3/2/’25「熊谷悠一アワー」(渋谷のラジオ) No.360 プレイリスト
【Tracklist】
The Brand New Heavies “You Are The Universe”『Shelter』(1997)
Eugene McDaniels “Freedom Death Dance”『Headless Heroes of the Apocalypse』(1971)
Mr. Bungle "Ma Meeshka Mow Skwoz"『Disco Volante』(1995)
Nick Cave and the Bad Seeds (feat. PJ Harvey) “Henry Lee”『Murder Ballads』(1996)
Steinar Raknes ＆Unni Wilhelmsen “Folks and People”『Stillhouse Live』(2025)
The Last Dinner Party “The Feminine Urge”『Prelude to Ecstasy』(2024)
Lal & Mike Waterson “Rubber Band”『Bright Phoebus』(1972)
Eiman Yousif & Niile “Gol Ley Kef (Goodbye Julia)” single (2023)
Sunny War “No One Calls Me Baby”『Armageddon in a Summer Dress』(2025)
エンディング曲
Sunny War (feat. Valerie June) “Cry Baby”『Armageddon in a Summer Dress』(2025)
放送後記
3月に入りまして、番組の月間リクエスト・テーマは”自由”です。まだまだ募集中なので、文字通り"自由"に解釈していただいてお送りください。
通常リクエストもいつでも受け付けています。
今週お伝えした来日公演の詳細はこちら。
The Last Dinner Party 来日ツアー
4/15 (Tue) Zepp Haneda (TOKYO)
4/18 (Fri) GORILLA HALL OSAKA
4/20 (Sun) NAGOYA CLUB QUATTRO
そのThe Last Dinner Party、遅ればせながらの紹介になってしまったけど、相当に良いバンド。
ロンドンからの5人組。デビューアルバムをちょうど1年前に出していて、急速に名を広めているよう。日本にも昨年来ていて、フジロックでも大きいステージに出演したとのこと。
艶やかに着飾って、起伏に富んだ力強い楽曲を、芝居がかっているぐらいの活力に溢れた演奏。やっぱり、ポピュラー音楽はこうでなくっちゃね。
古いロック・ファンである自分の目からは、フレディ・マーキュリーが髪を切る前の、つまり1970年代のQueenが背後に見え隠れする。そのような往年のロックを参照しつつ、印象に残るしっかりとした曲を揃えているし、歌を担当するAbigail Morris (アビゲイル・モリス)の強烈な個性が中軸となっている。本来ロックが持つべき「いかがわしさ」が充満しているところが貴重だ。
音楽的には、2人ギターがいるうちのLizzie Mayland (リジー・メイランド)がおそらく鍵を握る人物だろう。曲の骨格となるフレーズ作りも巧いし、重要曲でリード・ヴォーカルも取っている。
もし自分がロック音楽に明け暮れていた高校生の頃なら、間違いなく熱中していただろう。いや、恥ずかしがることなく認めるべきか。自分は40代半ばの中年男性だけど、The Last Dinner Partyに夢中だと。
映像も多く、複数撮られているヴィデオ・クリップもそれぞれ工夫がある中で、特徴をよく表していると思うこちらを。
The Last Dinner Party - My Lady of Mercy
新作レヴューはSunny War (サニー・ウォー)の出たばかりのアルバム。
多作な人で、何枚か連続で聴き続けているけど今作はよりロック的な躍動感が加わった印象。よって聴きやすさは増したと思うが、これまで通りな曲調もある。根っこは変わらずにあるのだろう。
基本はいかにもフォーク・シンガーといった感触の人ながら、ハードコア・パンクにも同じくらい影響を受けているそうで、ゲスト・ヴォーカルに招いた人選にもそれは表れている。
ヴィデオは2曲分作られていて、アニメーションを使って主張をより明確にしたであろうこちらをどうぞ。
Sunny War (feat. Steve Ignorant) - "Walking Contradiction" [Official Music Video]