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5/19/’24「熊谷悠一アワー」(渋谷のラジオ) No.319 プレイリスト


【Tracklist】

  1. Bab L’ Bluz “Imazighen”『Swaken』(2024)

  2. Pixies "Gigantic"『Surfer Rosa』(1988)

  3. Pink Floyd “Bike”『The Piper at the Gates of Dawn』(1967)

  4. Loleatta Holloway “Cry To Me”『Cry To Me』(1975)

  5. Lou Donaldson "Glory Of Love"『Gravy Train』(1961)

  6. Béla Fleck & Abigail Washburn “Bloomin' Rose”『Echo in the Valley』(2017)

  7. Varijashree Venugopal “Jaathre (feat. Anat Cohen)”『Vari』(2024)

  8. Malin Lewis “Elision”『Halocline』(2024)

エンディング曲
Malin Lewis “Hiraeth”『Halocline』(2024)




放送後記

まず番組でお知らせした来日公演から。

BÉLA FLECK & ABIGAIL WASHBURN ベラ・フレック&アビゲイル・ウォッシュバーン
5.31 fri., 6.1 sat., 6.2 sun.
ブルーノート東京

革新的でありながらルーツに根ざしたバンジョー奏者である2人。これまで両名義でのアルバムを2枚出しています。
ブルーノートはいわゆる「アメリカーナ」と呼ばれる音楽家たちも積極的に招聘していて、こちらもその一環なのでしょう。相当良い内容になると思います。観たい。



さて、今週の新作紹介は3枚。
それぞれ映像付きで短く振り返っておきます。

まずBab L’ Bluz(バブルブルーズ)はモロッコ生まれのYousra Mansour(ユスラ・マンスール)を中心としたグループ。グローバル・ミュージックを得意とする名門レーベル「Real World」からの2作目で、勢いに乗っている様子。北アフリカ一帯の音楽文化を吸収しつつ、楽器もそれぞれ電化させ音圧ある迫力の音作りになっています。古典的なものと現代性、地中海/アラブと西洋など、独特の混ざり方を見せているのが面白い。

Bab L' Bluz - Imazighen (Official Video)



続いてが今週一驚きのVarijashree Venugopal(ヴァリジャシュリー・ヴェヌゴパル)。インドはベンガルール生まれの歌手でありフルート奏者。当地ではバンドを組み、おそらく複数の映画音楽も手掛けている中で、今作はマイケル・リーグのレーベルからということもあり明らかに国外を視野に入れたソロアルバム。全世界に向けた挨拶状か。おかげで日本の音楽ファンである自分のところにも届く。一言でまとめると脱帽。完全に参りました。
作・編曲、歌唱、ゲストの的確な配置と、卓越した技術はもちろんのこと音楽家としての器が段違い。自由自在に伸び縮みするようなリズム感、より微細に捉えているであろう音階で、緊迫感を生む楽曲もたまらない。
ヴィデオも3曲作られていて、上述のベラ・フレックも登場するこちらも他では聴けない表現力。

Varijashree Venugopal - Ranjani ft. Béla Fleck (Official Music Video)




最後はスコットランドのパイプ奏者Malin Lewis(マリン・ルイス)。性的少数者(queer)であることを公表していて、イギリスの伝統音楽も新しい才能を迎える土壌があるのだなと感じ入る。風通しが良い音楽シーンだからこそ、次々と優れた音楽家が出てくるのでしょうね。
こういったトラディショナル音楽の新譜を送り出し続けている「Hudson Rercords」からのデビュー作。このレーベルもほぼ外れはないという認識。
厳密に言えばSmall Pipes、Borderpipesといった種類の楽器を中心にしたインストゥルメンタルで、演奏を支える音楽家も良い人たちが揃っている。
演奏場面がある方が分かりやすいと思うので、こちらの映像をどうぞ。

Malin Lewis - Trans


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