24歳、まだ何にでもなれるよ
「24歳、まだ何にでもなれるよ」
その言葉を信じられなかった
でも、その言葉が忘れられなかった
だから、その言葉を信じたくなった
「24」 〜liner note
24歳、すがるようにギターを始めた
突如、ネットで7000円のギターを買い、1日でも早く弾けるようになりたくて、毎日練習してた。指の痛みに一人涙を堪え、夜な夜な弦を押さえる日々。
周りには趣味だと言っていたけれど、決して趣味ではなくて。大袈裟だけど、ギターはあの頃の私の心の支えだった。頑張ったら頑張った分だけ、ちゃんと上手くなるギター。誰も信じられなかったから何か信じられるものが欲しかったの。
でも、ネットで色々検索したり、世の中に出てくる/注目を浴びるのは若い子ばかり。いや、今であれば、24歳も十分若いよ!って思うんだけど、あの頃は違って。世間にもてはやされるのは「10代」というものに弱腰になっていたの。スポーツにしても、音楽にしても、”10代”は何をしてても輝いていて、目にも留まりやすい。
だから、あの頃の私は”もう遅い”と思ったの。
24歳、就職もして、ある程度道は定まった。今更何かを始めるなんて、遅すぎる。ましてや、弾き語りなんて。若い子ばかりが注目浴びて、大人になって始めたって何も変わりやしない。24にして人生を決めつけていた私の中では、もう人生は決まってしまったものだった。
たまたま立ち寄った楽器屋
ギターを始めて、2〜3ヶ月が経った頃、横浜で買い物帰りにふらっと楽器屋さんに寄った。特に目的もなく、「ある程度弾けるようになったらちゃんとしたギター買いたいから今のうちからちょっとギター見とこうかな〜」「あ、そろそろギター持ち運べるようにギターケース買って行こうかなあ」そんなノリでお店に入る。
特に買う気もなくて、店員さんにギターケースをみたいって話をしてたんだけど、流れで「試奏してみない?」って言われて。いつか買い替えたいし、時間もあるし、なかなか楽器屋さんも来ないしと思っていくつか試奏させてもらうことになったの。
試奏すると、当たり前なんだけど家の7000円のギターとは比べ物にならないぐらい音が良くて。音楽の知識とかなんもなかったけど、めっちゃいい音って私が思うほど。
ちょうど、その時の私は「F」の壁にぶち当たってて。そう、ギター経験者誰もが通るバレーコードの壁(笑) 見事に私もその壁にぶち当たり、頑張っても全然抑えられなくて”なぁんでヽ(;▽;)ノ!”って自暴自棄になりそうなぐらいw なんかもう一向に抑えられる気配がなくて「自分の指の形が小さい/悪いからだ」とか今では笑っちゃうような理由を考えてしまうほど弾けなかったの。
でも、とあるギターを試奏した時、
初めてFが弾けたの
もう、超感動!!!あんなに毎日苦戦してたのに!こんな簡単に弾けていいの?!って思っちゃうほど。この喜びは今でも忘れられなくて。なんか、もうこれは運命的な出会いだ!ってなり笑、ノリと勢いがこれでもか!というほど強く背中を押してくれた結果、
「買います!!!!!!」
と、ギターを購入することになりました笑
それが今、弾いている私のTalyorちゃんギターの出会いです。
まだ24歳でしょ?何にでもなれるじゃん!
さて、ギターを買うつもり微塵もなかったため、お金を持ち合わせているわけもなく。ましてや、試奏したギターはとってもいいお値段のものばかり♩
私のTalyorちゃんも見事にそれに当てはまり、当時の私の2ヶ月弱分の給料ぐらい。一人暮らししていて、貯金なんて当時ほとんどなかったので支払えるわけもなく、、ローンを組むことにしました。(何も考えずに勢いで買うって言った当時の私こわ)
ローンの審査を待つ間、楽器屋さんの店員さんとお喋りをしていたんだけど、年齢の話になったのかな?そしたら店員さんがいうの
「まだ24歳なの?!いいなあ!まだ何にでもなれるじゃん!」
いやいやいや。
当時の私はもう全てが遅いと思っているので何言ってんねんって思って「今更遅いですよ」って返すんだけど、それ以降、店員さんが何度も言うの。
「24歳かあ。何にでもなれるねえ」
「新しい一生物のギターも買って、これからだね」
「まだまだ人生これからだよ!」
何言ってんだこの人。人生の道はもう10代であらかた決まってしまってるのに。と、今更音楽なんて遅いという感情の私は心の中で馬鹿にしてたんだけど、あまりにもその人が何度も何度もいうから、その店員さんのキラキラした顔が脳裏にこびりついてしまったの。
そして、無事に4年ローンを組み、我が相棒と当初の目的だったギターケースまでちゃんとセットでゲットして、帰宅しました。
信じられない、でも忘れられなかった。
その後、半年も経たずに私は愛知に逃げ戻ることになり、しばらく河川敷でギターを弾く日々を過ごします。
ギターもちょっとずつ弾けるようになって、曲も作り始めるんだけど、時が経ってもあの店員さんの言葉が忘れられなかった。
「24歳でしょ?まだ何にでもなれるじゃん!」
馬鹿だなあ、何言ってんだって思いつつも、気持ちが落ちていた私にとってそれはある意味救いの言葉だった。
まだ、何にでもなれるのかあ。いや、でも今更でしょ。でもあの人あんなに何度も言ってくれたんだよね。信じられないけど、忘れられないなあ。
当時はすごく馬鹿にしてたのに、
気づけは私の背中を優しく押すことばになっていて。
頭では今更遅いってわかってる。
24歳なんて無理すぎる。
でも、あんなに何度も言ってくれた。
あんなにキラキラして言ってくれた。
少しぐらい信じてもいいんじゃないか。
信じられないけど、忘れられなくて。
だから信じてみたくなった。
だから歌を作った。
”翼があるんだから諦めるな”
「24」
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