痛みはなぜ発生するのか〜中医学的解釈〜
「なぜ痛むのだろう?」治療家なら誰しもが考える課題です。
人によって表現の仕方が違うし、良くなったと思ったら逆戻りすることもあるし、痛みの場所がコロコロ変わったりする。
中医学では痛みの病因病機を「不通則痛」「不栄則痛」の 2 つに分けて理解します。
今回はこの 2 つを更に痛みの性質ごとに分けて書いていきます。
不通則痛
① :気滞張痛
気の流れが滞ることによって痛みが発生するという考え方です。
痛みが強くなったり、弱くなったりして、限局的な痛みというより名の通り張ったような痛みのタイプです。ストレスなどの精神面の影響も受けやすいです。
② :血瘀疼痛
血の流れが滞り、血の塊のようなものが出来てしまい、気血の通りが悪くなるために痛みが発生するという考え方です。比較的痛みは強く、固定性があるのが特徴です。
③ :寒凝疼痛
寒さの邪気が外からの入ってくることにより、気血の流れが凝滞し、経脈が温養されないことによって痛みが発生するという考え方です。当然のことながら温めると軽減します。
④ :火熱疼痛
熱の影響で気血の流れが促進され過ぎることによって血脈を破いてしまうなどして気血が暴れ回ることによって痛みが発生するという考え方です。
いわゆる炎症の痛みで冷やすと軽減します。
⑤ :湿阻疼痛
湿邪の影響で気血の流れが阻滞されることによって痛みが発生するという考え方です。
痛みの性質としては重怠さがあり張ったような痛みになり、運動することよって軽減されたりします。
不栄則痛
経脈が栄養不足に陥ることで痛みが発生するという考え方です。
時に取れたと思った痛みが逆戻りするのは、不栄の影響できた病理産物による不通の痛
みは取れたけど背後に隠れる不栄の痛みを取りきれていないケースが多いのではないかと思います。
中医学は奥が深すぎて書ききれません。
五行学説や陰陽学説を当てはめていくことで痛みの根本原因に限りなく近づけます。
弁証論治がとても大切です
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