花園 対 神戸 レビュー (ジャパンラグビーリーグワン 2022-2023)
ジャパンラグビーリーグワン
ディビジョン1 第15節 カンファレンスB
花園 34 - 33 神戸
今シーズンまだ試合を見ていないチームの対戦をレビュー。前半は神戸が4トライを挙げてリードして折り返したが、後半は花園が4トライを返し試合終了直前のCGで逆転して勝利した。花園にとっては2PGの成功も勝利に大きく貢献した。
この試合では花園はアタックとディフェンスにおいてチームの決め事を遂行し、圧力をかけていた。それに対して神戸はアタックとディフェンスにおける圧力が弱かったように見えた。
花園のアタックとディフェンス
花園は、①ラインアウトからのアタック、②BKでのアタック、③ディフェンス、において決め事があり、それを遂行していたように見えた。
①ラインアウトからのアタック
ミッドフィールドでブレイクダウンを作り、次フェーズのアタックで順目で13番(アウトサイドCTB)がSHから直接もらってクラッシュしていた。13番が走り込んでボールをもらうことでゲインを切ることが多かった。また、1次フェーズでSHが少し離れてFLからボールを受けたり、2次フェーズでブラインド側(逆目)をアタックする等でアタックに変化をつけていた。
②BKでのアタック
スイベルパスを受けたSOの後ろに走り込んだプレーヤーが(昔で言うと流れながら)ボールをもらってペネトレイトしていた。後半はその形が多く、相手のスライドディフェンスに対してゲインを切っていた。
③ディフェンス
相手にオーバーラップを作られていてもスライドするのではなく、ボールキャリアに詰めることが多かった。詰めて相手ボールキャリアを止めることもあったが、パスをつながれ大きくゲインを切られることもあった。チームとしての決め事としていたようで、バッキングアップしたプレーヤーが詰めたスペースを埋めていた。
神戸のアタックとディフェンス
神戸は、①ラインアウトからのアタックで決め事が見られたが、②9-shape全般、③ディフェンス、において圧力が弱かったように見えた。
①ラインアウトからのアタック
モールを作って押すか、No. 8がペネトレーターになることが多かった。モールを作った時は押せていたが、モールが分裂したり前進がゆっくりなこともあり次フェーズのアタックがあまり有効になっていなかった。
②9-shape全般
全般的に止まってボールをもらうことが多く、あまりゲインを切れていなかった。
③ディフェンス
スライドディフェンスをベースにしており、受けたタックル(追いタックル)が多くゲインラインを切られていた。ブレイクダウンに参加する人数を少なくすることで次フェーズのディフェンスに参加できるプレーヤーを増やしていたが、その分相手ボールキャリアへのプレッシャーが弱かった。