中学受験社会五榜の掲示
中学受験も直前期に入り、志望校の過去問の対策に入ると思います。社会科は他教科より配点が低く対策が不十分になりがちです。しかし、他教科よりも学校毎の傾向が大きく違うことが大きく、思うように得点ができないこともしばしばです。かといって、十分な対策のための時間を社会にはとれない。そこで各学校の傾向をまとめたものを通して志望校対策を進めていくためのガイドを作成しました。これを利用して効率良く志望校対策を進めて欲しいと思います。
(1)社会科の傾向を見るためのポイント
「中学受験社会五榜の掲示」を作成するにあたって、自分が各校の分析の際に気を付けたポイントをいくつか示します。リストになっていない学校でもこれを参考に傾向を分析するといいでしょう。
①大問構成
これは大きく2つに分けられます。
●大問の数
普通は大問が3つです。その理由は後述します。ただ、中には大問がそれよりも多い場合があります。いずれにしても大問の数と小問の数に合わせて時間配分を考えなければなりません。
●分野の並び
基本的に多くの学校は、「地理→歴史→公民」の並びで、3つの大問で構成されることが多いです。では、実際に過去問を取り組むときにどの大問(分野)から取り組んでいるでしょう。例えば地理が苦手なのに大問の番号通り取り組んでないでしょうか。つまり、苦手な地理分野から取り組んでないでしょうか。もしそうだとしたら負担が大きいですよね。もしかしたらそのせいで最後まで取り組めず、解ける問題が解けなかったと言うことになる蚊もしれません。そうならないようにするためにも、大問と分野の並びをあらかじめ確認して、得意な分野から取り組む。それをよく確認して下さい。
②小問の数、問題の種類
小問数を通して「試験時間÷小問数」の計算をしてみるといいでしょう。平均的に1問あたり約50秒で解かせる学校が多いです。もちろん、記述問題が多い学校もありますのである程度の注意は必要です。しかし中には1問あたり平均して40秒以内で解かせる学校もあります。そういう学校を受けるのであれば普段から時間配分に気を付けて取り組まないと行けません。自分が受ける学校がそういう学校なのか、あらかじめ知っておくことは重要なことです。
そして時間という点では理社を同時に取り組ませる学校は特に注意が必要です。理科に時間をかけなくていいのか、それとも社会を急いで終わらせて理科に時間を取らなければならないのか、よく確認しましょう。
問題の種類も重要です。一問一答のような知識量を試す問題が中心の学校もあれば、長文記述問題を多く出す学校もあります。前者と後者では傾向が全く違いますので対策に苦労します。社会科以外で得点できるというならいいですが、場合によっては学校の選択を変えるのも一つの手段です。とはいえ、社会科が受験校を左右することはあまりないと思いです。ですので傾向を理解した上での対策が重要になるのです。
③分野別のポイント
地理分野・歴史分野・公民分野でそれぞれ対策のポイントが異なることがあります。では具体的に各分野どのような個性的な傾向と対策があるでしょう。
●地理分野
他分野にない傾向として地形図と雨温図です。地形図は時間がかかる割に配点が高くないことが多いです。ですので時間に余裕がないなら後回しにするのも一つの方法です。大事なのはトータルで得点することを忘れないで下さい。
雨温図も時間がかかりますが、地形図に比べて練習する機会が多いですので易問にすることもできますし時間もかけずに解くこともできます。時間をかけずにきちっと得点できるようにしましょう。
これらは学校によっては定番にしています。それを利用して対策を進めて下さい。
●歴史分野
歴史分野はテーマ史の出題が多いです。その中で気を付けたいのが2つあります。
1つは問題の並びと時代の並びです。学校によっては問1が縄文時代、問2が飛鳥時代・・・と問題と時代の流れが並行している場合があります。それが分かっていれば、時代が特定しやすいため問題が解きやすくなります。もちろん中には問1に奈良時代を出して問2に弥生時代を出す場合もあります。それはそれで対策しやすくなります。
もう1つは整序問題を出すかです。テーマ史の誘導としていくつかのリード文を並べることがあります。その場合、多くは最初か最後にリード文を並べ替える問題を出します。リード文を読みながらどの時代の話題かを確認しておかないともう一度リード文を読むことになります。そうならないためにも、リード文を読みながらどの時代かを確認、できるなら並べ替えもしておきましょう。
●公民分野
公民分野も気を付けたいポイントが2つあります。
1つは出題範囲です。多くの学校、特に基本的な知識を聞いてくる学校は国政に関する問題を多く出し、国際社会を扱う可能性が低いです。これはおそらく学校の授業がそこまで終わっていないことに配慮しての出題と考えられます。過去問を数年チェックしてみて国際社会に関する問題が出ていなければ国政に関することの復習に注力してもいいと思います。
もう1つは時事問題です。時事問題はどの分野でも出題されますが、やはり公民分野での出題の割合が高いです。リード文などで「202×年は~」と最近の話題について触れていれば時事問題を扱うことの多い学校と言えます。そういう学校であれば時事問題集を通しての対策が有効です。
④その他
これはこれまで挙げてきたこと以外のことです。そしてそれは他の学校ではほとんど見られない独自の傾向である可能性が高いです。こういう独自な傾向で差がつく可能性が高いです。そうした情報を利用して他の受験生より先んじることが合格に近づくと思って下さい。
以上は私が入試問題を分析するときに注意するポイントです。これを参考に入試問題を見てみるといいでしょう。
(2)中学受験社会五榜の掲示について
11/25の12:00から毎日10校ずつ掲示します。予定と学校のリストは以下の通りです。
リストにまとめたのは以下からご覧下さい。
「X」をチェックして探すのもいいです。また有料ですが全校を掲載したものを入手することもできます。こちらは行別と全体をまとめております。
似た傾向の学校を探し、いわゆる「銀本」を利用して対策するのも有効です。
以下が有料版です。取りだしてご利用下さい。加工はできませんが、印刷はできるようにしています。
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