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【感想】オフィスハック 第1話 剽窃キュレーションメディア 調整すべし

幻冬舎PLUSで連載されたオフィスハックシリーズの感想です。
12/22に#28で第1話が完結しました。(おつかれさまでした
完結で出そろった情報をまとめつつTALKに残した感想などをまとめました。

追記(4/25): 書籍版が発売されたのでリンクしました。


ダイハードテイルズ社からのちゃんとした情報はこちら。

発端編
会議室で拳銃をちらつかせる男。捕らえられた社員は無残にも処分されてしまう。調整を依頼された「四七ソ」所属の香田ちゃんと奥野さんは事前説明を受ける。

登場人物①
香田ちゃん。
登場場面から酩酊した状態でスーツを着たまま風呂に入るようなやつで周囲からなめられている。
上司や同僚どころか作者や読者からも「香田ちゃん」扱いでピンク色のイルカやドル円グラフ、虹色のユニコーンからもちゃん付けされているように感じる精神状態にあるが奥野さんはメンターを立てるので「香田さん」。弟子を育成することで精神的に成長していく。

連載中の感想
オフィスハック#1-4
今のところ淡々とした風景描写が続くがそろそろ切り込んでくるかな?
というタイミングで4文字キュレーションメディアの炎上案件だ。
未然に囲んで棒でたたけ!
しかし、依頼人の言葉に嘘がないかを確かめるのも社内調整の仕事だ。
そこは内勤の出番な?

今週の怒りボタン
自社に損害を与えかねない剽窃キュレーションメディアを根元から断つ。
あまりに正当性のある調整内容に読者総動員で囲んで棒で叩けコールが巻き起こる。

完結後の感想
当初は「必殺!シリーズ」的な展開を想定していたので[悲惨な被害者→恨みを持つ依頼人→まとめる代理人→表稼業と裏家業を持つ仕事人→成敗]を想定。順調に視聴者感情を逆なでする依頼内容で手のひらで踊らされてやるぜ!という気持ちになりました。

コラム:4文字系メディアには近寄らないようにしよう。
英語4文字:煉獄。先進的なイメージを売りにこれまであったもののカバーを変えて提供。蟲毒。
カナ4文字:魔境。無知性領域に染み込ませるように4文字を連呼し続け不定形生物が蠢く。
かな4文字:虚無。人類の三大欲求(健康自然承認)に特化した虚無の都。


罪状確認&装備確認編
調整の正当性を確認し「四七ソ」が行動を開始する。

登場人物②
奥野さん。
香田ちゃんの相棒で「年上の後輩」。絶妙な距離感を保ち香田ちゃんを育てつつ自身も成長する理想的な「弟子メンター」である。年季の入った3点バーストが持ちあじ。時空間操作に等しい神の手を持つ。

連載中の感想
オフィスハック#5-10
今回の調整先の罪状確認と装備のチェック。次ターンからいよいよオフィスハック能力を見せていく流れ。映画で言えばまだ最初の30分は経っていない。
ゴーストプロトコルで言えば機密文書を盗んで墜落着地する直前くらい。
そろそろ何か大きな事態になりそうだ。

今週の怒りボタン
調査依頼元の新人が帰らぬ人になったことを知る。
冒頭のあいつは新人だったのか……なんてひどいやつらだ。読者の怒りボタンは破損寸前だ。

完結後の感想
室長は「蔓」(つる:調整依頼を受けて仕事人に依頼を回す実行者は蔓を疑わないという不文律がある)としての役割を果たしている。基本的には味方だが管理職故に隠し事も多く連載が継続するときな臭いことになっていきそうだ。

コラム:指差し確認の美学。
装備品(ガジェット)の指差し確認は読むポルノだ。特定層のもっとも興奮するスケベピンナップであり、上級者はボールペンの銘柄を聞くだけで絶頂に達するという。

潜入編
ハック能力を駆使してONDO社へ潜入。さらなる深層へのアクセス権を得る。

登場人物③
鉄輪さん。
瞬間記憶再生能力を持つナビ担当。
なんでもそつなくこなすがいつも怒っている。おやつタイムが待ち遠しい。

連載中の感想
オフィスハック #11 -15
テイルゲート、ショルダーサーフ、ダンプスターダイヴ。
ハックスキルの詳細が明らかになる。
それぞれ現実的なセキュリティホールを超人的な能力で暴く形式になっている。必殺シリーズで言う「表の顔」の紹介であり、ドンパチするとなると裏の顔が現れるだろう。

今週の怒りボタン
パスワード関連の怒りが爆発。システムへの反抗!FookOff管理社会!!
このTweetが関係ないところまで飛び火して無駄にRTされたため、オフィスハックは社会全体の火薬庫に火をつける小説であることが証明された。

