お店の未来は感情の渦の中に。 お店はアトラクション型とセラピー型に分岐する。
誰でも気軽に、インターネットで自分の商品を売れる時代です。
私もビーズアクセサリーを作ってショップに並べてPDCAを回していますが、これがさっぱり売れません。
売れてない人のinstagram
売れてない人のBASE
最近のささやかな成果
かろうじて成果らしきものとして言えるのは…
・instagramのshopnowの申請が無事に通ってアイテムのタグ付けができるようになったこと
・instagram運用の結果、BASEのショップランキングが10万位→26667位(5/16集計値)になったこと
・BASEショップページに私以外のフォロワーが初めてついたこと
くらいだったりして、コンバージョンとはかくも難しい…と痛感しています。
まぁ、最初から自分で商売できる人間は勤め人にはなりませんのである程度は致し方なし。
ただ、売れない中でも売るための仮説めいたものは出てきました。
遊園地のアトラクションのように、感情を揺さぶれるか?
結局、モノだけではダメで、「コンセプト」と「感情の動かし方」が伴わないといけない…ということです。
研究がてらinstagramや各種リアルショップで色々見ていたんですが、似た作品があまりにも多すぎて、何を隠そう私がよくあるハンドメイド作品に凄い勢いで飽きたんですね。
こうなってしまうと「商品/ブランドから得られる感情・効用」の設計・作り込みが勝負を決めることになります。
【感情を揺さぶるための問い方例】
・買い手の悩みは何か?
・他に似たものはないか?
・それを買うことで買い手はどういう体験ができるか?
・期待される体験が写真や説明文で十全に伝わるか?
・また買いたいと思うか?
これらの問いに仮説を立てて、解決するような作品を作ってアップして、リアクションの数字を見て改善策を立てて実行…の繰り返しでコンセプトを磨くのが近道であるように思いました。
ブランドが小さいうちは誰も見ちゃいないですし、覚えてもいないですからね(痛い真実)
友人ですら明日ブランドが180度様変わりしても、全く気にも留めないのですから、できることは全部やろう!の精神です。
企業勤めで、動かす予算や人数が大きい場合は「マーケット全体」からセグメントを切ってシミュレーション…をして予算をつけてもらうための理論武装をしますが、これは個人事業です。
自分のお財布が許す範囲であれば、小さくさっさと作って世に問うのが結果的に一番よくわかる気がしています。
感情とロジックの間…その深淵についての不合理な事実
ただし、感情と独断に寄り添いつつ、数字も冷静に読む上記の方法は今の世の超正攻法で、なおかつ達成するのが難しいルートでもあります。
私の場合はもともと「超感情的なロジック運用者」なので、ソシャゲ屋時代から「冷徹なロジックと感情は両立できる気がする。実現して成果あげられたら超面白そうじゃない?」という個人的な欲求を抱えていました。
その欲求を個人プロジェクトで実現する手段として、自分個人のお財布の範囲で楽しく、小さく試して作れるものがビーズアクセサリーしか無かったのでこのルートを行くことにしましたが、率直に言うと、えげつない茨の道です。
これが難易度低かったとするならば、今頃世の中はジェイン・マクゴニガルが信じたように、ゲーミィフィケーションまみれの幸せな世界だし、DeNAがngmocoと共に世界の覇権握ってGREEが任天堂倒してるし、メルカリはそもそもこの世に存在していません。(ヒント:メルカリ代表の経歴)
そんな世界線も楽しみですが、任天堂は今も押しも押されぬ4兆円企業ですし、メルカリはここに在る。
…という厳然たる事実に対して、お店の未来のもう一つの解を提示したいと思います。
正攻法は茨の道。小さな庭のセラピーに救いを求めよう
それは、まず「お店を作って、自分の商品を並べる」行為を第一の目的にするということです。
今BASEやminneが推し進めているものこそ、セラピー型のお店です。
こちらは成果=利益を求める向きからすると邪道かもしれませんが、確実に多くの人を幸せにできると思います。だって作ればいいんだから。
セラピー型には目的も成果もありません。ただひたすら、自らの周りを好きなもので埋め尽くすことを決意し、実行するだけです。
でもこれが、自分の好きなことさえ見失ってしまうような世知辛い世の中では、救いになり得るのだと思います。
私のような小賢しい人間の声を無視して、自分だけの小さな庭を自分の好きな色で飾り、塗り上げ、庭の中の移ろいや生まれる会話を丁寧に愉しむこと。それを慈しみ、守ること。人生の悦びはまず、ここから始まるのです。