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”考える過程を楽しむ”感覚を掴めたとき

私は普段から色々な活動をしているとはいえ、大学院生である。

大学院生は研究が本業と言ってもいい。
研究はテーマを決めてから論文を執筆し提出するまでが一連の流れ。
その中でも研究のプランを決める段階
(先行研究を調査→問題・仮説の設定→その検証方法の決定)
が半分以上を占めると言われている。

この段階で
いかに説得力のありそうかつ新規性のある仮説を立てられるか
ということはとても重要である。
(ここがミスっているとその後いくらがんばってもその研究は失敗であると言っていた人もいたな。)

だから良い問題(仮説)を立てるということはとても難しい。
私も今それでずっと苦戦している。

過去にどんな研究をしているかを調べ上げ、
未解決なところから問題を考えてみて、
それを指導教員の先生とのミーティングで提案して、
たくさんダメ出しを受け…(笑)
といったことの繰り返し。
(まあ研究とは批判されることは切っても切り離せないのである)

私の場合はその期間がずーっと長く続いていた。(今もなお。)

そんな中、先生と1対1でミーティングをしているときに言われた。

「そんな渋い顔しないで」
「問題を考えるのをもっと楽しんでやらなきゃ😊」

考えることを楽しめていない…?

僕はその言葉がずっと引っかかって、その時から「楽しむ」ということを意識するようになった。

でも楽しもうと思ってはみるものの、
内からそういった気持ちが全然湧き上がってこない。
論文を探して読んでいるときも。

その後また先生と議論したときに、
「Uくんは」
「一度論文を手あたり次第調査するのはやめて、どういうことを問題にしたいかを深めてみたらいいんじゃないかな。それで考えた計画を教えてよ」

そう言われて、問題を考え続けるようにしてみても、

一向に考えが進展しない、、

頭の中で考えがグルグル、、

しかもちょっと眠いかも、、

その末こう考えてしまった。
「僕の今考えていることは知りたいことではないのでは?」
「ずーっと考え続けることは向いていないのかな。。」

* * *

そんなある日、たまたまご縁で参加したセミナーにて、
「脳をうまく使うには、入力よりも出力(アウトプット)から変えよう」
というお話を聞いた
人間の脳は出力されたものがまた入力される。
だからいい言葉、良いイメージを出すようにした方が脳もいい方向に教育されるというのが大まかな内容である。

それを受けて、「楽しむ」というところから出発するように意識して見た。
その結果、最初の問題設定を次のように変えた。

Before
「人間が協力する根本的な原因は何か」
After
「人間は見知らぬ人にも協力するという素晴らしい習性(性質)はどのようにして生まれたんだろう?」

それからというものの、脳が徐々に回転し始めた。
だんだんその速度が上がっていった。
頭の中で色々とアイデアが浮かんで、
それをノートにひたすら書いていった。
正直手が思考に追いつかなかった。

その結果、ノート2ページくらいを自分で埋め、とりあえずの仮説たるものを立てることができたのだ!!
(もちろんこれからもっと改善していくけど。)

でも、この体験を通して主に2つの事に気づけた。

  • 「考えることを楽しめていなかったのは内容の問題じゃない。楽しいと思える方向に解釈で来ていなかっただけだったんだ」

  • 「問題が設定できていない現状から、良い問題を見つけること(目に見える結果)を急いでいたんだな。」

研究というものは
一般的デスクワークみたいにてきぱきとスムーズにいくものだと思い込んでいたようだ。
でも実際はもっと長い視点で見て、時間をかけて成長させることが大事だと感じた。

同じような問題を抱えている人たちの参考になれば幸いです。


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