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浦和明の星女子中学校の2024年度国語入試|本の紹介

浦和明の星女子中学校の2024年度国語入試で使用された本と
著者、他の作品を紹介します!



スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険

ディスカヴァー・トゥエンティワン (2022/11/18)


内容紹介

【三省堂書店神保町本店 人文社会ランキング1位!(2022.12.5~12.11集計)】

"つながっているのに寂しい、常時接続の世界"を生き抜くための書。

スマホは私たちの生活をどう変えてしまったのか ?
いつでもどこでもつながれる「常時接続の世界」で、
私たちはどう生きるべきか ?

ニーチェ、オルテガ、ハンナ・アーレント、パスカル、村上春樹、エヴァetc……
哲学からメディア論、カルチャーまで。
新進気鋭の哲学者が、様々な切り口で縦横無尽に問いかける!

「常時接続の世界」において、私たちはスマホから得られるわかりやすい刺激によって、自らを取り巻く不安や退屈、寂しさを埋めようとしている。

そうして情報の濁流に身を置きながら、私たちが夢中になっているのは果たして、世界か、他者か、それとも自分自身か。

そこで見えてくるのは、寂しさに振り回されて他者への関心を失い、自分の中に閉じこもる私たちの姿だ。

常時接続の世界で失われた〈孤独〉と向き合うために。
哲学という「未知の大地」をめぐる冒険を、ここから始めよう。

・現代人はインスタントで断片的な刺激に取り巻かれている
・アテンションエコノミーとスマホが集中を奪っていく
・空いた時間をまた別のマルチタスクで埋めていないか?
・常時接続の世界における〈孤独〉と〈寂しさ〉の行方
・〈孤独〉の喪失――自分自身と過ごせない状態
・スマホは感情理解を鈍らせる
・「モヤモヤ」を抱えておく能力――ネガティヴ・ケイパビリティ
・自治の領域を持つ、孤独を楽しむ
・2500年分、問題解決の知見をインストールする
・「想像力を豊かにする」とは、想像力のレパートリーを増やすこと
・知り続けることの楽しさとしての哲学

著者紹介

谷川嘉浩(たにがわ・よしひろ)

1990年生まれ。京都市在住の哲学者。

京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。現在、京都市立芸術大学美術学部デザイン科講師。

哲学者ではあるが、活動は哲学に限らない。個人的な資質や哲学的なスキルを横展開し、新たな知識や技能を身につけることで、メディア論や社会学といった他分野の研究やデザインの実技教育に携わるだけでなく、ビジネスとの協働も度々行ってきた。

単著に『鶴見俊輔の言葉と倫理:想像力、大衆文化、プラグマティズム』(人文書院)、『信仰と想像力の哲学:ジョン・デューイとアメリカ哲学の系譜』(勁草書房)。共著に『読書会の教室』(晶文社)、『ゆるレポ』(人文書院)、『フューチャー・デザインと哲学』(勁草書房)、『メディア・コンテンツ・スタディーズ』(ナカニシヤ出版)、Neon Genesis Evangelion and Philosophy (Open Universe)、Whole Person Education in East Asian Universities (Routledge)などがあるほか、マーティン・ハマーズリー『質的社会調査のジレンマ:ハーバート・ブルーマーとシカゴ社会学の伝統』(勁草書房)の翻訳も行っている。

著者の他の本

「人生のレールを外れる衝動のみつけかた」
筑摩書房 (2024/4/10)

本当にやりたいこと」「将来の夢」「なりたい自分」こんなテンプレに惑わされないために。

変化を恐れない勇気、あげます。

「将来の夢」や「本当にやりたいこと」を聞かれたとき、
それっぽい答えを言ってやり過ごしたことはないですか?
自分を忘れるほど夢中になれる「なにか」を探すために
スマホを置いて一歩を踏み出そう。


【目次】
序 章 なぜ衝動は幽霊に似ているのか
「自分ではもうコントロールしきれないくらいの情熱」 / 魚豊『チ。』のストーリー /要領のよさの反対にあるもの / 「え? なんでそんなことを、そんな熱量で?」と思われること /衝動に気づくことの難しさ / 衝動は「幽霊」のように憑く /「将来の夢」は、世間の正解をなぞる語り / 「本当にやりたいこと」という言葉遣いを避けた方がいい /衝動はすべてを脇に置いて、その活動に取り組ませる

第一章 衝動は何ではないか
 
ダニエル・ピンクの『モチベーション3・0』 / 三種類のモチベーション /
インセンティヴと内発的動機づけ / 衝動は、モチベーションの言葉遣いでは説明できない /対価をもらわずに空揚げを作って配る人の話 / 「なぜ空揚げを作るのか」に関する、本人による説明 /衝動は、説明から常に零れ落ちる / 衝動は、自分でも驚くような行動をもたらす /衝動には、極端な持続性がある / ジークムント・フロイトの欲動論/衝動についてこれまでわかったこと
コラム 否定神学、他人指向型、『葬送のフリーレン』

