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大阪市をウォッチしよう!! 16 「大阪市の樹木伐採と緑化」

 9月25日午後、大阪市会の建設港湾委員会を傍聴した。歯科で60分余り痛い治療を受けて痛みが残っていたが、遅れて傍聴した。夢洲の港湾関係の陳情書審査があると考えていたが、建設局の樹木関係が大半であった。港湾局にも夢洲関係で陳情書を出すべきであったと反省している。でも、建設局関係の審議も、大阪市の行政の今を考えるうえで参考になった。
 自民の石川委員は、自分で撮った写真を資料に使って、東淀川区などの公園の樹木の現状、街路樹について厳しく追及した。共産の井上浩委員が提出した樹木医さんによる「調査鑑定書」が示唆に富むので、抜粋して紹介したい。

 大阪市では、「公園樹・街路樹の安全対策事業」で、市民の安全・安心に影響を与える公園樹・街路樹の撤去・植え替えを行っている。撤去・植え替え対象樹木を選定する基準は、公園樹については、①健全度(枯れや腐朽)、②樹種(ヒマラヤスギ)、③植栽環境等(越境、施設損壊、植栽密度等)を、街路樹については、①健全度、②通行障害(根上がり等)、③視距阻害を総合的に判断しているとされる。
 調査の結果、市民の安全・安心に影響を与えるものとして撤去理由を明確に推察することかできた樹木は、6本(調査実施樹木の17%)であった。そのほかは、専門的な見地から長期的な維持管理上の課題は認められるものの現在・将来とも市民の安全・安心に支障をきたすとは考えられない樹木や、維持管理上の課題もとくに見当たらず撤去する理由が全く不明な樹木であった。
 なお、ヒマラヤスギは浅根性の樹木として知られるが、本事業のようにそれだけを理由として健全な樹木を撤去するという措置は国内外に他に例がない。そのような措置は科学的合理性に欠くものであり、都市の緑に多様性が求められる世界的な潮流に逆行するものである。
以上から、「公園樹・街路樹の安全対策事業」における撤去・植え替え対象樹木の選定は、その根拠に合理性を欠いていると思われるものが多く含まれている可能性が高いと鑑定・評価するものである。

大阪市会 井上浩議員(共産党)が報告した
細野哲央氏(樹木医、農学博士)による調査鑑定書より抜粋

 大阪市では「身を切る改革」ならぬ「木を切る改革」が話題になるが、樹木の伐採と緑化について徹底的な検証・評価が求められる。
 公明の山田委員と自民の石川委員による「IR用地の鑑定評価にかかる不適切な公文書管理について」の質疑も、問題の再確認にとどまったが、港湾局担当者の答弁には、どう考えても不自然さを感じた。報道で知ったことも多いが、こうしてリアルに当事者らの答弁を聞いて疑問がさらに深まった。
 委員会終了後、ある記者と情報交換できた。12月議会も陳情書を出し、傍聴しよう。

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