祝「ジャック・リヴェット映画祭」勝手に推薦文
「ジャック・リヴェット映画祭」として、4月8日(金)から4月28日(木)まで特集上映が組まれる。ヒューマントラストシネマ渋谷にて。
一報を聞き、胸躍らせたのが早や一週間前。
日本でも熱心な方々がいて、スクリーンで取り上げる動きがあったことを見聞きしてはいたが、今度こそ参加できそうなので楽しみは募るばかり。
なので、ごく私的な思いを推薦文として書き散らします。
学生時代はフランス文学を専攻していたこともあり、教授たちが推すフランス映画もよく観た。
中でもヌーヴェル・ヴァーグ(新しい波)と称されたフランスの映画監督たちは、やはり輝きを放っていた。
さらにその中でも、とりわけ気になる存在だったのがジャック・リヴェット。
いまだに観れていない作品も多いのが正直なところではあるのだが、決定的だったのは『セリーヌとジュリーは舟でゆく』との出会い。
今回の映画祭の副題に「夢と魔法と冒険と」とあるが、まさにそれらを体現するかのような、魔術のような映画だ。
よくオールタイム・ベストみたいな企画があるが、私としては間違いなく生涯の10本には入ってくる作品。
あくまで私見だが、想像力の大きさと面白さでこれに比肩するのは、チャップリン『街の灯』、バスター・キートン『セブン・チャンス』、オーソン・ウェルズ『市民ケーン』、フリッツ・ラング『メトロポリス』『M』、タルコフスキー『惑星ソラリス』、エミール・クストリッツァ『アンダーグラウンド』ぐらいか。
※今パッと何も見ずに思いついたもの。検索し始めたら他にも際限なく挙げられそうなので、今はここで止めておきます。
そして『北の橋』も奇想と言っていい着想で、そのヘンテコな終わり方にも衝撃をまともに受けた。今でもすぐに思い出せる。
この2本も上映作品に入っている。
そして、日本劇場初公開として3作品。
『デュエル』、『ノロワ』、『メリー・ゴー・ラウンド』。
存在は知ってはいても、どうしても観ることは叶わなかったものばかり。
映画は現実を映し出す鏡であり、勢いのまま書けば、もう一つの現実だ。
映画に没頭することは決して現実逃避でも何でもなく、むしろ逆で、現実を生き抜くための手段でもある。
さらに、女優たちに生命力と躍動感を吹き込む演出と撮影も、今の時代だからこそより映えるのではないか。
実際かなり久し振りの鑑賞になるので、その点も含めて改めてリヴェットの世界に迷い込んでいきたい。
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