
12/8/’24「熊谷悠一アワー」(渋谷のラジオ) No.348 プレイリスト

【Tracklist】
Pearl Jam “Corduroy”『Vitalogy』(1994)
U2 “Vertigo”『How To Dismantle An Atomic Bomb (Re-Assemble Edition)』(2024)
The Replacements "I Will Dare"『Let It Be』(1984)
Mavis Staples “Your Good Fortune”『Your Good Fortune』EP (2015)
Anya Hinkle “Bound Away”『Oceania』(2024)
Hannah Sanders & Ben Savage “The Youngest Sailor”『In The Dark We Grow』(2024)
Ellie Gowers “You, the Passenger”『You, the Passenger』EP (2024)
Quarteto Em Cy “Canto De Ossanha”『Quarteto Em Cy』(1966)
Orchestre Tout Puissant Marcel Duchamp “Coagule”『Ventre unique』(2024)
エンディング曲
Orchestre Tout Puissant Marcel Duchamp “Speak by the E”『Ventre unique』(2024)
放送後記
自分語りも込みで、青春〜青年期によく聴いていたロックバンドを冒頭に連発しました。ピーター・バラカンさんのラジオを聴いていると、気づけばヴァン・モリスン、グレイトフル・デッド、ローリング・ストーンズなどがかかっているように、私にとってはこの辺りが地金というか骨格に近い部分なのだと思います。白人のボーイズバンドばかりなのが偏っていますが、全てパンク以後というのも世代的な特徴かな。
12月の放送予定を再度お伝えします。
通常の放送は次回の12/15、そして12/22まで。
22日はゲストさんをお迎え予定。おそらくクリスマスとは無縁の特集になりそうです。
そして!ありがたいことに今年も年末特番を予定しています。「2024年間ベスト」、今年もやります。そちらでは通常回の数倍ほど時間枠がもらえそうなので、リスナーみなさんからの「年間ベスト」が頼りです。1曲だけでも大丈夫。今のうちから考えおいてくださいね。もう送ってくださっても構いません。お祭り企画みたいなものなので、いつもよりさらに守備範囲を広くしてワイワイ盛り上がりたいです。
年末進行ゆえ、締め切りは12/23(月)まででお願いします。よろしくどうぞ。
では番組でお伝えしたライヴ情報から。
Mavis Staples メイヴィス・ステイプルズ 来日公演
2025/03/11 (火) - 2025/03/13 (木)
ビルボードライブ東京
ANYA HINKLE & FRIENDS オシアニヤTOUR JAPAN 2024
12.10~12.29

その来日もするAnya Hinkle(アーニャ・ヒンクル)も含めて、今週の新譜は欲張って4枚。映像付きで補足しておきます。
何度も来日公演を行っているからか、名前だけは聞いたことのあるシンガー・ソングライターAnya Hinkle(アーニャ・ヒンクル)。今年出ていた新譜を聴いてみると、参加している演奏陣のおかげか伝統的なアイルランド音楽ぽくもあり、フラメンコ調の曲もあり。作・編曲、歌に演奏とどれも丁寧な作りで、これはかなり素晴らしい出来です。
かなり細かく全国を回る日程なので、私も観に行こうと予約しました。
Bound Away [OFFICIAL VIDEO] by Anya Hinkle
Hannah Sanders & Ben Savage (ハナ・サンダース & ベン・サヴェジ)は、私のようなアメリカーナ〜フォーク〜カントリー寄りのルーツ音楽が好きな人間にとっては、どこかで必ず名前は見かけたことがあるはず。特色とも言える仄暗さがあって、しっかり聴き込んだことはなかったのですが、今年出た新作は風通しが良くなった感覚があり聴きやすかったです。やっと当番組でも紹介できる日が来ました。やはり伝統曲に重きを置きながら、解釈を加えたり、あるいは自分たちで曲を作ったりも。曲によって2人交互にヴォーカルを取ります。
The Youngest Sailor - Hannah Sanders & Ben Savage [OFFICIAL VIDEO]
我ながら妙に買っているところがある新人、Ellie Gowers (エリー・ガウワーズ)はデビュー作に続いてシングルを挟み、この度ミニアルバムを発表。かなりポップな方向に変化していて、これも試行錯誤の一つなのかも。そういう曲も書けることを証明しているし、引き続き注目していきたい才能です。冒頭の曲にヴィデオ・クリップがあり、雰囲気が伝わるかもしれません。
Ellie Gowers: A Moment (Official Video)
最後は隠し球というか、取っておきの人たち。Orchestre Tout Puissant Marcel Duchampは、「全能のマルセル・デュシャン楽団」とでも訳すべきか。スイスの12人組で、そこまで詳細を追いかけてませんが実に面白い個性。3枚ぐらい前の、未だ大手でストリーミング配信もされていないアルバムからの曲にハマりにハマり(“The Sheep That Said Mood”という奇妙な曲)、それ以来ずっと気になってはいたものの、アルバムを通して聴いたのは今回の新作が初めて。何と言うか、何周もしているポピュラー音楽の世界でいま現在ロックを鳴らすとしたら、こういう音楽になるのではないか。3〜4人編成でギターを中心にした8ビートを再々々々々生産するのではなく。マルセル・デュシャンの名前を冠しているだけあって、実験的でもあるし遊び心満載。こんなグループが活動できる欧州はやっぱり文化的裾野が広い。余裕がある。
ヴィデオ・クリップはないようなので、各ストリーミングでどうぞ。一応YouTubeの音を貼っておきます。
Coagule