コラム:セキュリティ教材としての側面。
オフィスハック技は「可能性があれば実現してしまう」セキュリティホールを利用している。パスワードの管理不備、盗み見対策、ごみ箱に気を使っているか?この作品を読めば悪意を持ったソーシャルハックに対しては抵抗できないことがわかるだろう。
世のIT管理者はこのことに気付いているが現在の社会の仕組みでは「セキュリティホールを認識しているので改善します」という姿勢を評価するにとどまっている。やはり調整が必要なのでは。

完結後の感想
ONDO社の内幕が明らかになってくる。気だるげなこの職場に新入社員をアレするようなことができるのか?ぬるま湯ではないか?そんな油断すらもたらす展開だが次セクションへの前ふりであった。

襲撃編
サーバーフロアは死の世界であり四七ソの調整があまりにも気軽に実行される。そして香田は反省しろ。

登場人物④
室長。
観察眼がするどい圧倒的傍観者。(ウォッチャー)
奥野さんの過去やサカグチの詳細について知っているが口をつぐんでいる。
必要な場面で開示されるであろうしんじつに今はただ備えよう。

連載中の感想
オフィスハック #16 -21
極低温サーバーフロア 死の13F(コールドワールド)。ここでは命はサーバーより安い。
容赦のない警備員銃撃は四七ソの実行力を明確化。黒幕と思わしき外部コンサルはT社を踏みにじるような暴威を見せつける。ロン毛は焼肉に行けるのか。無理か。がんばれ。

今週の怒りボタン
情けない香田ちゃんへの攻撃が集中。話も全然進まない。

「ドルエンドルエン!!」「……。」
「ドルエンドルエン!!」「原油先物……」
「エッ……」「焦がしてしまい……」
「ヒッ(失禁)」「不器用ですから」
「(白目をむき目の前でユニコーンが躍る)」

コラム:サーバーは生命に優先する
サーバーに銃撃してはいけない。君も覚えておこう。
偉大なるフジキド先輩の教えにもある。

完結後の感想
あまりにも気軽に殺人する四七ソである。香田ちゃんに感情移入していた我々ドン引き。
「新人を殺しやがって・・・!許せん!」となっていた読者は「警備員にも家族が」とか思ってドン引き。
しかし、そこは「蟹と修三理論」が利いていて「感情移入は善悪に関わらず長時間付き合っているほうにもたらされる」の原則でギリギリセーフだ。あぶねえ。

最終調整編
ついに最終調整だ。香田ちゃんと奥野さんが声をそろえて「「最終調整だ!!」」。もうこれは必殺技だし処刑用BGMも流れる。しかし、黒幕は意外な能力者であった。

登場人物⑤
サカグチ。
全宇宙のIT管理者の敵。
「何もしてないのにパソコンが壊れた」の権化であり宇宙の敵。
「仕事できないから帰っていい?」調整!
「直るまでコーヒー飲んでくるね」調整ッ!!
「そうそうパスワード変えたんだった」調整セヨ!!
こいつら全員調整してやる!!

連載中の感想
オフィスハック #22 -28(完結)
テイルゲートの実践投入を皮切りに激しい銃撃戦が始まる。なんたる3DP拳銃は精度に問題があり接近戦を余儀なくされるため防弾パーティションの向こうはまるで現代の塹壕戦か!
首謀者は調整するも黒幕には逃げられる。 そして余韻を残して物語は完結する。

今週の怒りボタン
見事に逃亡に成功するサカグチである。
防弾長財布や証拠隠滅の手際にヘイトが高まる。
そして、その超能力じみたハックスキルにも批判が集まりかけるが
「これ『何もしてないのにパソコンが壊れたおじさん』だ」という声に読者が沈静化。冷静になり、なぜか納得して考察に入っていったという感がある。

コラム:ハックスキルの監視体制
・井上の笛吹き男(特定周波数で電子機器を操作)
・サカグチのザッパー(電子機器を減衰or爆発)
社会的な影響が高いスキルに関しては監視体制がとられていることが明らかになる。社会上層部にはこのようなスキルを監視する公安が存在しT社だけではなく外部にも「四七ソ」的な存在があるビガーケージを示唆して第1話は終了する。

完結後の感想
中盤のKDD(香田ちゃんグダグダ)がきつかったもののトータルで見れば必要だし、第1話のスケールが小さいかと思えば、最後に大風呂敷を広げて屋上脱出シーケンスを成功させるという、まんまと手のひらでおどらされたぜ!ヘイ!楽しかったぜ! という感じでした。

これは最終回直後の感想。

イヤーとてもたのしかったです。

明日の重大な発表ってなにかなー?

追記(2017/12/24)

物理書籍化&第2話の連載が決定!ということでオメデトございます!
この作品は就業経験のあるサラリマンとか実写フリー素材ばかりの記事を書いてバズりたがってる人とかに突き刺さると思うのでもっとチェックを入れてほしいところだ。今なら映像化したときに「俺ちゃんこの作品のスタートアップから応援してて~」とか言えるしお祝いに叙々苑で焼き肉を食べに行こうとしたりサーバ室で冷たくなって発見されたりできるよ。

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