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ピーターラビットの世界へ 英国滞在4〜5日目
英国滞在4日目は、オックスフォードから湖水地方のウィンダミアへの列車移動が中心でした。この移動は乗り換えが多くて時間がかかりました。
オックスフォード 9:39 → バーミンガム 10:51
バーミンガム 11:09 → オクセンホルム 13:23
オクセンホルム 13:34 →ウィンダミア 13:54
ウィンダミア 14:04 → Low Wood Bay Hotel 14:13 (バス)
湖水地方を代表する伝統的リゾートホテルの滞在記は、この記事をご覧ください。ヨーロッパの人の休暇の過ごし方が垣間見えました。
1 英国滞在 4日目
この日は、昼食の時間帯も列車に乗っていることになるので、オックスフォード駅中のスーパー 「マークス&スペンサー」で、サンドイッチを買いました。
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「M&Sの豚肉は、高度な動物福祉の基準に基づいて、戸外で生育・飼育されていて、英国産です」といったことが書いてあるようです。動物の福祉という概念と、日常的に消費しなければならない食用肉ということが、矛盾しているようにも思えます。だからと言って、豚や牛などを乱暴に扱っていいというわけではありません。
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乗り換え駅の、オクセンホルム(Oxhenholme Lake District)駅には、改札機はありませんでした。イギリスの鉄道では、たいていの駅に自動改札機がありますが、このような小規模の地方の駅では、イギリス国鉄の民営分割化前と同じように改札口は自由に行き来できます。
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プラットフォームにタクシーが停まっています
列車を降りてすぐにタクシーに乗ることができました
1983年と86年にもイギリスを旅行しましたが、まだ駅には自動改札機も駅員さんもいなくて、いいなと思った記憶がありますが、2014年に来た時には、自動改札が導入されていました。調べてみると、イギリス国鉄は1997年に民営化されました。ただ、最近になって、コロナ禍などで収益減もあり、「再国営化」の動きがあるという記事を読みました。列車に乗ってトイレを利用したり、検札に来た車掌さんの様子や、窓ガラスがきれいか汚いかなどから、なんとなくその鉄道会社の様子が伺えるように思えます。
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ウィンダミア湖畔のロー・ウッド・ベイ・ホテルにたどり着くまでに、トラブルが少しあったので着いたのが15時過ぎになりました。雨模様でもあったので、この日はホテルでまったり過ごしました。
2 英国滞在 5日目
午前:ビアトリクス・ポター・アトラクション
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Low Wood Bayホテルは、WindermereとAmblesideの間にあります
「湖水地方のリゾートホテルに滞在して」で書いたように、ホテル前のバス停には時刻表の表示がなく、ホテルスタッフに尋ねてももらえなくてグーグル路線検索で調べました。Windermereからボウネス(Bowness)までバスに乗って、「ビアトリクス・ポッターの世界」アトラクション(博物館)を訪ねることにしました。
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ボウネスという街はウィンダミア湖畔にあり、クルーズ船などが発着する桟橋があって、雨にもかかわらず多くの観光客で賑わっていました。
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桟橋から徒歩5、6分ほどウィンダミアへ戻ったところにあるのが、「ビアトリクス・ポター・アトラクション」です。ここは子どもも大人も、ピーターラビットやビアトリクス・ポターのことを楽しみながら知ることができる体験型博物館&ショップです。
ロイヤル・シェークスピア劇場などで活躍した舞台芸術家のロジャー・グロソップが、1991年に開設しただけあって、ここで展示してある動物は、今にも動き出しそうなくらいにリアルでした。
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ビアトリクス・ポターは、学校に通ったことがなく、ずっと家庭教師から教育を受けて育ったそうですが、豊かな自然と野生動物から彼女は多くの貴重なことを学び、永遠に残る児童文学作品を残したわけです。
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彼女は晩年は、広大な農場の所有者となって車で見て回ることをやっていたようです。彼女が亡くなった後は、遺言に従ってウィンダミア湖の西海岸にあるニア・ソーリーに散骨をしたそうですが、具体的にどこに撒いたかは、家族にも知らせていないそうです。今でこそ、樹木葬や散骨が少しずつ広まりつつあるようですが、ポターは時代の遥か先を行っていたように思います。
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見学を終えて、一休みしたくなります。ティールームがあり、紅茶やスープ、サンドイッチなど軽食のセットなどをいただくことができます。子ども連れでも入れる気軽なカフェです。ギフトショップも品揃えが豊富です。
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足がへんにリアル
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ビアトリクス・ポターは、児童文学作家であるばかりでなく、動物学や菌類にも詳しく、またビジネスパースンとしても環境保護家としても計り知れない実績を残しています。
彼女は、自分の絵本のキャラクターをグッズとして販売するために商標登録をして、特許を取得するという、今では当たり前のことを100年以上前にやっています。
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また、絵本の印税とキャラクタービジネスの収益で、湖水地方の美しい自然を守るために、農場などを購入して、亡くなった後は、ナショナル・トラストに遺贈しました。彼女が手にした面積は、東京ドーム360個以上とされいます。
彼女が描いた自然の景観をそのまま残して、後世に引き継ぐということをやっています。これを現在やろうとしても、なかなか実践しにくいことですね。神宮外苑の再開発の例を挙げるまでもないことですが。
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ビアトリクス・ポターが描く動物たちをじっくり眺めていて、デジャビュ(既視感)がふと湧いてきて、どこかで見たことあるなあと思ったのです。それは何だろうとしばらく、わからなかったのですが、併設のカフェでスープを飲んでいて思い出したのです。
鳥獣戯画です。
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ビアトリクス・ポターは、自分が飼っていた動物が死ぬと、それの骨格標本を作るほどまでに、動物の体について詳しく調べて理解していたということです。だから、鳥獣戯画の作者も、動物たちを熱心に観察して体の動きについて把握していた人物であったことは確かですね。
この日の午後は、ワーズワースの家「Dove Cottage」を訪れました。その記事はこちらです。