期限は定めておらず、また協議会規約には脱退することができるとの規定もあるため、この協議会は広域化ありきで検討に取り組んでいるものではありません。上田市といたしましては、広域化を一つの選択肢としてしっかり判断してまいりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

再質問「広域化以外の選択肢はどのような選択肢があるのか?」

(斉藤達也) ご答弁いただきました。協議会の目的には、水道事業の統合を目指すと明記されていますが、広域化ありきの協議会ではないと、そして選択肢の一つであるというご答弁をいただきました。
 再質問させていただきます。選択肢の一つと今、市長はおっしゃられたのですが、広域化以外の選択肢、どのような選択肢があるのか、イメージはお持ちでしょうか。そちらも含めて見解をお聞かせください。

市長(土屋陽一君) 広域化以外ということが、今の現在の状況を進めるということでありますけれども、それと今の現状でそのままいくのか、そしてまた広域化によって、将来基盤を強化するということの変更ですね、先ほど申し上げましたようにシミュレーションとか、あるいは課題を整理しているということでありますので、よろしくお願いいたします。

広域化するにしても豊かな水源や浄水場を有する上田市として不利にならないよう条件を出していくべき

(斉藤達也君) 広域化以外の選択肢としては現状のまま、要は上田市単独でいくという選択肢があるということが、今、市長の答弁から分かりました。これは次の質問にも関連してくるので、ここはすごく大事なところだと思うのですが、広域化するにしても、今までも提案してきたとおり、様々な条件をやっぱり出していったほうがいいと思います。だからそこは完全な条件なしでの広域化または単独という二者択一ではなくて、その間にも様々な選択肢は数多く存在すると思っております。

いいなと思ったら応援しよう!