暗闇の世界に眠りたい。
暗闇の世界に眠りたい……。
どういう意味だろうか。
彼が見ている世界、感じてる世界のことは、僕にはわからない。
彼はよく、「もう終わっている」と言う。
何のことか尋ねてみると、「最低限の役目は果たしたはず」と返ってきた。
「じゃあ、もう自由じゃないか。キミの役目が何なのか僕にはわからないけど……。」
「自由か……。」
すると彼は、俯いたまま右手を少しだけ上げた。心なしか呼吸が荒い。"限界"の合図だ。
少し勢いよく倒れ込むように横になる。
「邪魔したね。無理しないようにね。」
いつものことだ。元気な頃の彼を知っているからこそ、彼にアグレッシブさを強要したりしない。その彼でも振り払えないほどの、余程辛い何かがあるのだろう。
僕は彼に何ができるかわからない。
向き合い方として正しいのかもわからない。
でも、彼が僕を拒絶しないから、これでいいのだろうと思っている。
そんなことを考えながら、今日も僕は眠りにつく。
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