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教授のプロジェクト~課題レポート提出結果について~


さてさて、新年初の授業を始めようか。
みんな正月明けで呆けた頭をしゃきっとさせてくれたまえよ。

今回の授業では、昨年の今頃までにワシの講義を受けた者から提出される予定だったレポートについて、話をさせてもらおう。

まずはコチラを見てくれたまえ。

今、講義を受けてくれている諸君の中には、昨年もワシの講義に参加しておった者もおるから、その者達はこの課題レポートに関する事は承知しているはずじゃ。

今年度から受け始めた者は、こんなプロジェクトが存在したのかと、驚いておるのかもしれない。

結果としては残念ながら、たったの一人もレポート提出者はおらんかった。

ワシとしては非情に残念であったが、仕方のないところもある。
何故なら、あんな非日常的な事があの箱庭の中で起こっていたのじゃからな。

しかし、観察者であった受講生の中からはレポートの提出はなかったが、一年という時間が経ち、なんと、被験者みずからレポートの提出があったのじゃ。

その被験者はあのプロジェクトが終わったあと、その者は突然現実の世界に戻された事による酷い脱力感で、半年もの間なにも出来なくなってしまっていたそうじゃ。
部屋に閉じ籠ったまま、一切なにもせず、ベッドの上で母親が運ぶ食事に少し口につけるというだけの生活をしていたということじゃ。

その事に関してはワシに全責任があるので、ほんとに申し訳なく思っておる。
そこでワシは有能なカウンセラーをその者につけた。
そのカウンセラーはワシの教え子の中でも優秀な者なのじゃが、優秀過ぎてなかなか依頼を受けて貰えん、という事でも有名じゃった。
じゃが、ワシからのたっての願いという事で、快く受けてくれたのじゃ。

はじめはそのカウンセラーがその者の部屋に通ってカウンセリングを施した。
二月ほど経つとようやく外にも出られるようになり、週に一度、自らカウンセリングに通えるようにまで回復した。

そこでカウンセリングの一環として、そのプロジェクトで実際にあった出来事を書き出させるという作業をやらせたそうじゃ。
逆療法とも言えるのかもしれん。

そしてその作業により立ち直った、元被験者のひとりが、プロジェクトに関する報告となるレポートを提出してくれたのじゃ。

その内容について、みんなに発表したいのじゃが、講義の終了時間が迫っているので、今回はここまでとする。

いやはや、昨年の課題レポートの概要を説明するのに時間を取られてしまったわい、ふぉっふぉっふぉっふぉ。


それでは諸君、次回までにこのワシが纏めたプロジェクトの内容を頭に叩き込んできてくれたまえ。

これを読んで、あの時の事を思い出した諸君、今なら気持ちも落ち着いてレポートを書けるという者がおれば、ワシは待っておるぞ。
いつまででも。
観察者としての君が見た事を、皆にも発表してくれたまえ。


まあ、無くても講義は進めるがの。
次回の元被験者からのレポート、楽しみにしておるのじゃぞ。
ふぉっふぉっふぉっふぉ。


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しめじ
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