【詩】天に星を、地に花を
かつての夢をまだ憶えている
それはとてもうつくしくうつくしく、きらきらの星空で
「ねえ、また泣いているね」
また或る時は、逆さまの青空の上で無数の心を吐いた
「苦しいのかい」
「これは罪なんだきっと。馬鹿なのは私なのだろう」
「いいえ、いいえ、ああ本当に馬鹿なお人で」
君の咲う顔をまだ憶えている
それは手の届きそうな地平線の向こうにたくさん離れて行ってしまう
追いかけようとしたら悪戯みたいにもっと遠くへ離れてく
それがただ楽しくて
永遠みたいで
最低な馬鹿はいつだって楽しくて仕方がない
「うたを、歌おうか」
それは一輪の花を掠めて飛んでゆく
願わくばどうか、本物の青空にまで
きらきらの星空にうずもれてその砂を一掴みして息を吹きかけるとたちまち辺りを覆い尽くして瞬くから
それを歌で結んで君に渡すんだ
そうしたら君は、咲ってくれるかな
作家修行中。第二十九回文学フリマ東京で「宇宙ラジオ」を出していた人。