天職かどうかはわからない大学教員の仕事
この記事は#天職だと感じた瞬間に応募しています。
私は大学で英語を教えている。
今の仕事が天職かどうかはわからない。
しかし、4年生の就活指導をする際に、
彼らが将来#天職だと感じることができる仕事を一緒に考えたりはする。
就活支援
就活支援も大学の教員の仕事の一部である。
今年は14人の4年生を担当している。
研究室やLINEで相談にのったり、エントリーシートを作る前の自己分析を一緒にしたり、実際の応募資料を添削することもある。
大学内にはキャリアセンターという就職に特化した部署があるが、
自分を知ってくれている先生からアドバイスが欲しいという声が多い。
もちろん面接の練習も授業外で行う。
よくある相談
1.やりたい仕事がありません
自分に合っている仕事、やりたい仕事がわかりません。という質問がよくある。
大学生でそれがわかったら苦労はしない。
その時には、今でも私は先生が天職かどうかはわからないと答える。
本当にそうだから。
それを聞くとみんな安心する。
業界を絞れない学生には興味のあること、好きなことから絞り、できたらその業界でバイトをしてみることを進める。
一人の学生はある服のブランドが大好きで、その店舗でバイトを始めた。
そこで就職すると言っていたが、服をたくさん買わないといけないことや、先輩が厳しくアパレル業界の厳しさがわかり、違う業界に就職を決めた。
つまり、ある程度はやってみたいとわからないのである。
以下の記事によると
卒業後の進路を具体的に考え始める時期が日本は「大学生の後期」との回答が66%と他国よりも圧倒的に多く、他国よりも遅いことがわかった。
実際の学生を見ているといわゆる意識高い系の学生でも3年初めから、
他の学生は3年秋から進路について考え始める学生が大半である。
2.就職しなくてもいいですか?
「就職しなくてもいいよ」と答えることにしている。
声優になりたい学生から、卒業して声優学校に通うことを告げられた。
彼女は絶対私に反対されると思っていたらしい。
今は声優学校で頑張っている。
他には、ネイリストになる学生、自分で服のブランドを立ち上げる学生、
卒業後すぐに留学する学生など色々いる。
まず彼らの進路を肯定し、計画性や目的を聞きながら相談にのることにしている。
3.親が反対なんです
私には最近就活を終えた娘がいる。
どの決断をしても親はあなたの見方であると伝える。
私がそうだったから。
今は説得できなくても、頑張っていると認めてくれる時があるので、親ではなく自分の決断を優先するように言う。
先日、学生から親の気持ちを想像したことがなかったので、先生の助言が役立ったと言われた。
相談をうけるときに気を付けていること
1.できるできないを決めつけない
4年間で外見も中身も全くの別人になることがある。
1年の英語の授業で全然できなかった学生が、学年を重ねるごとに成長し
大手の会社に就職が決まることもある。
2.保護者ではない信頼できる大人でいること
こちらが軽く言ったことを学生はよく覚えている。
何事も軽く言ってはいけないが、そんなこと私言ったかなと思うことを先生が「~」と言ったから決断したと言われる。
3. 一緒に喜ぶこと
内定が決まったとLINEをくれた
やりがいのある仕事が見つかったと話してくれた時。
添削したエントリーシートで面接までいけた時。
家電量販店で就職先が決まり、買いに来てくださいねと言われた時。
(家と車はセールスに貢献できないと伝えている)
難関資格に合格した時。
2022年の大学1年生から4年生
各学年の特性に合わせて接するようにしている。
勤務先の大学の一例であるが、2022年の1年生から4年生の特徴を書く。いわゆるz世代である。
1年
今年の大学1年生は小2の時に東日本大震災があり、気が付いたらLINEを使っていた世代である。
メールには件名や宛名が必要であることを教えないといけない。
高2で一斉休講が始まり修学旅行にも行けていない学生が多い。
ワードやパワーポイントが少しずつ使えるようになっている。
まだパワーポイントのファイル名は「プレゼンテーション1」のまま。
今年はサークルも4月から加入できる。
課題が多いとみんな口をそろえて言う 。
「U2の予習」という課題ではやってこない。いかに高校まで受け身で授業を受けていたかがよくわかる。
プレゼンの時に緊張しすぎる学生もいる(英語でのプレゼンだからか)。
人気のバイト先はスタバ、カフェであるが、実際はコンビニや居酒屋で働いている学生が多い。
2年
課題を最小限の労力で終わろそうとしている。
授業は集中していない時もあるが、授業後は一人ずつ何か私に話して帰っていく学生が多い。
「服をリメイクして売っている」など、英語の授業ではわからない一面も見える
平日に「おばあちゃんの三回忌があるので、授業休みます」とメールしてきて休む
1限は来ていたのに、3限は帰っていることがある(先生同士話すのでわかる。)
バレる嘘はつかないように伝えている。
下の記事に「2年生の1週間あたりの予習や復習、課題など授業に関する学習時間は1~5時間(39%)が最も多かった」と書かれている。
2年生はあまり学習しないという私の実感とマッチしている。
3年
上の記事にもあるようにオンライン授業は場所を問わないという点ではいいが「やりとりしにくい」という弊害がある。
今でこそオンライン授業に学生も教える側も慣れてきたが入学時に全授業が突然オンラインになった、かわいそうな世代である。
高校の修学旅行は海外にも行けた。
今年の夏から留学に行けた学生もいる。
やっと対面授業が主流になったのに、就活が始まった
うちの大学だけかもしれないが大学生にプレゼンのトピックを自由に選ばせると「ディズニー、ユニバ(ユニバーサルスタジオジャパン)、ジブリ」になるので、最近はそれ以外と指定するようにしている
行きたい外国は「ニューヨーク」が多く昭和時代とあまり変わっていないような気がする
4年
唯一マスク無しの顔を知っている世代
1年の終わりに短期留学に行けた学年
内定をほとんどの学生がもっている
オンライン面接と対面面接が半々ぐらいだった
個人研究の内容で頭を悩ませている
担当している学生は全員かわいい。
学生には#天職だと感じる仕事に出会い活躍して欲しい。
私はこの仕事が天職だと確信できるまでは、しっかりと働きたい。
この記事は過去記事を修正•加筆したものです。