スポーツと競馬「陸上1万mの記録の壁と 朝日杯フューチュリティステークス」
陸上日本選手権、男子10000mで塩尻選手が日本新記録で優勝した。
それでもオリンピックの参加標準記録には届かなかった。記録は27分9秒80。
「オリンピックに出たいなら、このくらいのタイムは出しといてもらわないとねぇ」という標準のタイム27分00秒00に届いていないのである。
現在の世界記録は26分11秒00で、日本記録より1分近く速い。
日本記録の塩尻選手は、世界記録のチェプテゲイ選手よりも、ほとんど周回遅れくらい遅いのである。
女子もほとんど男子と同じような状況だ。
これは今に始まったことではなく、もうずっと前から同じである。
日本の選手がアフリカ系の選手に追いつこうと頑張って頑張って頑張って、やっと記録が伸びたと思ったら、その間に相手も1歩先へ行っていた、ということなのだ。
そりゃあ向こうだって必死になって努力しているわけだから、そう簡単に追いつけるわけはない。
こんな時、彗星のように現れ壁をぶち破ってくれる選手がいてくれたらいいのにと、勝手な夢を描いてしまう。
例えば、オリンピック5位、世界陸上4位の実績があり、昨年3月に26分33秒84を出したアメリカのフィッシャー選手。アメリカだって日本と同じような状況だったわけだが、高地で生まれ育ったフィッシャー選手がアフリカ勢の中に割って入った。それによって、アメリカに「オレにだってできる」と後に続く選手が出てくるに違いないと思う。
思えば、この塩尻選手はリオ・オリンピックの3000m障害で、アフリカ勢の見えない壁に果敢に挑んだ。思いがけない出場で、失うものは何もない状態で臨んだがアフリカ勢の高い壁に跳ね返された。しかしそれが、その後を追った三浦龍司選手のTokyo2020での3000m障害7位入賞という突破ストーリーにつながったのだと思う。
どの世界でも、恐れず壁に挑む人は、その人のそのことだけで終わらず、次へつながる何かを残すものなのではないだろうか。
明日は朝日杯フューチュリティステークス
馬も見えない壁を感じるだろうか? 感じてるわけないか。
感じてるとしたら厩舎の人とかジョッキーだろう。
人間がいくら壁を感じていようと、馬は一生懸命走るから、案外あっさりとレコードが出ちゃったりする。でも、レコードを出した馬が、結局大活躍することなく終わってしまうなんてこともあるし、反面、タイムはイマイチでもG1をいくつも持っていった馬もいる。
そう、見えない壁なんて人間が勝手に頭の中に作っているだけ。馬のように無心でベストを目指せばいいのだ。
人間が勝手に言っている壁であり、今や不思議とも言われるのが、ルメール騎手がこのレース未勝利ということ。
8番 ダノンマッキンリー
デビューから2連勝中。どちらも強い勝ち方で2位以下を突き放している。ただし、どちらも1400m。とはいえ、出遅れても勝つあたりは1600mでも大丈夫のように思える。なにしろ鞍上はルメール騎手なのだから。調教では栗東CW単走で、なんだかとっても楽しそうに走っていた。
反対に近年2勝している川田騎手
3番 ジャンタルマンタル
デビューから2連勝中。しかも重賞1勝。ただし、2戦とも京都。とはいえ、1800mも1600mも勝っている。日本でも実績あるMr.Prospecter系ではあるが、父Palece Maliceは未知数。種牡馬としてSS系の壁を破るべく持ち込まれた。調教の走りは栗東坂道単走で迫力があってスピード感抜群だ。
怪我から復帰の武豊騎手
1番 エコロヴァルツ
デビューから2連勝中。どちらも1800m。ただし、4ヶ月の休養明け。母はスピード寄りらしいが、父はどちらかと言うと長めの距離が得意。ブラックタイド産駒✕武豊騎手といえばキタサンブラックを連想してしまうので、ホープフルステークスじゃなくこちらに出てきたのは意外に感じる。怪我明けで失うものはない武豊騎手は軽々と壁を超えるんじゃないか? 調教は栗東坂道2頭合わせで重厚な力強い走りだった。
レーン→ルメール→モレイラと来て、今回はマーカンド騎手
17番 シュトラウス
3戦2勝。重賞2戦1勝。ただし、すべて東京。1ヶ月おきのローテの3戦目で、疲れが気になるところだが、2歳馬なら大丈夫か。そもそも短期免許の外国人騎手は失うものが少ないから思い切った騎乗ができるのが強み。意外なレースを見せてくれるかも。調教は美浦坂道2頭合わせで余裕たっぷりの走り。でかい馬だからそう見えただけ?
最近、G1では壁にぶち当たっている感のある横山武史騎手
6番 セットアップ
2連勝中。デビュー3戦すべて1800m。しかもすべて逃げての勝利。潔い。ただし、3ヶ月の休養明け。父デクラレーションオブウォー産駒は短い距離が得意な馬が多いし、母も長い距離の適性があるとは思えないが、この馬は少し長めを狙う構え。調教は美浦W3頭合わせでとてもスムーズな走り。
重賞はG3まで。G2より上の壁を破れずにいる津村騎手
4番 サトミノキラリ
2連勝中。どちらも上がり最速だ。ただし、今まで1200m2回、1400m1回しか走っていない。父ビッグアーサーだし、母も短距離系だけに1600mはどうなのか? 母父ディープインパクトだけれども・・・。調教は美浦W3頭合わせ。ゆったり走っているようでスピードが出ていた。
さて、2歳馬となると騎手の手腕が問われるのではないかと思う。となると、やっぱり眼の前の壁がやすやすと突破できる状態の人がいい。
であれば、おそらく勝っていないことを壁とも思っていないであろうルメール騎手。怪我明けで前だけ見ていればいい武豊騎手。そして日本で勝てなくてもそんなに痛手はないマーカンド騎手。
1-8-17 3連複
前日オッズは約36倍。
奇しくも最内、真ん中、大外の組み合わせ。見た目のバランスがいい。
2023秋のG1シリーズ一点勝負の予想結果
シーズンごとにG1レースのみ、すべて一点勝負で収支トントンを目指しています。
先週までの予想結果
+230円 (1点100円の馬券を買ったとしての計算です)
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