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公営ギャンブルとIRカジノ 03 「魅力の醸成が難しい夢洲IR」

国際レベルのマカオ

 私はマカオのカジノに2回行っています。マカオは香港の近くにある中国の半島にあり日本からは飛行機で4時間ほどで行くことができます。
 カジノはマカオの南側にある島に集まっていて、ホテルの一階に併設されています。ホテルもカジノ全体を演出するデザインになっていて、東京ディズニーランドのオフィシャルホテルのような巨大なホテルやエッフェル塔を模したデザインのホテルなどが林立しています。
 そのすべてのホテルにカジノがあるので、その規模に圧倒されます。
 カジノのあるフロアには高級ブランドのお店も入っていて、それもカジノの魅力となっています。日本円で20円ほどの1香港ドルから賭けることができますので、スロットマシンなどはコインゲームのような感覚で遊ぶことができます。
 カジノの入場料は無料で、どのホテルのカジノにも自由に出入りができます。また、カジノではアルコールを含む飲み物も無料で提供されます。

夢のないパチンコカジノの夢洲IR

 そう考えると、大阪の夢洲に計画されているIRカジノは、マカオのIRと比べると雲泥の差というか、いささか寂しい印象を受けています。
 日本のパチンコ市場を狙って、MGMが日本に進出してきていると言われているそうですが、すでにパチンコ市場にそれほど魅力はないと私は感じています。
 先日も大手のパチンコチェーン店が倒産しましたように、パチンコ店の客離れは著しく、市場規模も縮小の一途だと思われます。2030年にパチンコ店の代替としてIRカジノは実は成立しないのではないのでしょうか。

ネットギャンブルの隆盛

 前回お話ししましたように、廃止が続いていた公営ギャンブルが息を吹き返したのは、ネット投票によるものです。現在は、場内に観客を入れないで、レース中継だけをするミッドナイトレースが行われています。
 ネット投票だけでしか投票できませんが、コロナで在宅が増えたこともあり、売上は右肩上がりで上昇しています。
 ちなみに、ミッドナイトレースをおこなっている競輪は、なんと23時を過ぎてからもレースをしています。
 このように、今やネット上で簡単にギャンブルが出来る状況があるのですから、夢洲IRには、相当の魅力がないと誰も直接足を運ばないのではと思っています。

既に一時代古い夢洲IR

 現在の大阪のIRカジノは、カジノの現状や将来ビジョンを描けない素人の方々が、かつて儲かった公営ギャンブルの夢よもう一度、ということで、始めにカジノありきで事を進めているように感じています。
 一度は衰退した公営ギャンブルは、ネット投票やミッドナイトレースなどを導入して生き残りを図りましたが、夢洲でのIRカジノには、多額の投資をする割に、失敗した際の逃げ場がなく、既にその兆候として様々な問題が出てきているようにも思えます。
 大阪市民としては、「損」のないような契約をきっちり結んでもらいたいと切に願っていますし、しっかりした情報公開、納得のいく説明を徹底して行ってもらいたいと思います。

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