警察の事情聴取と、自転車泥棒の嫌疑
1.中学生の時「取り調べ」を受ける
私は、警察に事情聴取をされたことがあります。もちろん、犯人や被疑者としてではなく、事件を見ていた参考人としてです。
今から半世紀以上も前のことですし、関係者の中には亡くなっている方もいます。警察の方が供述調書(の下書き)を書く様子を目の前で見る経験をしました。
事件は、私が中学生の時、同じクラスの男子生徒が女性の先生に殴りかかったという事件です。その時私はそばにいて、その男子を止めようとしました。結果的に先生は顔にケガをして、翌日、先生の顔が少し腫れていました。これは立派な傷害事件です。
その後、すぐに学校が警察を呼ぶとか救急車を呼ぶということはなく、暴力を振るった生徒が校長先生から説教を受けたのではないかと思います。
でも、警察がこの件を取り扱うことになったのは、女性の先生の配偶者が警察官で、妻の腫れた顔を見て、見過ごすわけにはいかなくなったわけです。
私が、参考人として事情を聞かれたのは、自宅でした。刑事が一人、パトカーではない車で家にきました。事情聴取の立会人は私の母でした。正式には取り調べと呼ぶようです。
刑事さんは、事件について時間の経過に沿って私に質問し、私が答えた内容を、作文を書くように文章の形で、罫紙に鉛筆で書いていました。かなり細かい点まで一つひとつ丁寧に聞かれたことを覚えています。
最後に、刑事さんが書いた作文を全部読み上げ、これで間違いないかと確認されました。そして最後に私と母が署名し、拇印を押しました。
こんなに細かく書くものなのだ、刑事さんも書くのに必死でした。人前で漢字を書くことになるので、漢字が書けなかったり、忘れたりすると、恥ずかしいなと思ったものでした。漢字の勉強が大事だなと中学生らしく思いました。
2.自転車泥棒の嫌疑
1970年代末、私が学生の頃に一度、自転車泥棒の嫌疑をかけられたことがあります。
経緯は、自転車で東京の上野付近を走っていました。夕方でしたが、無灯火でした。交通違反ですね。そのため、交番勤務の警察官に呼び止められました。
警察官が自転車を調べると、私と別人の名前が自転車前輪の泥よけにあったので、盗難自転車ではないかと疑われて、私は交番に連れて行かれて取り調べを受けることになりました。
その自転車は、父が知り合いの自転車店から購入した中古品でした。それを私が使っていたのですが、中古品だったので自転車店で色が塗り替えられていたのです。元の持ち主の名前が、前輪の泥除けに刻まれていたのです。私はそのことは全く知らずに乗っていたわけです。
警察官は、私の供述内容が本当か確かめるために、私の実家に電話を入れて親に、ことの真偽を確認しました。さらに自転車店の電話番号も聞いて、自転車店にも電話をかけて、確認をとりました。
でも自転車店のご主人が最初不在だったので、最終的に私の嫌疑が晴れたのは、3時間近く後のことでした。
解放される時に、警察官が謝るかなと思ったのですが、謝罪の言葉は一つもなく、無灯火は今後しないようになどの指導の言葉もなかったのは、残念でした。
親の証言だけでは不十分で、第3者の自転車店主の確認が必要だったのだろうと、思われます。
最終的には私は、自転車の窃盗犯にされずに済んだのですが、ヘタをすると冤罪被害者になっていたかもしれないと思います。冤罪の恐怖を味わいました。
私は、しばらくトラウマで警察官を見ると、心穏やかでなかったことを覚えています。警察官に尾行されているのではないかという脅迫感がしばらく残っていました。
その自転車はすぐに近くの自転車店で処分しました。それ以来、無灯火走行はしていません。
自転車に乗る時は、交通ルールをしっかりと守りましょう。
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