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【ADHDと新卒就活】地方の介護施設への挑戦記

今回執筆した目的は丁度今頃の5年前に就活をしており、卒論作成中の中、マルチタスクで苦戦した記憶があります。そんな体験記を投稿します。


こんにちは。今回は、ADHDの特性を持つ僕が新卒で就職活動をしたときの体験談をお話しします。特に、地方の介護施設に応募した際の苦労や感じたこと、そしてその困難をどう乗り越えていったかについて詳しく書いてみようと思います。


就活は誰にとっても緊張やプレッシャーがあるものですが、ADHDを持つ人にとってはさらに特有の困難が伴います。思ったように集中できなかったり、記憶が不確かだったりして、他の人には普通にできることでも障害になることが多いです。僕もその壁にぶつかりながらも、周りのサポートを得たり、自分なりの工夫をしたりしながら、何とか就活を乗り越えていきました。同じような悩みを持つ人に少しでも役立つ情報を提供できたらと思っています。

目次

1. 就活のはじまり:介護施設を目指した理由
2. 面接練習での壁:ADHD特性との葛藤
3. エントリーシート(ES)作成の苦労:手描きミスの連続
4. 適性検査の挫折:解けない問題と向き合う日々
5. 複数回の面接での記憶の欠如:頭が追いつかない感覚
6. ついに内定獲得!困難を乗り越えた先に
7. ADHDを持つ人が就活で意識したいポイント

1. 就活のはじまり:介護施設を目指した理由


僕が就職活動を始めたとき、まずは「自分がどんな仕事をしたいのか」を真剣に考えました。仕事を選ぶときに大事だと思ったのは、自分の特性や得意なことを生かせるかどうか、そして何よりも「やりがい」を感じられるかどうかでした。

実は僕は、ADHDの特性もあって「人と深く関わりながら相手に喜んでもらえる仕事」に魅力を感じていました。そう考えたときに、介護の仕事が頭に浮かんだんです。介護の仕事はただサービスを提供するだけじゃなく、利用者さん一人ひとりとしっかり向き合うことが求められるので、僕にとってはやりがいを感じられる仕事だと思いました。

さらに、地元である地方の介護施設に興味を持った理由は、地域の方々と密接に関わることができる点でした。地方の施設では、地元の利用者さんと長い時間をかけて信頼関係を築いていけるところが魅力で、僕も地域に貢献したいという思いが強くなりました。小規模な施設であれば、他のスタッフとしっかり連携をとりながら働ける点も、僕にとっては安心材料でした。

しかし、いざ就活を始めてみると、ADHDの特性がさまざまな場面で障害となり、思っていた以上に苦労することになりました。

2. 面接練習での壁:ADHD特性との葛藤


就活を始めると、まず立ちはだかったのが「面接」の壁です。企業の採用プロセスでは面接が何度もあり、準備や練習を重ねて慣れていくことが重要だと言われます。しかし、ADHDを持つ僕にとって、何度も練習して内容を覚えるのが本当に難しかったです。

たとえば、自己PRや志望動機を何度もノートに書き出して練習したのですが、いざ本番の面接になると緊張で頭が真っ白になり、何も話せなくなってしまうことが多々ありました。焦って何とか思い出そうとするのですが、話があちこちに飛んでしまったり、うまくまとめられなかったりして、結果として準備した内容がほとんど伝わらないことが多かったんです。

そこで工夫として、自己PRや志望動機は「キーワード形式」で覚えるようにしました。文章全体を暗記するのではなく、重要なポイントを箇条書きで頭に入れておくことで、面接で焦らずに話せるようにしました。また、友人や家族に協力してもらい、面接のロールプレイを何度も繰り返すことで少しずつ自信がついていきました。練習を重ねることで、少なくともキーワードを見て思い出すことができるようになり、緊張が少し和らぎました。

3. エントリーシート(ES)作成の苦労:手描きミスの連続


地方の介護施設の就活では、まだ手描きでのエントリーシート提出が求められることが多く、これが僕にとって大きな壁になりました。ADHDの特性もあり、集中力が長続きしないため、手描きで文章を書いている途中でつい誤字脱字が多くなってしまうのです。

さらに、文字を書いている最中に頭の中が混乱し、文章の順序を間違えたり、書き終えた後に誤字に気づくことが何度もありました。手描きだと修正するのも大変で、提出期限ギリギリまで修正作業に追われることが多く、非常に疲労がたまりました。

こうしたミスを少しでも減らすために、まずはWordで文章を作成し、それを手元に置いて見ながら手描きで写すようにしました。少しずつ書いては休憩をとることで、集中力が切れる前に頭をリフレッシュさせながら書くように心がけました。それでもミスはゼロにはならなかったのですが、この方法で何とか提出にこぎつけました。エントリーシートを書くのにかなりの時間がかかり大変でしたが、「このひと手間が大事」と自分に言い聞かせて頑張りました。

4. 適性検査の挫折:解けない問題と向き合う日々


就職活動では避けられないのが適性検査です。この適性検査には計算や論理的思考、言語能力などを問われる問題が多く含まれていて、制限時間内に解かなければなりません。ADHDの特性を持つ僕にとって、この短時間で集中して解答することは非常に苦手でした。