第二章 衝動とは結局何ものなのか 
衝動に積極的な定義を与える / 欲望の「強さ」に目を奪われるな/深い欲望の性質 /自分の深い欲望はわからないのが常態 / 強さを基準に衝動を把握しないこと /型破りな人を研究する「ダークホース・プロジェクト」 / 偏愛は抽象的に捉えてはいけない /偏愛を解釈した先に衝動が見えてくる / 偏愛は細かく詳しく言葉にすべき /SNSと偏愛の相性の悪さ / 自分が何を楽しんでいるかを解釈する必要性 /衝動は唯一の生き方を定めるわけではない / 衝動についてこれまでわかったこと
コラム 言語化のサンクコスト

第三章 どうすれば衝動が見つかるのか 
偏愛から衝動へ降りていく方法 / セルフインタビューで偏愛の解像度を上げる /考えや思いを控えないように、自分を丁重に扱いながらインタビューする /自分を粗末に扱わないためのいくつかのテクニック / 違和感や不快感から捜査をはじめる /「物語」でなく「細部」に注目する / 黒澤明「生きる」の記憶を再解釈する① /黒澤明「生きる」の記憶を再解釈する②/感性を再起動する二つの方法 /欲望の発見術としての欠乏 ― 宇野常寛さんの方法 /「それっぽい言葉」は支えにならない ― 鶴見俊輔さんの方法① /「紅茶を飲むためなら世界が破滅しても構わない」 ― 鶴見俊輔さんの方法② /ドストエフスキーの爽やかな衝動 ― 鶴見俊輔さんの方法③ /
感じる力を取り戻すためのニヒリズム ― 鶴見俊輔さんの方法④ / 衝動についてこれまでわかったこと
コラム 「それっぽい説明」から逃れるには

第四章 どのようにして衝動を生活に実装するのか 
心理学者ジョン・デューイと、「衝動」の考察 / 他者の目的にやみくもに従うことの問題性 /衝動にやみくもに従うことの問題性 / 衝動と知性の関係 /知性で衝動に働きかけることで、目的は形作られる / ①環境を観察すること /②記憶を探索すること / ③意味を判断すること / 衝動は目的や戦略へと翻訳される /衝動の力が続く限り、目的や戦略は成長していく / 衝動は、行動を再構築する /衝動には「溜め」がある / 衝動がもたらす自己変容の体験 / 衝動についてこれまでわかったこと
コラム 観察力の重要性 ― 絵画観察のワークショップからOODAループまで

第五章 衝動にとって計画性とは何か 
衝動に基づく生き方は何が違うのか / 本書の考えとキャリアデザインは何が違うのか /キャリアデザインという考え方の性質 / 衝動は計画性をどう取り込むのか /自分の偏りや特性に基づいた計画性 / リスクとは、自分の個人的な偏りに適合しない生き方のこと /実験的に試行錯誤するという計画性 / 衝動についてこれまでわかったこと
コラム 社会的成功と結びつけない

第六章 どうすれば衝動が自己に取り憑くのか 
自分を「感じやすいメディア」にする方法/感じるのを控える現代人 /クリステンセン『イノベーション・オブ・ライフ』の見方 /クリステンセンの議論が持つ〈内向きの流れ〉 / 自分の内側と外側が浸透し合うという視点 /
緩衝材に覆われた自己と、多孔的な自己 / 自己が感じやすいメディアになることのマイナス面 /ちょっとした行動で「善なるものを招き入れる」 / 実験が感受性を起動させる /目の前のものに誘惑される力 / ライブで体験しなければ意味がないのか問題 /自分を過去に同期させよ ― キルケゴールの聖書読解/物語へのジャックイン /
〈瞬間〉へのジャックイン / 衝動についてこれまでわかったこと
コラム 衝動の善悪を線引きすることはできるか

終 章 衝動のプラグマティズム、あるいは実験の楽しみ 
マルチタスキングで「寂しさ」を埋める / 刺激やおしゃべりに薄い注目しか向けない /「寂しさ」が導くルートと「衝動」が導くルート / 生活の中心を、〈趣味〉の楽しさに置くこと /

プラグマティズム、あるいは実験の楽しみ

「ネガティヴ・ケイパビリティで生きる ―答えを急がず立ち止まる力」
さくら舎; 初版 (2023/2/9)
谷川 嘉浩(たにがわ・よしひろ)、朱 喜哲(ちゅ・ひちょる)
杉谷 和哉(すぎたに・かずや)

「わからなさ」を抱えて生きる方法を熱論!
情報や刺激の濁流にさらされる加速社会は、即断即決をよしとする世界だ。私たちは物事を性急に理解し、早々に結論を出し、何でも迅速に解決しようとする。しかし、それでいいのだろうか。「ネガティヴ・ケイパビリティ」とは不可解な物事、問題に直面したとき、簡単に解決したり安易に納得したりしない能力のこと。わからなさを受け入れ、揺れながら考え続ける力だ。注目の若手論客3人が対話でネガティヴ・ケイパビリティの魅力と実践可能性に迫る知の饗宴!

