40→90名組織拡大期のスタートアップカルチャー浸透ポイント3つ
こんにちは!LayerXで「バクラクシリーズ」のマーケティングを担当している内山(uchiken)と申します。LayerXに入社してから公開したnoteはマーケティングに関する記事でしたが、今回はスタートアップのカルチャーに焦点を当てた記事を書きました。
昨年の6月から12月まで「Trustful Team委員会」というカルチャーや行動指針の浸透、一体感の醸成を目的としたプロジェクトチームを立ち上げ、その一人として活動しました。LayerXには3つの事業部があり、部門横断的な取り組みをトライしてみようという背景です。
また私は、前職でも似たような立ち位置で、全社オフサイトの企画等の取り組みに関わってきました。
なぜカルチャーの浸透が大事なのか
まずは、なぜカルチャーの浸透が大事なのかお伝えできればと思います。「カルチャーモデル 最高の組織文化のつくり方」(唐澤 俊輔 著)では、カルチャーが与える影響について、下記の通り記載されています。
また、具体的にカルチャーが重要な理由について、下記がまとめられています。
ここでやや宣伝のようになってしまい恐縮ですが(笑)、②「事業を拡大する上でスピードが速くなる」、③「意思決定の基準が統一され、無駄が省くことで生産性が高まる」という点について、LayerX社内の実際の様子をお伝えできればと思います。
現在私はマーケティングを担当しており、「このくらいの成果が見込めるので、この施策、やりますね!」と社内で確認をすると、だいたい1分以内に施策GOを表すスタンプが付きます(※この後ワークフローツールのバクラク申請を通じて正式な稟議を出しますが、Slack連携により同じく爆速で承認されます)。
LayerXでは、各自がプロフェッショナルとして実行するチームを目指すためにも、おたがいを信頼しようとする「Trustful Team」、数字や事象などファクトに従って、行動を起こす「Fact Base」などのバリューがあります。
メンバー1人1人に裁量権が委ねられ、根拠となる数字があれば瞬時に施策のGO・NO GOが決まる一連の過程は、これらのバリューが如実に現れていると言えると思います。
スタートアップでカルチャーを浸透させるために重要な3つのポイント
私がカルチャー浸透に向けて取り組んでいくなかで重要だと感じた3つのポイントをお伝えします。
1.カルチャー推進は「継続性」と「経営×現場感」
カルチャー浸透の取り組みは、一度だけでなく継続的に実施してくことが重要です。継続的な取り組みのためには仕組み化(例えばLayerXの場合は半年ごとのプロジェクトチーム化)が重要です。
また、経営チームがカルチャー浸透のための取り組みを進めようとしても、それ以外のメンバーの視点が欠け、うまくいかない可能性があります。
そのため、経営メンバーと現場メンバーが組み合わさったチームが組成されるとより良いと感じています。
実際にLayerXの「Trustful Team委員会」では、経営メンバーと各事業部のメンバーから組織され、カルチャーや行動指針の浸透、一体感の醸成を進めています。
2.社内メンバーにもN=1インタビュー
カルチャー浸透の取り組みを推進する上で、メンバー1人1人が現状の組織についてどう感じているかを知ることが大事です。その上でおすすめなのが、メンバー何名かと15〜20分程度ヒアリングの時間を設けることです。
事前に仮説を持って、ヒアリングを実施することで、各メンバーの課題感やイシューと想定した仮説とのズレが生じにくくなります。
例えば、「社歴によりメンバーが課題を感じていることが違うのでは?」と仮説を持ったのであれば、入社してからの期間をもとにメンバーを分類して話します。その上で、共通の課題の中で優先度を話し合い、どのような取り組みを通じて解決するか決めるというのが、ヒアリングからカルチャー推進を実施までの一連の流れになります。
LayerXのSaaS事業部では、組織フェーズの変化に伴い、近日オフサイトを開催予定です。その企画初期の段階で、オフサイト企画メンバーで事業部メンバーにヒアリングを実施し、結果をもとに課題を特定して、コンテンツの構成を決定しました。
3.カルチャーについて触れる頻度を高める仕組み作り
先程「カルチャー浸透の取り組みは、一度だけでなく継続的に実施してくことが重要です。」と記載しましたが、企業のミッション・バリューについて定期的に触れる仕組みを作ることにより、メンバーそれぞれがカルチャーを体現した行動をしやすくなります。
下記のように、大きく分けて4つの仕組みを意識するとよりカルチャーが浸透しやすい組織になると感じています。
①入社時の仕組み
新入社員のオンボーディングの一環として、ミッション・バリュー、大切にしている価値観についてしっかりと時間をとって伝えることがおすすめです。具体的には、経営メンバーからミッション・バリュー策定の過程や、なぜこれらが重要なのかなどを話すイメージです。
入社のタイミングで、これらの意思決定の際の軸をインプットすると、メンバーが最短距離で活躍しやすくなります。
②日々業務を行う際の仕組み
「入社のタイミングでオンボーディングを実施して終わり!」というわけではなく、カルチャーを浸透させるには日々業務を行う際の仕組み作りがかかせません。
例えば、バリューに関するSlackのスタンプを用意して、投稿に対してスタンプを押したり、スタンプが押された投稿が集まるSlackチャンネルを作成したりすることは、普段の業務の中でもバリューを意識する機会が増えるのではないでしょうか。
LayerXの実際の取組みとして、バリューの1つである「Be Animal」が書かれたTシャツを昨年配布しました。スタートアップでそのような取り組みを行っている企業は少なくないと思いますが、その狙いについてTシャツを発注したラクスルさんに取材いただいたので、記事に記載されている内容を引用しながら説明します。
Tシャツを配布した結果として、Slack上で写真をアップしたり、全社のMTGで集まる際に着用されるなどで、一体感が生まれたと感じております。
③深く考えて議論する仕組み
四半期や半年に1回など、期初のキックオフやオフサイトなどで時間をとって、ミッション・バリューなどについてディスカッションをすることは、より一層のカルチャーが浸透するきっかけになります。
ディスカッションを行う際には、普段だと業務が忙しく議論する時間を抑えることは難しいので、区切りとなるタイミングで1時間程度などやや長めの時間をとることがおすすめです。
各企業が掲げているミッション・バリューはどうしても抽象的な文言になりがちで、その解釈に幅が出やすいです。例えば、「ミッションが達成されているのはどういう状態か」「バリューを体現しているのはどういう行動か」といったテーマでディスカッションを行い、メンバーそれぞれの考えに耳を傾けて議論することで、新たな気づきが生まれるのではないでしょうか。
④カルチャーを体現しているメンバーを称える仕組み
LayerXでは、全社・事業部のMVPに加え「行動指針賞」という体現したメンバーを半期で表彰する取り組みがあります。
行動指針賞があることで表彰されたメンバーが称えられるだけでなく、どんな行動をしているメンバーがそのアワードに資するのかということを学ぶ意義もあると感じております。
事業の成果に対して表彰を行っている企業は少なくはないかと思いますが、ぜひカルチャー体現したメンバーの表彰を取り入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
カルチャーとは「その企業らしくあり続けられる」上で根幹をなすものであり、このnoteを読んで少しでも多くの方に自社のカルチャーについて考えるきっかけになっていたら幸いです。
スタートアップのカルチャーについて、ディスカッションしたい方はぜひ下記より申込ください!
また、今回はあまり触れられなかったのですが、LayerXについてもっと知りたい!という方はぜひ下記をご覧ください!
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