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花火直撃! 台湾の「危険すぎる奇祭」
「台湾で最も危険」との呼び声高いお祭り、鹽水蜂炮に行ってきた。耳をつんざくような爆竹の轟音、自分に向かって地面と水平に飛んでくるロケット花火。火傷リスクを承知で撮ってきた動画&写真で当日(2月4日)の様子を振り返ると……。
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鹽水蜂炮とはなにか。蜂は「ハチ」とか「大勢が群れる」とかいう意味、炮は「爆竹」という意味なので、日本語にするなら「藍水の爆竹祭り」。無病息災を祈るために毎年何十人という負傷者を出すという、なんとも本末転倒な奇祭である。
祭りは夜が本番。午後3時過ぎに大学のクラスメイトたちと台南駅で集合した。男子5人組でまず在来線に45分ほど揺られ、台南の北側にある位置する新營駅へ。さらに路線バスに乗り換えて30分ほど。鹽水の中心にある「武廟」に到着した。ここが今日の祭りの神輿の出発点になる。
乗り換え時間も含めると、だいたい台南の中心地から1時間半くらい。まわりは水田も多く、ずいぶんと田舎までやってきたなあという印象だ。とはいいつつ、あたりは祭り目当ての人々ですでにかなり賑わっている。
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腹が減っては戦ができぬと、まずは夜市で腹ごしらえ。
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祭りに本当に「参加」するには防具が必要になる。ロケット花火が飛んできても怪我しないように、だ。一方で大学の語学センターの台湾人講師からは「遠くから見るぶんにはわざわざ買わなくても良いはず」とも教えられていた。
おそらく高いんだろうなと想定していたし、大金をはたいて買ったとして、1カ月以内の帰国が決まっている私には不要な荷物になるだけ。
まあ買うまでもないかな……そう思っていたのだが、あたりが暗くなるにつれ、少しずつ、ヘルメット姿の兄ちゃんたちの姿が目につくようになってきた。
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うーん、どうしよう。やや迷い始めたそんなとき、ちょうど防具を売っている露店を発見してしまう。
聞いてみると、ヘルメットと厚手のコートで2400元。複数人で買うなら2200元=約1万円まで値引き可能だという(元値がいくらかは知らないが)。うん、やっぱり高い。
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決め手となったのは一緒に行動していたクロアチア人の友人男性の一言だ。「YesかNoだったら俺はもうかなりYesに近いほうに傾いてるよ」。そうだよね、ここでケチってもしょうがない。
結局共に行動していた男子5人組のうち、3人が防具を購入した。3人とも30代。オトナになるとこういうときにお金を使えて楽しい。
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2200元(約1万円)した防具は、首周辺を守るためのカバーが縫い付けられた特製ヘルメットと、背中から膝ウラにかけてこれまたカバーの縫い付けられた特殊コートのセット。保護カバーは、いずれも柔道着のようなかなり厚手の生地でできている。
そうしているうちに開始時刻の7時が近づいてきた。装備済みの3人で発射台の真下まで移動して、いよいよ藍水蜂炮スタート!
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ロケット花火、想像を上回る頻度で直接こちらに飛んでくる。撮影のためにスマートフォンを支える手の、軍手と袖のあいだの装備手薄な部分に当たることに恐怖を覚える。
この祭りはお神輿をかついで町内を何カ所か移動し、それぞれの地点で花火を打ち上げ、爆竹を鳴らすスタイルらしい。10分ほどで1カ所目を終え、次の場所へとみんなでぞろぞろ移動。
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1カ所目ではロケット花火が垂直に打ち上げられていたが、2カ所目は地面と平行、つまり人の立っているところに直接ガンガン飛んできた。これは危ない!
さきほど防具の説明のところで、コート背面の保護カバーは「膝裏のあたりまで覆われている」と書いたと思う。
そう、膝下は無防備なのである。防具を売っていた露店のお兄さんには「人混みの中に立っていれば脚までは飛んでこないから」と言われていたが、とんでもない。ジーンズを履いているとはいえ、当たるとかなり痛い。
よくみると周りの人々は撃たれながら足踏みしている。最初は爆竹を鳴らすためにわざと地面を踏みつけているのかと思っていたが、実はロケット花火が当たって痛いからだったんじゃないか。なぜなら私も無意識のうちにステップを踏んでいたからである。
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さらに大きな発射台がやってきた。
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そしてこの日最強・最恐の発射!(動画をご覧ください)
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まだ祭りは続くようだったが、21時を過ぎたところで我々は撤収することに。かなりの田舎町に来ているということもあり、帰り道はかなりの混雑が予想されたからだ。
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この帰り道が結構大変だった。
バス停に到着し、公式サイトにアクセスしてリアルタイムの運行情報を確認すると、よかったよかった、20分後くらいに新營駅行きのバスはやってくるようだ。
……と思っていたが、このバスは来なかった。
「もうすぐ到着します」の表記が15分ほど続いたのだが、何回かリロードしていたらあるとき突然「通過済み」に変わり、数分後には「次回のバスは54分後」に変わった。
周辺がこれだけ人であふれているのでコース変更でもしたのか? 確かにバス停にはコース変更の案内が貼ってあるが、これは翌日(2月5日)に関しての情報。自分たちがバスを待っていた停留所は、少なくともこの日はバスがちゃんと来るはずだった。
おかしい。けど、これくらいのことで驚いていてはいけない。善後策を考える。流しのタクシーはまったく見かけないし、配車アプリも全然機能しない。
検索を続けると、30分ほど歩いたところにバスターミナルがあって、そこを23時07分に台北→台南へと南下している高速バスが通りかかるようだった。このとき既に22時30分すぎ。結構時間が迫っている。
それ以外に方法がないのでこちらに向かうことにする。
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すぐ隣を猛スピードで乗用車が走り抜けるなか、なんとか野宿は避けたい5人組はずんずん進む。思ったより順調に歩けたみたいで、わりと早めにバスターミナルに到着できた。よかった……
……が、照明が半分ほど消えている。ちょうど営業を終え、係員が戸締まりしているところだった。えっ、だってまだバスが来るはずですよね?
