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8/11/’24「熊谷悠一アワー」(渋谷のラジオ) No.331 プレイリスト



【Tracklist】

オープニング曲
Plastic Ono Band “Give Peace A Chance” (1969, Ultimate Mix)『GIMME SOME TRUTH. (Deluxe)』(2020)

1. Isley Jasper Isley “Caravan of Love“『Caravan of Love』(1985)
2. Guy Clark “Desperados Waiting for the Train”『Old No.1』(1975)
3. Peter Jöback “Jag Bär Dig“『Det Här Är Platsen』(2004)
4. SAULT “We Are the Sun”『5』(2019)
5. SAULT “No Bullshit”『7』(2019)
6. SAULT “Wildfires”『UNTITLED (Black Is)』(2020)
7. SAULT “I Just Want to Dance”『UNTITLED (Rise)』(2020)
8. SAULT “Air”『AIR』(2022)

エンディング曲
SAULT “Angel”『10』(2022)




放送後記

今月のリクエスト・テーマは「旅」です。旅にまつわる曲であったり、ご自身の旅の記憶にある曲からなど、少しでも関連していれば大丈夫なのでお気軽にご参加ください。あと2週ありますので、21日ぐらいまでに送っていただければ最終週に間に合いそうです。
多分、人生のテーマそのものが旅なのかもしれません。私の場合は旅というより放浪や彷徨に近いのですが…。
いつも通り、通常リクエストや感想メイルも同時募集しています。お好きなタイミングでどうぞ。


さて、今週は何と言ってもSAULT (ソー)に尽きますね。
2019年に突如として登場した、ほとんど情報を出さない謎の覆面グループ。
と言っても、ある程度まで素性は割れていて、Infloというプロデューサーが全体の指揮を取っていて、中心となるヴォーカリストにCleo Sol、そしてシカゴのラッパーKid Sisterが加わっている。ここが基本メンバーではあるようです。
そこに、様々なゲストもInfloとの繋がりから加わっているとのこと。

それ以外に分かっていることはほとんどなく、公式サイトもSNSも最低限の告知のみ。不必要な情報までもが氾濫している今の時代に逆行するかのような、いやむしろ逆手にとって利用しているかのような匿名的な在り方です。
最も驚くべきことは、ここまでの約5年間という短期間で次々と高品質な作品を発表していること。現時点で、ストリーミングや音楽販売プラットフォーム「bandcamp」で聴けるアルバムがEP含めて計11枚。さらに、期間限定の無料ダウンロード(現在はフィジカルのみで入手できる)・アルバムが1枚。そして、昨年末に最初で最後と宣言して行ったライヴでは未発表アルバムを丸ごと演奏、つい先月それをまたも期間限定(数日間だけ?)で無料ダウンロード配布。
一体この音楽集団は何なんだ?と戸惑いつつ横目で見ていましたが、今になってようやく半歩遅れで聴き始めたのでした。このおよそ考えられないような物量だけでなく、中身も非常に高い次元でそれぞれ結実している。驚愕です。

番組の夏休み企画ぐらいの軽い気持ちで、全アルバムを一通り聴いてみようと取りかかったのですが、これはややもすると2020年前後での音楽的奇跡の一つではないか?と筆を滑らせたくもなっています。
個人的には、ソロ名義でも傑作を連発しているCleo Sol (クレオ・ソル)の貢献度が高いのが嬉しい。自身でも音楽家として余計な情報は一切出さず、表現のみで勝負しているところに強く惹かれていたのですが、SAULTでの活動も合わせると信じがたいレヴェルに到達していると言えます。元々好きでしたが、これで一気に大ファンになりました。ここまで凄い人は滅多にいない。

まず今週はSAULT特集の前編として、発売日順に5枚のアルバムと1枚のEPをご紹介しました。
5』2019年5月発売 全14曲42分
7』2019年9月 10曲34分
UNTITLED (Black Is)』2020年6月 20曲57分
UNTITLED (Rise)』2020年9月 15曲51分

NINE』2021年6月 10曲34分 ※こちらのみ、現在はフィジカル(CDあるいはレコード盤)のみで入手可。未入手のため今回は割愛しました。

AIR』2022年4月 7曲45分
10』2022年10月 1曲10分 (『Angel EP』と表記される場合もあり)


当番組は先の内容を予告することはほとんどないのですが、来週はSAULT特集の後編をお届けします。やはりどれもカッコ良いので、よろしくお付き合いください。
2022年11/11に一挙に5枚と、これも前代未聞の発表方法でした。
UNTITLED (God)』 全21曲73分
Today & Tomorrow』 10曲38分
Earth』 9曲39分
AIIR』 5曲25分 
11』 11曲44分

こちらも1枚1曲ずつの紹介になる予定ですが、現在鋭意選曲中です。

つい長くなってしまいました。
自分たちの音楽に集中したいからなのか、聴き手とのコミュニケーションを希求していることの裏返しからなのか。SAULTが採っている秘密主義の手法を見て、近いやり方をしていた人たちも過去にいなかったわけではありませんが、かなり考えさせられています。ポピュラー音楽を楽しむ際、私たちはどこまで関連情報が必要なのだろうか?ただただ音楽に無心に向き合うべきなのか、そんなことが果たして可能なのか。その部分も自分なりにまとめてみたい。少なくとも、SAULTだけで一つ長めのプレイリストは作れるなと思っています。それもかなり極上のものが。また後日アップします。


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