月の欠片
笹が揺れ、穂の擦れる音が辺りを包んでいます。
妙に明るく見える月の一部が欠けていて、それはまるで私の失くしてしまったもののようでなんだか悲しい気持ちになるのです。
鈴虫が鳴いています。
私も泣いています。
泣くつもりなどないのですが、自然と涙が頬を伝うのです。
月の欠片はこの闇夜に広がる星となっているのでしょうか。
ひとつづつ星を確かめてみるのですが、私にはどれが月の欠片なのか判別できません。
あなたの隣で夜空を見上げている間に全ての星を記憶しておくべきだったと、今更ながらに後悔しております。
あなたの隣であなたのことばかり想い、あなたの横顔を盗み見ていたあの頃の私を恨めしく感じているのです。
私の心の道しるべだったあなたのことを、ずっと私は満月のようだとお慕いしておりました。
あなたを失くしてしまった私は今宵、空を見上げ月の欠片を探しています。
しかし、まだ見つけられそうにありません。
それでも私は探し続けるでしょう。
隣にいてくれたあなたの言葉を思い出しながら。
「綺麗な月だね」
私も夜空に向かって呟きます。
「今夜も月が綺麗ですよ」
冷たい風が笹を揺らして私の心もざわめきます。
闇夜に浮かぶ月は、今の私には滲んでしか見えませんけど。
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