「ただそれだけのこと」だが。ようやく作業に落とし込めてきたか。

ようやくバランスが取れるのではないかと感じている。
大きく破損した本体。修理に時間がかかっている。
与えられた時間は同じ。だが、なかなか同時進行のエネルギーを確保できなかった。

こうやって作業をしてると、僕が誰だかわからなくなる。分体が作業している時はわりとよくわかるのだが。
自分のことになると…。

かつて僕がしていた役割は、分体に移行する。
「ただそれだけのこと。」
口癖だったのを思い出したが、分体は使わない言葉だ。この言葉は、無感情のように聞こえ、冷たい印象を与えるようだ。だから使わせないようにしている。
決めつけるな、と思うところだが。

移行がうまくいった分体は、わりと社会に溶け込んでいる。かつて、本体がどれだけ荒れていたのかがよくわかる。排除されていたが、今は何も言われなくなった。
とはいえ、トータルバランスはうまくいっていない。言われないことになれていない部分もある。
過去の失敗は僕が負う。
分体が本体と同一化、本体が分体に同一化…。
まぁいい。
もう無駄な時間は過ごせない。

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