事業責任者として過ごした2023年を振り返って
ペイトナーの邨山です。
ペイトナー株式会社の執行役員で、ペイトナーファクタリングの事業責任者をしております。
タイミングとしては少し出遅れてますが、2023年1年間の振り返りを書いてみようと思います。
これまで執筆する際はオウンドメディアの「ペイッター」に出してましたが、個人的な学びのアウトプットも増えてくるので今後はこちらにしようと思います。
過去の執筆記事・インタビュー記事は以下。
事業責任者の役割ってなんだっけ?
2023年を通して最もチャレンジングだったのは”役割”で、僕自身、事業責任者という(PL責任を持つ)役割は昨年が初めての経験でした。
なので「事業責任者の思考範囲って、どこまでカバーできていれば理想?」というところからのスタートでした。
著名人の発言や書籍を辿ってたどり着いた答えとしては、月並みですが、
「現(シリーズB)フェーズにおいては、拡張性のあるグロースをさせること」でした。
ここで"現フェーズ"と表現したのには理由があって、やはりフェーズによって多少の役割変化は起こりうる、と僕は思っています。
ちなみに、この辺の解像度を高める書籍としては、やはりマッキンゼー流がオススメです。
昨年も年間100冊以上の書籍を読みましたが、思い返して浮かび上がる本の8割はマッキンゼー出身の方が執筆したものでした。
グロースさせるということ
以下のグラフはサービス開始から2023年末までの月次GMVの推移です。
2023年も、YoYで見てかなりの事業成長を達成することができました。
そして何より嬉しいのが、この成長には再現性があり、拡張可能性も自分の中でロジックが立っていることです。
そんな中でも少し凹んでいる部分は、いわゆるJカーブを掘ったポイントになります。
一般的にはJカーブといえば広告費などの投資で赤字を掘る状態を指すことが多いかと思いますが、弊社のこのタイミングにおいては社内オペレーションの変革があり、その後の拡張性を飛躍させる大きな一手となりました。
とはいえここまでGMVに影響が出るとは思っていなかったので、当時の自分の見込みの甘さを反省しています。
結果として数字はついてきましたが、渦中は不安と試行錯誤の連続でした。諸々、壁打ち相手になっていただいたり、ゴリッとプロジェクト進めて頂いたペイトナー社内の方々には頭が上がりません。
最もレバレッジのかかるパラメータに集中投資し、CPA1/5で獲得数3倍
リソースが少ない中でもスピードが戦略にもなりうるスタートアップだと、やりたいことをすべて実行していくのは現実的に難しく、選択と集中が肝心かと思います。(やりたいことや改善できるポイントは探せば探すほどキリなく出てきてしまいますが)
そんな中で事業として期初から力を注いでいたのはマーケティングの部分でした。
マーケティングの開発に投資した結果として、昨年対比でCPA1/5・獲得数3倍にすることができました。
とはいえ特効薬が存在したわけではなく、地道に泥臭く、長期目線で、本質思考で、外部の関係者の方も含めチームで2年前から続けていた種まきが成就した結果にはなります。(ニーズあれば、これはこれで別記事にできればと思います)
他にもこんなハイライトがありました。
特許の出願完了
10社以上とパートナーシップ締結
オウンドメディアが月間10万PV突破
公式LINEの友だち数1万人突破
弊社のYouTube広告がGoogleのアジアのヘッドクォーターで成功事例として研究対象に上がった
新規事業2件開始
わかりやすい成功事例だけでもこれだけ上がってくる2023年、事業としても個人としてもかなり飛躍した1年だったように感じています。
誰よりも事業の時間軸を長く持つ
事業に関係する従業員の中で最も時間軸を長く持つこと、これは僕自身かなり意識していたことでした。
月次やQ毎で物事を見ていくのは当たり前で、いかに1年後や3年後を見据えた意思決定ができるか、この部分は事業責任者ロールを担う人にとってかなり重要な部分だと思っています。ヒリヒリします。
「全体最適」というキーワードでマネージャーの役割を定義することもよくあると思いますが、そこに時間軸も加えた指標で見ていく責任も大いにあると感じており、3Cそれぞれを長期的に解釈していくことにもチャレンジし、年末には3ヶ年計画も設定しました。
プロダクトミッションやプロダクトビジョンから逆算したロードマップを考えた時に、この意思決定はそこにアラインできているのかを自問する機会が増えたように思います。
(ただ、そうできていなかった側面ももちろんあり、チームの方から指摘されて軌道修正したことも何度もあります。まだまだです。)
長期的な思考について記載してきましたが、一方で、スタートアップならではの足元の売上も求められる環境であることも難易度を高めてくれました。
明日/明後日の売上を作ることも求められ、そこのバランス感は継続的に磨きをかけている最中です。
個々の学習曲線が最大化するプロフェッショナルな組織を作る
過去、組織に対する疑問からの転職を経験している僕にとっては、組織構築はかなり力を入れているトピックです。
基本的な思想としては「個々の学習曲線が最大化する組織」を作りたいと思っています。リードヘイスティングスの著書「No Rules」で触れられている"能力密度"という概念にとても共感しており、能力密度の高いティール組織のようなものを理想において試行錯誤しています。
前職でまさに「いかにNetflixと戦うか」の戦略を考えたりしていた僕にとっては特に衝撃的で、事業戦略の根幹は組織戦略にあるという気付きを得て、自分の考えを根底から覆されたのを今でも覚えています。
個人個人が学び続けられる組織を、開発していこうと思っています。
学習していくことが好きな方は、ぜひ弊社ペイトナーの採用サイトを覗きに来てください。直近では転職を考えていなくても、随時カジュアル面談やっておりますのでご連絡くださいませ。(勧誘すみません)
弊社内部ではエンジニアリングマネージャーの脇田さんも組織論についてのインプットをかなり進めていらっしゃって、良い刺激と情報交換させてもらいながら日々精進しています。
事業責任者というロールの奥深さ・面白さ
よく総合格闘技とも評されるように、四方八方に現れる課題と戦っていくことでかなりの自己成長を感じられるロールだなと感じております。
且つ扱う課題の不確実性の大きさもこれまでと比べ物にならない程大きく、メンタル面なども含めて人間としてのレベルを上げてもらっているような感覚にすらなっています。
どんな方がこの記事を読んでくださっているのかわかりませんが、もし将来のキャリアに悩まれている方などいらっしゃったら、ぜひ「事業責任者」というロールを目指してみることをお薦めします。
僕自身が過去に様々な方からアドバイスをいただいてきたように、今後のキャリアに悩んでいる方の壁打ち相手にも今後はなっていければと思っていますので、もし御用あればXかなにかでご連絡くださいませ。
おわりに
上記で記載した成果は、僕が代弁しているだけであって、関係者皆様のご尽力のおかげと常に感じております。本当に感謝です。
とはいえまだまだこれからのフェーズなので、今年もコツコツ、去年以上のグロースさせていきます!!
次回からは一つ一つの挫折や学びにフォーカス当てて発信していきますのでよろしくお願いします。