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コンテンツ「家族期」との向き合い方
▲家族期のまま幸せに枯死したイメージ
こんにちは、お望月さんです。
「家族期」聞き馴染みのない言葉でしょうか。コンテンツを扱うファンコミュニティで自然発生的に誕生した言葉です。今日はユーザーコミュニティの停滞にどのように立ち向かうべきかという視点を書きます。
※前回の記事の関連記事です。
▼以下は特定コンテンツへの入れ込み具合を表したものです。
コンテンツに対する親睦度の推移
導入期:コンテンツとの出会い
発展期:コンテンツをよく吸収し拡大する
家族期:コンテンツを満遍なく吸収し安定化する
過疎期:ユーザー層が停滞、活動停止して枯死する
▲以上の解説です。
導入期
そのコンテンツと出会い摂取し始めた時期。この時点で脱落するユーザーも多いため有用な入門ガイドやファンコミュニティが存在すると敷居が下がる。
発展期
同好の士を多数発見。活発に感想や「布教」を行うようになる。グッズへの購買意欲やドネート率も高い。(製作側はここを最も増やしたい)導入期ユーザーを発見すると協調行動にでる。同時期に発展期を迎えたユーザー同士は同期の桜として触れ合い家族期へ移行しても付き合いが続き、家族ごと別ジャンルへ移るような親密さを見せることがある。
家族期
コンテンツが肉体と不可分になり良い部分と悪い部分の双方を愛するようになる。コンテンツを摂取し終えているので、コンテンツ自体に対する言及が減少する。(サイレントマジョリティ化)高度に洗練された(該当コンテンツ文脈を踏まえたうえでの)精神的な交流を望む。普段見かけないのに興収が抜群な映画等のファンはこのような層に潜んでいる。
なお、彼らは永劫の空腹に悩まされ常に刺激に飢えているため「導入期ユーザー」「発展期ユーザー」を発見すると集団で囲みチヤホヤする性質がある。
▼チヤホヤ参考例
【赤ちょうちん効果】
発展期から家族期へ移行する際に特定のフォロー関係を通じてコンテンツに対する共通認識をもった界隈(クラスタ)が形成されることがある。「ハッシュタグをつけなくても伝わる」「いきなりマニア向けキャラクター名を出しても通じる」「ソードサムライXについての注釈が不要」という実家のような安心感。まるで電子胡乱居酒屋だ。この赤ちょうちんの範囲は、導入期ユーザーから発見することができないため、ユーザーコミュニティの活性化については寄与しない恐れがある。でも、めちゃくちゃ居心地がいい。
過疎期
多くのユーザーが家族期として定着。或いは新規流入が途絶えてコンテンツ・コミュニティ自体が死に絶えていく状態。セクト化・カルト化し「導入期」ユーザーの前に「家族期」のユーザーが門番として立ちはだかる。空気が攪拌されず腐敗コミュニティ化してしまうのでこうなることは避けたい。
また過疎が極まると同ジャンル同士で合流して肥大化し異形の限界コンテンツと化すケースもみられる。私は好きです。
「家族期」との向き合い方
「家族期」なんと聞こえの良い言葉か。しかし、停滞した環境はゆるやかに「過疎期」を迎えていくのみであり、故に我々は「導入期」「発展期」を増やしたい。
特定コンテンツのファンが評論やレビューを繰り返すのは、新たなファン層を獲得するためだ。他の作品の文脈を持つファンを自らの文脈に引き込み新たな価値を創造する生殖活動の一環である。
お望月さんが #コンテンツ会議 にわけのわからないレビューを投下したり、インターネット善行により正カルマを高めるのは「この人がオススメするなら間違いない」という名声(IP)を獲得するために他ならない。家族期や赤ちょうちんに留まらず、新たな局面へ旅立ち、自ら発信し、新人を自ジャンルへ連れ込んで新鮮な感想を啜る、これが健全な「家族期」との向き合い方だろう。さあ錨を上げろ!出航だ!
『独立せよ!』
未来へ
お前という名の潜水艦……独立国家「俺」は、まだ出航したばかりだ。あなたの新天地での感想や、自ジャンルに対する水面下の情熱、その他いろいろなパッションを別の方向に発散・昇華させてみませんか。我々はあなたが好きなモノを知りたい。
追記:ニンジャスレイヤーシリーズは大変丁寧に家族期を乗り越えていきます。すごいよ。
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▼しよう!感想!(元記事)
▼仮想環境による腐敗コミュニティの再現
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