NPO花見山を守る会 高橋真一さん
2月12日、午後、晴天。
福島市の花見山の中腹を走る、泥だらけのトラック。
花見山は生け花用の枝もののお花を育てている地域です。
「私の大好きな人を紹介しますね。」
高橋さんが車を止めて、連れて行ってくださったのは、れいこさんというチャーミングなおばあちゃんのお家でした。
れいこさんは、あちこち体が言うことをきかなくなっていますが、お話はしっかりできて、ユーモア溢れる面白い方。
街に働きに出ている娘さんと二人暮らしです。
なりわいは、花木農家。
代々、生け花用のお花を、育ててきました。
育て方は、義理のご両親から教えられたそう。
「こうゆう時に、バシッと切れば、そのあと、わっと咲くんだ。そうゆうふうに教えられたんだ、うちらは。」
その口調は、自信に溢れています。
NPO花見山を守る会では、れいこさんのような、後継者のいない花木農家さんの支援を、メインの活動の一つとされています。
花見山には、二つのエリアがあって、向かって右側が花見山公園、そして左側が、高橋さんたちが支援をされている、花見山エリアです。
小さい頃の私の印象ですと、花見山=右側の花見山公園でしたが、近年、なんだか左側のエリアがとっても賑やかで、元気で、何が起きているんだろう?と、母ともども気になっていたところでした。
高橋真一さんと私の出会いは、2018年、年末。
今回のイベントをやりたいなあと思って、「花見山」と検索したら、NPO花見山を守る会のHPがすぐに出てきたので、お電話させていただいたことがきっかけです。
福島県の中通り地方というのは、私の印象だと、とても反応がゆっくりで、動きもゆっくり、新しいものに対して慎重な方が多いと思いますが、お電話で高橋さんに今回のイベント趣旨をお話すると、すぐに「いいですね!頑張ってください!私ができることがあれば喜んでさせていただきます!」とお返事くださったことに、感動し、驚きました。
年末に一度ご挨拶に行き、この2月の訪問が二回目となりました。
高橋さんは、出会ったばかりの私に、惜しげもなく、ご自身がどうして花見山に出会ったのか、この辺りに住むようになったきっかけ、大切な方々とのつながり、そして、これまでの道のりから得た、人生のヒントを分かち合ってくださいます。
よそ者、馬鹿者、若者、というのは、地域において起爆剤になる可能性と同時に、受け入れられず疎外される可能性も持ち合わせています。高齢化が進む花見山地域において、同じ福島市とは言え、よそ者の高橋さんは幾度となく悔しい思いをされながらも、信念を持って活動を続けてこられ、今では地域になくてはならない存在となりました。
「地域全体が綺麗になれば、みんなが嬉しいよね。」
「ピンチはチャンスなんだよ。」
お会いしていた数時間のうちに、何度も高橋さんから耳にした言葉です。
高齢化が進む花木農家さんたちが手入れをできずにいた花々は、高橋さんたちのサポートで、再び昔のように咲き誇るようになりました。
私や母が、「なんだか左側のエリアがすごいよね!」と思っていたのは、実は「もとどおりになった」だけだったのです。
れいこさんも、高橋さん達のサポートを受け取っているお一人。そして時々は、高橋さんはお家にいらっしゃり、お茶を飲みながら、お花のことはもちろん、地域全体のこと、そしてれいこさんの体のケアのことなど、親身になってお話されているのです。
美しい花見山の枝もののお花。
通常、私たちは、それらを街の花屋さんで手に取り、購入します。
それが、花見山からきているのか、またはどこか別の土地の生産者さんが育てたものなのか、現在の流通システムでは知る由はありません。
しかし、生産者のみなさんのストーリーから、私たちが花と共に受け取れるヒントはたくさんあるように感じました。
今回、花見山のお花を送っていただくと同時に、高橋さんにも東京にお越しいただき、NPO花見山を守る会の活動、震災後の取り組み、そして今後の展望をお聞かせいただきます。
高橋さんにお越しいただく、3月8日のオープニングパーティはまだ、お申し込みを受け付けておりますが、お食事の準備ができるかどうかは随時確認となります。食事なしでドリンクのみの場合は料金は2000円となります。お手数ですが、お食事をご希望の方はお申し込みと同時に、用意が可能かお問い合わせいただけますよう、お願いいたします。
また翌日3月9日の午後13:30〜15:30まで「和するこころ〜お花活けお話会〜」として、高橋さんと一緒に、お花を活けながらお話をする会も予定しております。
花のある生活。花を一輪活ける余裕を持つと言うこと。
そこから、生まれるであろう「和」
一人一人の心の中の平和が、そのまま外側の世界の平和を生み出して行く。
目まぐるしく変化して行く時代だからこそ、大事にしたいものは何か。
お花に縁のあるお二人と一緒に、お花に触れながら、そんなお話を交わしていけたらと思います。
どうぞお気軽にお越しください。
実行委員会一同、お待ちしております!
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