ハゼノキで染色用チップを作ろう!
みなさんこんにちは。実は今回のnoteは名古屋で更新していたります。1週間以上の長期出張は久々なのですが前半は日本工芸週刊、中盤は愛知県の和蝋燭屋さん巡り、後半は染色素材と油関係と、現在関わっているほとんど関係先を訪問していています。昨年も9月に同じような行程をたどりましたが、昨年は愛知ではなく、東山、北陸地方でした。今日は素材としてのハゼノキという事で、染色用のハゼノキチップに関してです!
さてその前に、先週はハゼノキの里山にあるハゼノキ以外の仲間を紹介してみました。植生的に大丈夫か?とも思える樹木もありますが今のところ元気よく育っています。元々と植生と合わさってどんな山になっていくのか?楽しみがいっぱいです。そんな先週の記事はこちらから!
■染色用素材にする木を選定する
最初に染色用のハゼノキの選定をおこないます。ハゼノキの芯材でもある黄色部分を使うのでが、成育状況や年輪の入り方によって色がマチマチになってしまいます。そのためチップにする前に染料に向いた黄色が強い部分を選びます。下の写真が分かりやすいのですが、右が染色用に使っている木、左が除外している木です。
右は綺麗に白色部と黄色部が分離していますが、左は木の中心部まで白色部(この場合は茶色ですが)が入り込んでいます。染まる、染まら無いだけであれば、左の木でも全く問題ないですが、せっかく使うのであれば最も良い部分を使っていただくのが良いと考えていますでの右のようなきれいな黄色を染色材として採用しています。現状染色用が最もきれいな材を使っています。
自然に育った樹木ですので、色の配分の善し悪しは切ってみないとわからないですが、結構多いのが次の写真のようなパターンです。木の内部に白や黒色、割れによる変色を見ることができます。この木の場合は白色と黄色はうまく分離されているのですが、元々が節部分だったため、色の入り方が複雑になっています。色が複雑なのでこちらの場合は木工にした方が面白いため、染色用からは除外しています。
■黄色部分を切り出して、カンナ掛け
染色には白色部は使いませんのので切り離し、黄色だけを残します。白部分は状態が良ければ木工用に、長さがあれば切断や研磨の補助材として使用します。通常木の染色材料は小さなウッドチップにすることが多いのですが、私たちはチッパーではなくカンナを使って仕上げます。薄い方が染まりがよいためこの方法を採用しています。カンナはだいたい0.5ミリくらいの厚みで統一しているため量がかさ張るのが唯一の難点です🤣
カンナは木材に厚みのあるものは電動カンナで、薄い材はプレーナーをかけて削っています。今月作ったものはプレーナーをつかいました。下の写真が今回の染色用のチップです。もう3年近く削っていますがこれまでで一番良い色な気がします。というか今回のチップはものすごく良いです。ちょっとびっくりしました。。。ぜひ多くの方に使っていただきたいようなものになります。
またハゼノキは切ると独特の香りがあるため、元々干した木を使っているのですが、夏場で2週間。冬場で1月ほど乾燥させてから出荷するようにしています。乾かしても香りが少し残りますが、これもハゼノキの特徴でもありますね。
■除外したハゼノキと色を比べてみると?
次の写真はどちらも同じ方法で作った染色用チップですが、どちらの方が欲しいと思いますか?
実はこれ、冒頭で比較した木の黄色部分を削ったものです。左側は黄色がか少しくすんでいます。一方、右側はしっかりと黄色がでています。このようにハゼノキも状態を見ながらどの部分を使うかを選ぶことによってより良い染料が創り出せます。
草木染や、染色材料を探している方はぜひ1度ハゼノキの草木染を検討してみませんか?素晴らしい染色にきっと驚くことになると思います。