堀内たかおの府議会ウォッチ 01 なぜ府議会議員に立候補したのか
昨年(2022年)の3月から始まった「カジノの是非は府民が決める住民投票を求める会」の署名活動が阿倍野でも始まっていることを、以前「都構想」の反対運動の時に誘ってくださり一緒に取り組んだ近所の知人から知らされ、何となく取り組むことにしました。
それは、丁度3月13日に98歳の母を亡くしたところで、落ち込むよりは正義感が強かった母が喜んでくれる様な気がしたのと、時間の余裕もできるようになったお陰もあり、4月から週2から3箇所程度の署名と街頭でのアピールに参加しました。人前でアピールするのはとても勇気のいることでした。しかしボランティアの方々が一生懸命自分の言葉で、大阪の将来を決めてしまうカジノの誘致問題を、決して他人事ではなく、我々市民の生活や将来を左右する切実な問題として訴えているのを聞くにつけ、声を上げて意思表示をすることこそ住民自治の基本なんだな、と実感しました。
市民が声をあげ市民の意見をまとめ、知事や官僚の決めたことに対して納得できないことは正すこと、そんな民主主義の初歩すら今まで経験したことが無い自分を思い知りました。
それからはもっとパワーアップし多くの人に聞いて貰いたいため、肉声だったのをバージョンアップし携帯用の拡声器を使い、5月からは1日何箇所ものスーパーをまわり署名を集めました。知人のいるよその区も署名簿を渡し後日回収という方法など、あらゆるルートでギリギリ最終日まで集めました。
法定署名数まで諦めかけていたのに、最後の2週間で一気に上積みされたことを知り、大阪府民の底力を見る思いがしました。
そして、7月29日暑い夏の府庁前、炎天下のもと府庁を取り囲み、府議会での臨時会本会議を見守るが、屈辱的な数での暴力ともいえる、審議無しの採決で審議打ち切りという結果を前に無力感を感じた大勢のボランティアがいました。
諦めることはなく、認可をおろす国土交通省参事官との意見交換会、環境省大臣や議員への要請ならびに融資銀行である、三井住友・三菱UFJ銀行本店要請、そしてアピールのための銀座デモに参加。議員会館内での交渉や日比谷公園での集会、そして銀座デモ、こうした経験はこの歳までしたことのない貴重な経験でした。参議院議員会館の食堂での「国会記章カレー」も生まれて初めて食べました、議員バッチの形のカレーを食べるこんな愉快な食事もあるのだと、一人広い食堂で食べさせてもらいました。
今から思うと政治はもっと身近かなんだ、官僚も政治家も人間なんだという、それまでの国会や官僚、大銀行という雲の上の存在という意識が変わるきっかけになった気がします。
余談ですが20歳前後の上京の思い出が懐かしく、往復夜行バスに乗りました。あまり乗る人なんかいないだろうと勝手な想像は見事に裏切られ、行きも帰りもほぼ満席状態で50年前も今も経済的な格差は歴然と存在することを実感しました。これはリニアが出来ようが存続せざるを得ない、この社会の縮図なのだと感じました。それにしても、狭い座席に8時間は若い人達との我慢比べ大会のようでした。