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【読書記録】『インプット・ルーティン 天才はいない。天才になる習慣があるだけだ。』〜あなたは「いいもの」と「すごいもの」の違いを説明できますか?〜
こんにちは!ウジョーズです🦈
今日も読書記録をやっていきたいと思います。
今回、題材となる本は、
菅月 雅信 著
『インプット・ルーティン 天才はいない。天才になる習慣があるだけだ。』です。
最近の自己啓発には「とにかく行動しろ!」「まずはやってみろ」と
アウトプットの大切さについて説かれたものをよく見ます。
確かに頭でずっと考えて行動しないより、
行動しながら考えて修正していく方が、試行回数も増えて
成長できますし、成功する確率も高まります。
でもインプットをおろそかにして、闇雲にアウトプットばかりしていても
言い方は悪くなりますが、質の悪い成果もたくさん生まれます。
本書ではアウトプットの大切さを尊重しつつも、
それと同時にインプットの質の大切さについて書かれています。
僕自身、noteを書く上でいろんなことをインプットしようと思うのですが、
世の中に作品や情報がたくさんありすぎて、どういったものを優先的にインプットしたらいいのかわからないということが多々ありました。
そんな時に手に取ったのがこの本です。
人間の体は、食べたものでできています。
それと同じで、
アイデアやセンスは、インプットしたものからできています。
本書を読めば、インプットに対する概念が180度変わることでしょう。
●天才はいない。天才になる習慣があるだけだ。●
そもそも天才と呼ばれる人たちが生み出すような”新しいアイデア”というのは、どうやってできているのでしょうか?
アメリカの広告代理店のプランナーとして活躍した
ジェームズ・W・ヤングによると、新しいアイデアというのは、
「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」
と定義しています。
つまり「新しいアイデア」とは”既存のアイデア”の掛け算で生まれるものなのだと主張しています。
だがしかし、著者はそれではまだ足りないと言っています。
アイデアのつくり方とは、より正確に言うならば、
既存のアイデア×既存のアイデア
ではなく
既存のアイデア×既存のアイデア/大量のインプット
である。
素晴らしいアイデアやイメージは、急に降りてきたり、爆発的に閃いたりするものではありません。
これまでにインプットしたものを「どう組み合わせたらいいのか」
「この組み合わせは面白そうだ」という試行錯誤の数によって
生まれます。
アイデアは”思いつくもの”ではなく、”出るもの”です。
「天才」と呼ばれている人のクリエイティブは、
尋常じゃないインプットによって蓄えられた
大量のネタのストックと大量のネタの組み合わせの試行錯誤数によって
生まれた産物なのです。
●あなたはあなたが食べたものでできている●
みなさんはどうやってインプットをしていますか?
・本や雑誌、新聞を読む
・映画などの映像作品を観る
・音楽を聴く
・美術館、ギャラリーに行く
・旅をする
・人と会う
大体、こんな感じですかね。
目指しているものによってインプットのやり方は違うかと思いますが、
ただこれらを闇雲にやっていては無駄に時間を浪費してしまう可能性があるというのです。
スポーツやクリエティブ、ビジネスにおいてプロとアマチュアの違いの一番の違いは何か。それはトレーニングやインプットの”精度”です。
第一線のプロは、やみくもに大量の知識や情報をインプットしているのではない。それであれば、SNS漬けの人間はみな、優れたクリエイターになれるはずだが、そんなことはめったにない。プロは、「精度の高いインプットを仕組み化している」のである。
では、”精度の高いインプット”とはどういうことでしょうか。
その答えは「選ぶ」ということです。
人生は有限です。
僕たちは、無限に本を読むことも、映画を見ることも、音楽を聴くことも
できません。
そんななかで今はコンテンツが溢れかえった時代です。
SNSを見れば、情報が滝の如く流れてきて、音楽アプリをひらけば何千万もの曲が配信され、更新されていっています。
つまり僕たちは、
何を読んで、何を読まないか、
何を見て、何を見ないか、
何を聴いて、何を聴かないか、
を判別して、選択しなければいけません。
「あなたはあなたが食べたものでできている」という言葉を
聞いたことがあるかと思います。
生物学者曰く、僕たちの体の細胞は、骨を除くと、
ほぼ2年で完全に入れ替わるらしいです。
つまり、自分が食べた野菜やジャンクフードは必ず自分の体の一部になっているということ。
これはインプットにも同じことが言えます。
自分がこれまでインプットしたものでしか、アウトプットできないのであれば、よりクリエイティブな人間になるには、より良いインプットを行うしかありません。
「自分を賢くしないものを、自分の目と耳と口に入れない」
「君たち、漫画から漫画を勉強するのはやめなさい。一流の映画を見ろ、一流の音楽を聞け、一流の芝居を見ろ、一流の本を読め。そして、それから自分の世界を作れ」
●「いいもの」ではなく、「すごいもの」をインプットする●
少し話がそれますが、
みなさんは「いいもの」と「すごいもの」の違いを説明できますか?