        *       *        *

リスクや不確実性に満ちた社会を渡り歩くために、大半の人は余計な時間やコストをかけることを避け、身軽で即断即決のスッキリした生き方、悩みや疑いなどないスピード感ある生き方を追い求めています。そういう流れに抗して、私たちはこの本で「ネガティヴ・ケイパビリティ」の価値を訴えようとしています。本書の試みは、濁流の中に「よどみ」を作るような仕事だと言えるかもしれません。激しすぎる流れの中で、魚やその他の水生生物は暮らしを営むことができません。魚などが暮らしやすい環境には、「よどみ」があります。同じことが、人間の生態系にも言えるはずです。何事も変化し続ける社会において「よどみ」は、時代遅れで、回りくどく、無駄なものに見えますが、そういうものがなければ、私たちは自分の生活を紡ぐことに難しさを感じるものです。逆に言えば、この社会に「よどみ」が増えれば、前よりも少し過ごしやすくなります。(「はじめに」より)



第1章 「一問一答」的世界観から逃れる方法
――陰謀論、対人論証、ファシリテーション
第2章 自分に都合のいいナラティヴを離れる方法
――フィクション、言葉遣い、疲労の意味
第3章 「アイヒマンにならないように自分の頭で考えよう」という言葉に乗れない理由
――コンサンプション(消費)、アテンション(注目)、インテンション(意図)
第4章 信頼のためには関係が壊れるリスクを負わねばならない
――マーケティング、トラスト、脱常識
第5章 「言葉に乗っ取られない」ために必要なこと
――SNS、プライバシー、言葉の複数性
第6章 自分のナラティヴ/言葉を持つこと
――倫理、相対化、ナッジ
第7章 公と私を再接続するコーポラティヴ・ヴェンチャー
――関心、実験、中間集団
第8章 イベントとしての日常から、エピソードとしての日常へ
――観察、対話、ナラティヴ


櫻 いいよ「世界は「」で沈んでいく」

PHP研究所 (2022/2/10)

内容紹介

友だちがいないのは、そんなにだめなことなの?
ひとりはそんなに、おかしいの?

【あらすじ】
好んでひとりで過ごしていたのに「いじめられている」と誤解され、都会から海辺の町に引っ越すことになってしまった、中学1年生の凛子。家族を心配させまいと、今度こそ「友だち」を作ろうと努力するが……。

「友だちは本当に必要か?」悩みもがきながらも、自分なりの答えを探していく――。胸が締めつけられる青春小説。

著者紹介

櫻 いいよ

大阪市在住。2012年に『君が落とした青空』(スターツ出版)でデビュー、累計20万部を突破する大ヒット作となる。そのほかの主な著作に『飛びたがりのバタフライ』『交換ウソ日記』『そういふものに わたしはなりたい』(以上、スターツ出版文庫)、『図書室の神様たち』『海と月の喫茶店』(小学館文庫キャラブン! )、『わたしは告白ができない。』(角川文庫)、『アオハルの空と、ひとりぼっちの私たち』(集英社オレンジ文庫)、『世界は「」で満ちている』『イイズナくんは今日も、』『ウラオモテ遺伝子』(以上、PHP研究所)などがある。


著者の他の本

「君が落とした青空」
スターツ出版 (2015/12/28)

付き合いはじめて2年が経つ高校生の実結と修弥。気まずい雰囲気で別れたある日の放課後、修弥が交通事故に遭ってしまう。実結はパニックになるが、気づくと同じ日の朝を迎えていた。何度も同じ日を繰り返す中、修弥の隠された事実が明らかに!そして迎えた7日目。予想もしない結末がふたりを待ち受けていた。

「飛びたがりのバタフライ」
スターツ出版 (2017/1/28)

父の暴力による支配、母の過干渉…家族という呪縛、それはまるで檻のよう。――そんな窮屈な世界で息を潜めながら生きる高2の蓮。ある日、蓮のもとに現れた、転入生・観月もまた、壮絶な過去によって人生を狂わされていた。直感的に引き寄せられるふたり。だが、観月の過去をえぐる悪い噂が流れ始めると、周りの人間関係が加速度的に崩れ、ついにふたりは逃避行へ動き出す。その果てに自由への道はあるのか…。想定外のラストに、感極まって涙する!

「アオハルの空と、ひとりぼっちの私たち」
集英社 (2021/8/20)

高1の奈苗は、いつも笑顔でいるものの、心に孤独を抱えていた。ある時、とある事情でクラスメイト五人だけで三日間、授業を受けることに。一匹狼の大北くん、優等生の怜ちゃん、委員長と呼ばれる落合くん、いじめられっ子の若尾くん。いやで仕方なかったのに、気づけばその時間が大切なものになっていて――。無限に積み重なる空の下、五人のひとりぼっちたちの物語。

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