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「真面目」とは「やさしい」と同じ意味かもしれない
え?信じてくれるんですか? いや、信じて欲しいから言ったけれど。でも、こう言っちゃなんですが。そんなあっさり受け入れちゃって、大丈夫ですか??
冒頭の言葉は、わたしの心の声です。あなたにもありませんか。「あの、○○だと思うのですが、どうでしょうか」てな具合に、恐る恐る問い合わせをしてみたとき。相手が思いのほか意見を受け入れ、採用してくれた。自分は喜ぶどころか、「え?ほんまに良いの?」て戸惑ってしまう。そういう経験です。
わたしは病院勤めの薬剤師をしてます。仕事柄「処方された▲▲注射は、〜の投与でよろしいですか」という感じで、薬に関する問い合わせ(専門用語で「疑義照会」)をしょっちゅうやってて。
たしかに調べ尽くしてからアクションを起こしてます。ちゃんと根拠を持ってやってる。でも不安めいっぱい。「絶対コレ!!」て、強気の確信を携えた上で疑義照会をすることは、まあ無い。
「他にも解釈ありますでしょうか。どうぞ教えてください」てな具合の。平身低頭で臨むことが、しばしばです。
だから、すんなり話が通っちゃうと「ひええ!」てビビってしまう。それで良いはずなのに、望んでたはずなのに。むしろもう一押しの抵抗を、心のどっかで期待してんだよなー。
今日のこと。薬を処方した医師へ連絡を取って、いつも通り確認をしてみました。「あ、そうなんですね。てことは、○○して、△△して…」おおぅ。なんとグイグイ受け入れてくこと。わたしの中にある“躊躇いアラーム”が疼く。途端に心臓がバクバクです。
でも思いました。先生の立場に立てば「お前は誰やねん」でしかない、電話先のわたし。そんなわたしを疑うことなく、漏らさず聞こうって真摯に耳を傾けてくださってる。きっと真面目な方なんだろうな。だからこそ愚直に受け取り、指示を組み直そうと検討して下さってる。
真面目とはやさしさなのかもしれない。すんごく分かりにくい、不器用なやさしさ。でもとても温かく、安心できる。本当は心地よきぬくもり。ひどく緊張しながら伝えてる身からすると、とっても有難かったもの。
わたしもまた幼き頃より、「マジメ」と言われてきました。もしかして直向き(ひたむき)に聞こうとする態度から、そう言われてきたのかな。
それなら私にも、ぶきっちょなやさしさが備わってるかも。知らぬうちに誰かを、わたしと同じように、ほっこりさせてたら嬉しいな。
なーんて。ちょっぴり自分を持ち上げてみたのでした。
では また