オックスフォード城・刑務所とクライスト・チャーチ (ホグワーツ魔法学校の食堂) 英国3日目
英国滞在3日目は、オックスフォードの街を見てまわります。前日に訪れたグロスター大聖堂の記事は、こちらです。
1.オックスフォード城&刑務所
オックスフォードと言えば大学の街ですが、城が1000年以上前からあったのです。オックスフォード城は、イングランドがノルマン人によって征服されたノルマン・コンクエスト後の1071年、征服王ウィリアムの命令により建てられた。高校の世界史以来、久しぶりに聞いたノルマン・コンクエストです。
現在、“motte”と呼ばれる塚だけが城建築当時の姿をとどめており、高さは20メートル以上、直径は67メートルです。サクソン人が砦として使っていたオックスフォードをウィリアム王は、ここは重要な砦だと判断しこの土塁を作ったのではないでしょうか。
土塁の周辺に丸く砦を囲む城壁があり、その工事で出てきた土を盛ったのがmotteかもしれません。motteの上には木製の塔があり、西側からの敵の侵入を監視していたそうです。
日本の旧東海道などにある一里塚を少し大きくしたような、motteに登ろうとしたら、柵があって入れませんでした。入場料を払いコード番号を教えてもらって、それを入力すると柵が開くそうです。このmotteの他に当時の建築物としては、セイント・ジョージズ・タワー(St. Georges Tower)があります。
この塔は牢屋・刑務所として数百年以上使われてきました。最も古い記録によると、1230年には刑務所として使われていたそうです。
16世紀以前には、オックスフォード城の広場に絞首台があり、公開処刑が1863年まで行われたそうです。独房もあり、1000年以上の間にここで命を落とした人の数は計り知れないものがあります。
1785年にオックスフォード刑務所として整備され、閉鎖される1996年まで刑務所として使われました。その後、この城はユニークなホテル事業を展開するマルメゾンの所有となり、2006年に「マルメゾン・オックスフォード・ホテル」が開業しました。
この刑務所が閉鎖されてから、映画のロケ地として時々使われました。「スパイゲーム」などのスクリーンに登場したそうです。
マルメゾン・ホテルのスタッフに、オックスフォード城についてのパンフレットがないか尋ねると、リボンが付いたパンフレットがプレゼントされました。
刑務所だった部屋が一部、ホテルの部屋に改装されているので、予約時にリクエストすれば宿泊できるかもしれません。もちろん設備は他の部屋に劣ることはないとのことです。独房などの忌まわしい部屋はホテルのスタッフが使う部屋になっているとのことです。
私はマルメゾン・オックスフォードに2泊しましたが、元刑務所だったということをまったく意識するようなことはなく、快適に過ごせると太鼓判を押します。
2.クライスト・チャーチ
オックスフォード大学のカレッジ(コレッジ)の1つ、1546年創立のクライスト・チャーチについては説明は省きますが、熱狂的なポッタリアン(ハリー・ポッターファン)に連れられて、ファン必見の食堂グレートホールと階段を見に行きました。
1986年7月に訪れた時のクライスト・チャーチの写真がありました。当たり前だけど、40年近く時が経っても、その姿は全く変わってないですね。
クライスト・チャーチは、40年ぐらい前に1度訪れたことがありますが、その姿は変わっていないですね。その時は入場料は取られた記憶がないのですが、現在はシニア料金で18.5ポンド(一般は20ポンド)でした。音声ガイド付きです。事前予約すると少し安くなります。
見学する人は世界各地から集まっていることが一目でわかるような人種構成でした。混雑することが多いので、事前予約で見学時間を指定することをオススメします。
クライスト・チャーチの1番の目玉は、ザ・グレート・ホールという大食堂です。ホグワーツ魔法学校の食堂のモデルとなった所です。 実際の映画撮影は、ワーナーブラザーズのスタジオに再現されたものでの撮影だったそうです。
ザ・グレート・ホールは、今でも学生の食堂として実際に使用されているので、お昼の時間帯は見学できないそうです。ただ、大学の学生寮に宿泊すると(夏休みなど長期休業の時期)、朝食はこの食堂でとることができるとこのことです。
でも実際に映画が撮影された場所が、グレート・ホールのそばにあります。
「ハリー・ポッターと賢者の石」の中ではこの階段で、ホグワーツ魔法学校に到着した1年生をマクゴナガル先生が出迎えるシーンが撮影されました。 また「ハリー・ポッターと秘密の部屋」では、空飛ぶ車フォード・アングリアで遅れて到着したハリーとロンが、フィルチに見つかりスネイプ先生の部屋に連れて行かれるシーンでも登場しています。
この階段の天井は、ファン・ヴォールトというもので、扇の形が合わさって天井を支えるようなデザインになっています。グロスター大聖堂のファン・ヴォールトの方が凝ったデザインになっています。
四角い中庭(the Great Quadrangle)を見下ろしているのが、トム・タワーと呼ばれる鐘楼です。その鐘がグレート・トムという愛称であるため、そう呼ばれています。そのため、この四角い中庭までトム・クワッドという愛称が付いています。なんか学生特有のあだ名づけのような感じがします。
40年前訪れた時は、トム・タワーの下のトム・ゲートから入れたように記憶していますが、確認しようがありません。
クライスト・チャーチの大聖堂も見応えがあります。
この大聖堂もヘンリー8世によって開設されました。クライスト・チャーチを創設したのも、学問を次の世代に収めさせようという意図もあったのでしょうが、英国国教を広めて、我が治世を安定させたいという王の野望があったのではないかと、私が勝手に想像しています。
ヨナの窓と呼ばれるステンドグラスですが、実は左下のヨナ像だけがステンドグラスで、残りは着色ガラスの小さなパネルから構成されています。1630年ごろ作成されました。
Wikiの情報ですが、1894年と1927年に、この大学のブリングトン・クラブの部員が、この中庭に面した窓、照明、ブランドやドアをほとんど全て壊した、という記録があるそうです。
ブリングトン・クラブは、元々、裕福な学生がクリケットなどのスポーツを楽しむクラブだったようですが、破壊行為でも名を馳せていたようです。ボリス・ジョンソン元首相もこのクラブに入っていたそうです。彼の辞任に至った経緯を考えると、わかるような気がします。
たとえ、世界トップレベルと言われる学生たちの中にも、悪いことをしでかす人は必ずいるのだということですね。学歴や出自ではなく、人間性を見抜かないといけないわけです。
英国滞在4・5日目の記事はこちらです。