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ハゼノキを育てよう!
皆さんこんにちは!久々にnote再開します。
皆さんは「ハゼノキ」はご存じでしょうか?ハゼノキは東南アジアが原産地と言われており、日本では室町時代に大隅国の根占地区に取り寄せられた苗が初めてといわれています。その始まりの地でもある錦江町でハゼノキの植樹を始めようと思っています。それに先駆けて現在我が家では、このハゼノキの苗を種から育てています(トップの写真は生後3ヶ月。我が家の櫨の子です)
と、言うことで今回はそのハゼノキ(櫨の木)に関して書いていこうかと思います。「ハゼノキ」の魅力をもっと多くの方に知っていただくべく、「そもそもハゼノキって何なの?」「なんで育てようと思ったの?」に関してお話したいと思います。
■ハゼノキってどんな木?
[ハゼノキ(櫨の木、黄櫨の木)]:ウルシ科ウルシ族の落葉高木
ハゼノキは漆の仲間で、西日本を中心に自生していることが多い樹木です。東南アジアを起源とする植物のため温暖な地域を好み、寒い地域ではうまく育たないため、関東以東の方にはあまり馴染みのない植物かもしれません。
秋には非常にきれいな紅葉を魅せてくれる樹木でもあり、福岡、佐賀、熊本、長崎を中心に紅葉を楽しめるスポットがあります。特に久留米市の「柳坂曽根の櫨並木」や、うきは市の「延寿寺曽根はぜ並木」は代表的な観光スポットとなっています。
一方、鹿児島では「ハイマケ」と呼ばれており、この語源は「肌負け」から来ていると言われています。ハゼノキもウルシ科という事で、漆同様肌のかぶれを引き起こしてしまう事もあります。特に春に木が成長するタイミングに現れるようで、この「肌がかぶれる」というイメージを持たれている方もいるのではないでしょうか。ただ、ハゼノキは葉っぱや枝を切ってしまったり、梅雨時期までの雨の日に木の下を通ったり、むやみに触らなければ肌荒れが起こる事もほとんどなかったりします。
■ハゼノキはどんなことに使えるの?
ハゼノキは「和ろうそく」の材料となることから、「蝋の木」と呼ばれたりもしています。しかし、ハゼノキの魅力はそれだけにとどまりません。「和ろうそく」の直節的な材料となる実の他に、その幹は「太陽光の光を表す色」と言われる黄櫨染や櫨染の材料にもなります。さらに花の蜜は、知る人ぞ知る良質な蜂蜜の材料にもなります。あまり販売はされていませんが、この蜂蜜は本当に美味しいです!
さらに「ハイマケ」と呼ばれるハゼノキですが、白蝋からハンドクリームができたりします。木として肌荒れの特性を持ちながら、全く逆の効能を作り出す。この二面性もまた、ハゼノキの魅力です!
さらに、さらに!ハゼノキは材料以外にも魅力的な面を持っています。先ほどハゼノキは「和ろうそく」の材料と書きましたが、ハゼノキの一般的なイメージはやはり、「紅葉」ではないでしょうか。「櫨紅葉」と言われるほど鮮やかな紅葉を秋にみせてくれます。かつて九州の秋は「山が赤く染まる」と言われたほど圧巻の景色が広がっていた言われています。
時間や空間利用、生産という側面を見ても、ハゼノキは通常は生産場所にならない畔や傾斜地でも育てる事が可能です。さらに収穫が農閑期となるため場所、時間の空きを上手く活用する事も可能な樹木でもあり、育てる手間のかからなさも相まって歴史的にも副業的に育てる樹木として有用な植物としての側面も持っています。
知れば知るほど魅力的な樹木なんです!
■なぜハゼノキを育てたいのか?
では、なぜ「今ハゼノキを育てるのか?」
これほど多くの魅力を持ったハゼノキですが、現在生産数や自生地が大きく減少してきています。実際にハゼの実の生産量、木蝋の生産量は全盛期の1/100以下になっている現実があります。最初は「和ろうそく」に魅せられ、和ろうそくの文化や民俗の維持、魅力を伝える事こそが自分がやりたい事だ!と思い活動していましたが、そこから踏み込んだ世界には「ハゼノキ」というさらに魅力的な樹木がありました。
その魅力に触れ、現状を知るにつれて私はこの樹木が「もっと自由に、誰もが気軽に使えるようになればなんて素敵な事なんだ!」と想うようになりました。さらに、この魅力を知り、守り、育てる人たちがいる事も知りました。その方たちと出会う事でハゼノキの魅力をもっと深く知る事ができ、
これはもう自分もやるしかない!
と言う結論に至りました!
私はこの魅力ある樹を100年、200年後も残したいと思っています。例えば100年後、自分と似たような想いを持った人が気軽ににこの魅力的な樹木を育て、活用できるように。