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【キャスティング考】声優さんとそれ以外(+おまけ)

Podcast(コンテンツビジネス・ラボ)のテーマが「芸能人の声優起用を切る!」だったので、Podcastでお話した内容の補足(『プロメア』)及びその実践例として、『アイドリズム』でのキャスティングについても書いてみよう、という趣旨の記事です。あと、ちょっとおまけというなの自画自賛^^;

この記事の内容をざっくりまとめると、、、

キャスティングをする時に考えること

Podcastの中でも話したのですが、芸能人起用云々の前に大事なのは<文脈>だと思っています。言い換えると、そのキャストであることの必然性、理屈が通るか、ということになると思います。

<文脈>が無いとどんなキャスティングをしても、

唐突なキャスティングに感じられる

理由を勘ぐられる(宣伝目的から縁故、政治、はては枕まで、、、etc)

マイナス評価でのスタート


という、負のスパイラルになります。

このマイナス分と、芸能人起用のプラス要素=露出効果や固定ファンの数、等を天秤にかけてジャッジすることになります。

※実際の演技については、Podcastでお話させて頂いたので、こちらでは省きます。興味のある方は、Podcastをどうぞ。

実際のキャスティングではどうだったのか

<文脈>というのは具体的にはどういうことかと言うと、例えば『プロメア』の場合であれば、、、

<『プロメア』の位置づけ:全体の文脈と狙い>
【文脈】『天元突破グレンラガン』『キルラキル』と続く、監督:今石洋之、脚本:中島かずき作品の集大成
【狙い】芸能人キャストにも声優キャストにも、しっかりとした文脈があり、必然だと思わせる(=勘ぐられない)キャスティング
<芸能人キャストでの文脈と狙い>
【文脈】劇団☆新感線に出演経験があり、中島かずきさんの本を最大限に表現しきれるキャスト
【狙い】「今までとは違う」ことを明確にする。深夜アニメ映画ではなく、もっと広い層に観て欲しい作品であることを伝える。芸能人による露出効果。
<声優キャストでの文脈と狙い>
【文脈】これまでの作品でおなじみ、今石・中島作品を知り尽くしたキャストが、この作品のために集結
【狙い】一番に観て欲しいファン=これまでの作品のファンに安心してもらうこと。

といった感じになります。

そして実はこの<文脈>を重視する考え方は、既に2014年『アイドリズム』の時からありまして、

<『アイドリズム』のコンセプト>
Idolrism General Election[IGE]:アイドリズム総選挙

それはすべてのアイドルたちが目指す夢の頂点。歌手、ダンスパフォーマー、女優、声優、インディーズアイドル、動画投稿サイトの歌い手までが、この総選挙に集い、1年間の活動の総決算として順位を競う究極のアイドルレース。
今やアイドルは個性の時代。歌や踊りだけではなく、あらゆるパフォーマンスにおいて人々の支持を集める究極のアイドル=アルティメットアイドルを時代は求めている。
プレイヤーは新人音楽プロデューサーとなって、あらゆるジャンルから個性豊かなアイドルの原石をスカウトし、グループを組んで音楽活動を指導する。各地で行われるライブに参加して、知名度をアップし、ファンを獲得して、夢のステージを実現させよう!
目指せ、アイドリズム(アイドル至上主義)ナンバーワン!

※ゲーム企画資料より抜粋

と、いうゲーム自体のコンセプトがあったので、キャスティングもこのコンセプトをそのまま、<文脈>として再現することが狙いの一つになっています。

<『アイドリズム』でのキャスティングの文脈と狙い>
【文脈】
作品のコンセプトと同様、声優に限らず、様々な出自・バックボーンを持つ人からキャスティング。
物語がアイドルの頂点を目指し成長していく姿を描くのと同じように、キャストもまたファンや作品と一緒に成長していくイメージが出来る人(まだ色がついていない人)。
【狙い】
キャストとキャラの距離を近づけることで、”どちらも”応援したくなるようにすること

といった方針でキャスティングをした結果、声優さんだけでも大手事務所所属の実績ある方から、売出し中あるいは完全な新人さん、フリーで活動されている方まで、声優さん以外にも宝塚出身の方や、ネットの歌い手さん、舞台役者さんと個性豊かなキャストを集めることが出来たと思います。

Podcastでも触れていますが、個人的に富野由悠季監督はキャスティングの神だと崇めてまして、真似してみたい憧れ・欲求に逆らえなかったというのもあります^^;