必死に食い下がる。「時刻表には23時07分にバスが来るって書いてありますよね、チケット買いたいんですけど」。しかしその係員いわく「ココはもう23時で営業終了だよ。そんなバスは来ない」。えー、ウソでしょ。
どうする、どうする。一緒に行動していた5人組もさすがに焦り始める。
が、私はこのとき妙な直感があった。「たぶんこの係員が知らないだけで、きっとバスは来る」――。次のバスターミナルへさっさと向かおうという友人たちの提案を制して「とりあえず23時10分までは待ってみない?」。
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果たして係員がバイクでその場を去って5分後、案の定ターミナルに高速バスが入ってきた。運転手に尋ねる。「台南行きですよね?」「そうだよ」
規則上この高速バスのチケットはターミナルのカウンターじゃないと売ってくれないらしい。が、我々も諦めるわけにはいかない。
「このバスに乗れなかったら、ココで一晩過ごさないといけないんです」
すると運転手さん「わかった。じゃあ台南駅に着いたらチケットを買ってくれるのでいいから」。マニュアルにない神対応ありがとう! こういうところが台湾人の好きなところ。
台南まで30〜40分の道のり、80元=350円しかかからなかった。
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日付の変わるころ台南駅に到着。あーよかった。なんとなくそのまま帰りたくなくて、コンビニでビールを買い、みんなで台南公園飲み。なんて幸せなんだろう。
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【2023/01/07の日記】(祭りとは別日の記録です)
朝食は一番大好きなお店の牛肉湯。大(130元=約560円)を頼むと肉燥飯がついてくる。いつもの煮卵が乗っていなかったが、おかみさんに台語で何か言われたのでこのことだったかも。後からちゃんとサーブされた。先日知ったことだが、このお店はミシュランガイドに載っている。https://t.co/MHaCXjNHXn pic.twitter.com/7HDNObsjcr
— u5505 (@u5505tainan) January 7, 2023
このお店は昨年12月まで100メートル先の別の場所で営業していた。Google Map上では閉店したことになったけど、引っ越し後ちゃんと営業再開しています。元の場所を通りかかったら何やら工事中。ここに別のお店ができるとしたらそれも楽しみ。
— u5505 (@u5505tainan) January 7, 2023
新鮮牛肉湯
+886 6 236 9680https://t.co/BE91bsggOC pic.twitter.com/5bG4ND92Q3
昼食はずっと気になっていたが、いつも長蛇の列で入るのを諦めていた「和風洋食」屋さん。厚切日式豬排定食(130元=約560円)を注文した。おかみさんが運んできてくれたときはご飯&味噌汁が奥になってたので思わず直す。味噌汁がぬるかったのと豚カツソースがかなり甘かった以外はおおむね良かった。 pic.twitter.com/U7bZq0Ije0
— u5505 (@u5505tainan) January 7, 2023
そういえば麦茶(冬瓜茶か?)もかなーり甘いパターンだった。和風洋食って日本では聞き慣れない言葉だけれど、意味はよく伝わる。
— u5505 (@u5505tainan) January 7, 2023
元味屋和風洋食
+886 6 236 8830https://t.co/7XA5sxxnM2
7日夜は3軒ハシゴ。日本語をしゃべってリラックス。1軒目は写真を撮るの忘れた。3軒目の擔子麵、なんでお腹いっぱいでも食べられちゃうんだろう?
— u5505 (@u5505tainan) January 8, 2023
芙蓉鳥燒
+886 6 221 0271https://t.co/QKidMGnv48
朋友居酒屋
+886 6 221 7423https://t.co/ysY9nref2V
台南(陳)擔仔麵https://t.co/KwHcRHP8BN pic.twitter.com/Ay3syaKUMt
机に向かっての勉強時間は2時間27分。