世に出たときに誰もが気持ちよく思えるようなものは「いい」ものであり、
世に出たときに賛否は分かれるが、歴史にくさびを打つものが「すごい」ものだと考える。
これは著者の持論なのですが、
あらゆる時代を跨ぎ、世代を超えてもたくさんの人に影響(賛否両論ありながらも)を与えるようなものを「すごい」ものとしています。
そしてインプットをするならこの「すごい」ものを優先でインプット
しましょうと言っています。
それはなぜか。
時代を超えて影響を与える「すごい」作品は、それまで存在していた作品に対する疑念や否定と、それらを乗り越えようとする歴史的視点があります。
また、受け取る者の価値観を揺さぶるような大きな「問い」が含まれていることが多いからです。
それに対して「いい」作品というのは日常にあふれています。
また「いいもの」というのはこれから先、AIでも作れてしまう時代が来るでしょう。
つまり、この「いい」と「すごい」の差に敏感になること、
「すごい」ものを的確に選び取る感覚を養っていくことがとても重要になってくるのです。
「いい」本を10冊読むより「すごい」本を1冊読む方が頭のトレーニングにものなるし、時間の節約にもなるのです。
「すごいもの」を知らずして「すごいもの」はつくれない。
●killing time●
「暇つぶし」を英語で「killing time」と言います。
つまり「時間を殺す」
現在の暇つぶしの多くは、目を酷使する視覚的エンタテインメントが主流になっています。
テレビ、ゲーム、ネット、SNS、漫画など。
しかもスマホなどの普及により、いつでもどこでも瞬時に目と脳を休ませず
この視覚的エンタテインメントが見られます。
これは質の高いインプットを行う上で危険視した方がいいと著者は言っています。
高いモチベーションをもとに活躍し続ける才人たちにほぼ共通する時間の使い方として、「暇つぶしをしない」ということがあります。
しっかりと休むときは休む、活動するときは活動すると、オンとオフを切り替えることでインプットに集中することができるのです。
”息抜き”と”暇つぶし”を混同しないようにしましょう。
「killing time」を頻繁に行なっていれば、いずれ「killing life」
つまり自分の人生を終わらしてしまうことになりかねません。
●最後に●
ここでは長くなるので割愛させていただきましたが、
本書にはそれぞれ、本、映画、音楽、芸術、食事など、
目、耳、口それぞれでインプットすべき作品などが紹介されています。
具体的に何をインプットしたらいいのかわからない方は、
本書を読んで、そこからインプットしてみるのもいいのかなと思います。
僕自身、今年はアウトプットを中心に行動していこう決意したところなのですが、本書に出会って、もう一度インプットについて考えを改めようと思いました。
自分が見て、読んで、聞いて、体験して得た感情や思考を組み合わせて生まれたものは、その人にしか出せない遊びやユーモア、矛盾や意外性、答えのない問いかけが含まれています。
そしてそれらは、AIのようにプロンプトを入力して出力されるような作品には表現できません。
ぜひ、インプットの質を高めていつか「すごいもの」を作り出せるように、
最終的には自分が「すごい人」になれるようにインプット習慣を続けていきましょう。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
「将来は、長い時間をかけて肉体の訓練をしなくても、強力なインスピレーションがあれば、表現できる時代になるというだけで、従来からある音楽を否定するわけじゃない。いままで、たとえばピアノの練習がいやで、音楽を断念しちゃって、サラリーマンになった、みたいな人が多かったわけでしょう。肉体的な訓練はたいへんなことだから。それが、もしイマジネーションさえ豊かなら、それを生かした音楽が作れるわけです。だから(中略)イマジネーションを広げるようにしようと」