麻雀から感じた「守破離」
ゲーマーとして麻雀をひさしぶりに遊んだとき、面白さの気づきがあったので記してみる。
ひさびさの麻雀
5年ぶりぐらいに麻雀はじめた。学生以来だが、おぼろげに覚えていた。
当時、なぜか自宅に麻雀セットがあった。自分と同い年の安くて広い賃貸、友人の溜まり場になっていたせいか、誰かが持ち込んだのが定着した。
談話と酒のつまみの麻雀だった。きちんと勉強しなかった。点棒を捧げながら友人にダメ出してもらったレベル。ルールは分かるが、符が絡む正しい点数計算ができない。
社会人になってから遠ざかっていたが、ゲーム仲間に雀魂を誘われた。単純にゲームとしても流行っているので、ミーハーなゲーマーとしてはせっかくだし遊んでみるか、というモチベーションだった。
ちょっとだけ勉強
遊ぶ予定の前に、試運転で打ってみた。最序盤は気持ちよくレートが上がっていく。しかし、雀士 (下から2つ目) になってから鈍ってきた。
レート上げとなるとムキになるのがゲーマーの性。かつてダラダラと卓を囲んでいたモチベーションとは違って、どこまで行けるのか試したくなってくる。
そこで、今さらながら、麻雀の勉強をしてみた。麻雀にどっぷり浸かりたいわけではなかったので、短時間でちょっとだけレベルアップできれば良いぐらいのモチベーションだ。
中途半端なモチベーションだからか、勉強してみて思うことがいくつかあった。
定石の優先度が分かりにくい
字牌から切る、孤立している牌を切る、辺張・嵌張待ちの部分は落とす、など、1つ1つの定石は理解できる。
問題は、状況が複合することと、それを10秒で判断しなければいけないことにある。じっくり考えれば分かる、では不十分なのだ。
アルゴリズムを書いてくれれば良いのに、と思った。明確な判断基準で、順番に当てはめていけば行動できるような、そんなものが良い。例えば…
字牌処理1 : 役牌でない字牌を切る
字牌処理2 : すでに1枚以上出ている字牌を切る
孤立牌処理1 : 孤立している1,2,8,9を切る
字牌処理3 : 2枚そろっていない字牌を切る
孤立牌処理2 : 孤立している3~7を切る (1枚残しても良い)
ブロック選定 : 辺張待ち→嵌張待ち の順で落とす
こんな感じで言われれば、数秒で行動できる。
(※初心者が適当に考えたので正しくないとは思うが)
ゲームの構造からして、麻雀は最適解があるゲームだ。最も和了りやすい/最も点数の期待値が高い行動は、数学的に導けるはずだ。
ただし、それを数秒間で人力で導くのが難しい。だから、自分が使いこなせる程度に簡単にした、自分用アルゴリズムを構築して改良していくのが、本質的なのかと感じた。
定石から外れるのが面白い
最適解があるので、それに近づけるように自分用のアルゴリズムを構築するゲームだと前述したが、逆のことも書いてみる。
麻雀は、あえて効率が悪い行動をとった時に、それに対するボーナス (役・点数) がつくデザインになっている。実現しやすいところでは染め手 (混一色, 清一色) や対々和が代表的だ。
あえて定石から外れることが、戦略としても成立しうる。
むしろ、定石どおり単純行動しているときよりも、こういう賭けをしている時のほうがワクワクする。
もちろん無策に賭けるわけではない。8枚以上の同種牌があるときに染め手を狙う、だとか対子が4つ以上になるなら対々和か七対子を狙う、だとか、定石を外れる自分ルールを追加して賭けに出るわけだ。
それでも独自の工夫が効果的だったときの面白さは損なわれない。
(こういう「定石から外れる」ことも組み込もうとするから、初心者には即断できない複雑な戦略になりがちなのだろう)
麻雀に限らない気づき
いまさらゲームとして麻雀を考えた時に、興味深いと感じた気づきが2つある。
1つめは、
麻雀のように正解があっても時間・労力の制限がある場合、テクニックが必要になることだ。そのテクニックとは、時間・労力の圧縮テクニックのことである。
2つめは、
アレンジ (独自の工夫) の楽しさだ。
定石から外れるリスクに応じて、リターンが用意されている。つまり、定石があるのにアレンジするのは、ランダム性 (ギャンブル性) を楽しむことでもある。
ちょうど「守破離」という言葉に対応している。
守 : 典型パターンに定石を守って対応
破 : 例外パターンに定石を破って柔軟に対応
離 : あえて定石から離れてハイリスク・ハイリターンを狙う
おまけ : 雀魂の進捗
5月にアカウントをつくって、1週間で雀士に、1か月で雀傑になった。
しかし、ここからレートを上げるのは、努力がもっと必要な感じがする。そこまで時間を割くかは、他のゲーム次第かと思っている。
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