<狙い>の方も、キャストの皆さん、ファンの皆さんのおかげで、期待以上に達成できていたのではないかなと思ってます。

(おまけ)勝手に親バカ自慢:『アイドリズム』キャストたち

ここからはほぼ蛇足コーナーなので、お時間があって、私の自画自賛な自慢(≒勝手に親バカ)に付き合ってやってもいいという心優しい方だけ読んでいただければと。

いや、もう単純に『アイドリズム』の時にはまだ新人だった子たちが、アニメの最前線で大活躍している姿をみられるのが嬉しいのなんのって、別に親でもないのに(自意識過剰です^^;)、勝手に親バカ心理が働いてしまいまして、自慢のうちの子たちを知ってほしい!となった次第です。

以下、敬称略です。mm

三村ゆうな/葛城天音 役

『アイドリズム』でのキャスティング時には既に(2013)「アイカツ!」一ノ瀬かえで役でご出演されていましたが、(2018)「はねバド!」泉理子、(2020年)「八男って、それはないでしょう!」ルイーゼ、等、その後もコンスタントに活躍されてます!

優木かな/神楽柚希 役

『アイドリズム』直後の(2014)「精霊使いの剣舞」リンスレットで出演されているのを観て、ガッツポーズしたのを思い出します。他にも(2017)「ブラッククローバー」ノエル、(2018)「はるかなレシーブ」大空遥、等、大活躍!

山下大輝/逢沢光流 役

キャスティング時、既に(2014~)「弱虫ペダル」小野田坂道でブレイクしていましたが、(2016~)「僕のヒーローアカデミア」緑谷出久、他、その後の大活躍は言わずもがな!

深町寿成/嵯峨山陸 役

『アイドリズム』以降、(2018)「アイドルマスター SideM」黒野玄武や、(2019)「ありふれた職業で世界最強」南雲ハジメに抜擢され大活躍! 実は『アイドリズム』以前から知っていた方なので、1クールの間、毎週テレビから知人の声が聞こえてくるのは新鮮でした!

梅原裕一郎/春名一斗 役

もはや説明不要ですね! 今や押しも押される大人気声優さんに。『アイドリズム』でキャスティングさせて頂いた時は、ほぼ完全な新人さんという感じだったので、凄すぎます!

守屋亨香/杏菜・リンドバーグ 役

この記事を書こうと思った切っ掛けの一つ、いやもう毎週見てます!(2020)「おちこぼれフルーツタルト」緑へもちゃん役での活躍を是非、観てくださいませ!

大地葉/カーミラ 役

『アイドリズム』では厨二なヴァンパイアアイドルでしたが、声優さんとしては(2016)「僕だけがいない街」ケンヤ等、男の子役としても大活躍! 私が関わらせて頂いた「ファイトリーグ ギア・ガジェット・ジェネレーターズ」の現場でご一緒出来たのは個人的にとても感慨深かったです。

宮本侑芽/姫野美雪 役

当時は(2013)「GJ部」天使恵くらいで、声優さんというより子役からの役者さんというイメージでしたが、その声と演技の可愛らしさに惚れ込んでキャスティングしたのを思い出します。 (2018)「SSSS.GRIDMAN」宝田六花、2020年は声を聞かないクールが無かったのではないかと言うほど多数。来年も大作が控えていて、目が離せません!

小野早稀/猫屋敷棗 役

(2017)「けものフレンズ」アライグマ役で大ブレイク、(2018)「BEATLESS」遠藤ユカ役などでも活躍! 独特のウィスパーボイスにこの子だ!となったのを覚えています。

今回は主にアニメのシーンで活躍している方々の中から一部の方を紹介(自慢!)させていただきましたが、アニメ以外のフィールドで大活躍されている方もいらっしゃって、そちらは是非、アイドリズム元公式サイト=現ファンサイトWikipedia:アイドリズムなどでキャストをご覧いただければと!

収録をした2013年からゲームのサービスが続いた2015年までという、とても短い期間ではありますし、数多の作品がある中の1作品ではあるのですが、ほんの一瞬でも関わることがあった方々が、こうしてそれぞれの道で頑張っている、活躍している姿を目にすることが出来るなんて「こんなに嬉しいことはない」(by アムロ・レイ)っていうやつです。

とまあ、勝手な親バカに浸っているだけでは恥ずかしいので、彼ら彼女らに負けないよう自分も頑張らねば!

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