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中医学で考える肩こり
多くの人が悩まされる肩こり。
いくら肩こりの筋肉に対してアプローチしても全く改善しなかったり、効果が一時的であったりするが為に、「固いですね~」とマッサージ治療になるのがよく起こってしまうパターンかと思います。
やはり、勉強して免許されてるのだから、プライドを持って治療にあたりたいですよね。
理学療法の世界では普段の生活のなかでの姿勢や職場環境の指導を行ったり、弱化した筋をトレーニングしたり、肩甲骨のアライメント修正をしたり
徒手療法の世界ではカウンターストレインをかけたり、頭蓋骨の調整を行ったりしてアプローチをかけていくかと思いますが、
中医学の観点からどのようにして肩こりが起こっているのかを考えるとアプローチ方法がある程度明確になると思うのです。
どんな症状でもそうですが、
そこが明確になれば、アプローチはなにも鍼を使わなくても、中医学的に考えて徒手でアプローチをすれば良いと思いますし、メンタルケアや内臓治療
など方法はいくらでもあるかと思います。
西洋医学では機序がぼんやりとしているものでも、中医学では明確に説明できるものが多いです。
肩こりもそのひとつです。
まずは何から起こっているのか、自分の中で明確にすることが大切ですよね。
では始めます。
中医学で考える肩こり
1.風寒による肩こり
寒さにやられて肩こりが起こるパターンです。これからの季節はエアコンの風からの寒さにやられるパターンも考えられます。
このタイプは膀胱経(背中)がやられるので脊柱起立筋のラインが固くなります。その他の所見でいえば汗をかきにくかったり、首の後ろをうちわなどで扇いであげると肩こりの起きているラインがぞわぞわ~っと嫌な感じがしたりします。
このようなタイプの肩こりにマッサージのみを行うのはもちろんナンセンスです。
鍼が使えればまずは邪気をとるのですが、その他の方法としては肺動きをよくしてあげたり、首の後ろをあっためてあげたり、背中に冷たい風を受けないように指導したりが効果的かと思います。
2.肝陽による肩こり
陰(この場合は水分や血液)が不足し、肝の陽のパワーが高まって肩こりに繋がっているパターンです。
このタイプは肩こりのほかに頭痛や吐き気が起きたりします。
このような方は肝臓を柔らかくしてあげたり、自律神経を整えてあげたり、水分摂取を促したりすると効果的です。
3.肝血不足による肩こり
陰のうち肝血の不足の多いパターンです。
このタイプは目の疲れがたまっていたり、エネルギーの流れが阻害されるために痛みが強くでたり、筋の柔軟性が落ちていたりします。
このような方は肝陽のときのアプローチのほかに胃腸のエネルギーも上げてあげたり、サプリメントを摂ってもらったりして、血液量を増やすアプローチが必要です。
4.気滞血おによる肩こり
ストレスの割合が多いパターンです。姿勢のよくない方にも多いです。
このような方はまずは自律神経の乱れを整えてあげて、入浴や食べ物、香りや音楽など普段の養生を指導していかないと治療が長期化してしまうのではないかと考えています。
さいごに
中医学で考えると、単に僧帽筋上部が張っているから緩める!ではなく、その張っている原因をいくつも考えることが出来ます。
人の身体はみんな違って、そもそも分かっていない事の方が多いのですから、単純に考えられる訳がえりません。
そこを考えて試行錯誤するから面白いのですよね。
中医学は素晴らしい。