メリトクラシーと分断についての考察
序
メリトクラシー、日本語では能力主義や実力主義と訳されるが、過去の功績によってメリットがもたらされるといった意味合いが強いようである。数年前のトランプ対ヒラリーの大統領選のときのように、「エリート」はヒラリーを選び、「非エリート」はトランプを選ぶという現象があった。私の少ないアメリカ人の友人たちはみな「エリート」に属する人々であり、やはり彼らはトランプとその支持者たちを批判した。そしてそこには、学がない人々が扇動政治家によって煽られ「誤った選択」をしてしまっている、というニュアンスが含まれていた。そのときにアメリカでは何らかの分断が起きているのだ、ということを感じた。もちろんその前からそのような空気は漂っていたが、それが勢いよく実体化したように感じたのだ。
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