実際の検査中、制限時間が迫ると焦りで頭が真っ白になってしまい、全く解けない問題が増えていきました。空欄がどんどん増えるたびに、「こんな状態では絶対に受からない」という不安と自己嫌悪に襲われました。この適性検査の苦手意識が強く、何度も心が折れそうになりました。

それでも、少しでも対策をしようと、対策本で何度も練習をしました。最初は全然解けませんでしたが、繰り返すことで少しずつペースがつかめてきました。そして、完璧を目指すのではなく、「できるところを確実に解く」という目標に変えたことで、少しずつ気持ちが楽になりました。僕の場合、特に得意な問題だけを優先して解答することで、時間配分もうまくいき、焦らずに取り組むことができました。


5. 複数回の面接での記憶の欠如:頭が追いつかない感覚


地方の介護施設の採用では、複数回の面接があることが一般的です。僕の場合も、一次面接のあとに二次面接、さらに最終面接と続きました。この段階で新たな壁にぶつかることになります。回数を重ねると、前の面接で話した内容や質問されたことをすぐに忘れてしまい、面接中に混乱することが増えてきたのです。

特に、面接官に「前回お話しした内容についてもう少し詳しく教えてください」と言われたとき、自分が前回何を話したのか思い出せず、言葉に詰まってしまうことがありました。ADHDの特性による短期記憶の不安定さがここで大きく影響し、前回話した内容と同じことを繰り返してしまうこともありました。

この問題を克服するために、面接後すぐにその日のうちにメモを取る習慣をつけました。どんな質問をされたか、何を答えたかを具体的に書き留めておくことで、次回の面接前にそれを見返して自分の話した内容を思い出すようにしました。また、回答内容も繰り返しがないように工夫し、面接の進展に応じて少しずつ深掘りするような準備を心がけました。

最終的には、このメモを振り返ることで前回の面接で話した内容を頭に入れられるようになり、少しずつ面接の流れに対応できるようになってきました。面接が続くと頭が疲れてしまいがちですが、無理に一度で完璧にこなそうとせず、練習を重ねて少しずつ自分の言葉で話せるようになることが大切だと感じました。

6. ついに内定獲得!困難を乗り越えた先に


いくつもの壁にぶつかりながらも、最終面接を終えたとき、僕のもとに「内定」の知らせが届きました。正直、自分がここまでやり抜けたことに驚きと感謝の気持ちでいっぱいでした。ADHDを持つ僕が、新卒で介護施設の内定をもらえるなんて、就活を始めたときには想像もしていなかったです。

内定が決まったとき、面接官から「人と関わる姿勢や熱意を評価した」と言われたことが心に残っています。僕は、ADHDの特性によるミスや困難に悩まされながらも、介護の仕事に対する熱意だけは自分なりに伝えたいと努力してきました。その結果、自分の熱意がちゃんと伝わったことが嬉しかったです。

ここまでやり抜けたのは、自分一人の力だけではありません。家族や友人に何度も面接練習を手伝ってもらい、アドバイスをもらったり、励ましの言葉をもらったりしたことで、最後まであきらめずにがんばることができました。サポートを受けることや、困ったときには素直に助けを求めることが、ADHDを持つ僕にとって重要なポイントだったと感じています。

7. ADHDを持つ人が就活で意識したいポイント


今回の就活を通して、僕自身が感じた「ADHDを持つ人が就活で意識したいポイント」をいくつかまとめてみました。

1. 自己理解を深めること

ADHDの特性は人によって異なりますが、自分の特性を知り、それをどうサポートしていくかを考えることが大切です。僕の場合は、短期記憶の不安定さや集中力の持続が難しいという課題があったため、それを理解し、工夫して対策を取ることが重要でした。

2. メモを活用する

面接内容をすぐに忘れてしまうことが多かったので、面接後に必ずメモを取るようにしました。どんな質問を受けて、どう答えたかを記録しておくことで、次の面接に備えることができます。

3. サポートを受け入れる

周囲のサポートを受けることは、ADHDを持つ人にとって特に大事です。面接の練習や、エントリーシートの書き方など、自分だけで解決が難しいときは、家族や友人、あるいはキャリアセンターなどに積極的に相談することが有効です。

4. できることを確実に

適性検査や面接など、すべてを完璧にこなそうとするのは、かえって大きなプレッシャーになります。自分ができる範囲でベストを尽くし、苦手な部分は「少しでもよくする」くらいの意識で取り組むと、焦りや不安が和らぎます。

5. 根気よく続けること

就活は長期戦で、ADHD特性のある人には特に大変かもしれません。しかし、工夫を重ねながら一歩ずつ進んでいくことで、少しずつ慣れていくものだと思います。どんなに困難に感じても、あきらめずに続けることが大事です。

最後に


ADHDの特性を持つ僕が、新卒で就職活動を経験し、地方の介護施設で内定をもらうことができたのは、自分の特性に向き合いながら工夫を重ね、周りのサポートを受けながら進んできた結果だと思います。

就活は決して簡単ではありませんが、自分に合った方法を見つけ、サポートを受け入れることで、ADHDを持つ人でも自分の目標に近づけるはずです。困難な時期もありますが、あきらめずに頑張ることで道は開けていきます。同じような悩みを持つ皆さんが、少しでも前向きに就活に取り組めることを願っています。


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最後までありがとうございます。

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