やっぱり書かずにはいられない。私、痴漢されました。
面白いことは何も書きませんし、オチもありません。でもずっと燃えくすぶっているこの怒りを吐き出さないと、日常に戻れないので書かせてください。あなたに読んでもらえたら、少し救われるんです。
一ヶ月前、コンビニの中で痴漢にあいました。
夫は駐車場に居たから助けを求めたのに、何もアクションを起こしてくれなかった。
「現場見ていないし、その場で声をあげられなかったのだから仕方ないだろ」と。
家族すら助けてくれない。
誰も味方がいない事に絶望したんです。
当日は小さな子供二人も車に乗っていたので、どうすることもできず、地に足がつかないまま家族で公園にいきました。なにも楽しくなく、なにも味がせず、日常が壊れてしまったんです。
現場のコンビニは、私のランニングコースにあり、更に夫の通勤経路にありました。
事件後も通る機会が多く、見るのも辛いです。
しかもチェーンのコンビニなので、同じ名前の店はそこかしこにあり、青色の看板を見る度に胸が痛みます。
どうして私だけこんな辛い思いをするの?
犯人は薄ら笑いをうかべて出ていったのに。
今頃私のことなんか全く思い出せないはずなのに。
事件当日は錯乱していて通報できなかったけれど、夜中に友人にLINEして、「痴漢は仕方ない事なんかじゃない。その程度で済まされる話じゃない」と通報を決意しました。
通報し家に駆けつけてくれた警察官は優しかったけれど、事情聴取をした警察官は全く親身でない男ふたり。
第一声が「痴漢が事実でなかったか、事実であったかを確認するために、事情聴取をさせて下さい」だった。
この文のおかしさ、わかりますか?
最初に『事実でなかったか』が来るのはおかしいだろ。部下には当たりがキツい枯れたオッサンよ。
オッサンは仕事の一環で流れ作業なのかもしれないけど、こっちは心も生活も壊されてるんだよ。
これならまだ交通事故の事情聴取の方が良かったわ。
相手に悪意はなかったから。
警察官もそんなだったので心が晴れず、後日母親に自宅に来てもらった。実の親なら分かってくれるかと。
なのに母親からも「痴漢はよくある話」程度で流され、心はさらに傷ついた。私だって昔は痴漢されて〜と。私はあなたの話を聞きたかった訳じゃない。
母親から、その後痴漢の捜査はどうなのか?等聞かれることはない。彼女ももう忘れているのだろう。そして昔の人だから、『痴漢されたことは女の恥』と思っているのか、父親にも話していないようだ。話していたら会ったときに聞かれるもの。やっぱり私が悪いの?ねえ。
事件の時、初めておろしたブラウスに、素敵な飾りがついた帽子をかぶっていた。帽子は繊細な装飾だからめったにかぶることはなくて、大切にしまってあったもの。天気もよいし、久しぶりに家族四人で出かけられるからとおろしたもの。どちらもお気に入りのものだった。もう二度と着ることはできない。私の大切なもの、返してよ。薄ら笑っている犯人。警察官の捜査が遅いので、メルカリで売ってしまうこともできない。再聴取の時にその忌まわしいコスチュームを再着用しなくてはならないそうだ。なんだそのクソは?早く終わらせてくれ。コンビニ店内での出来事だったからもう諸々バッチリ映ってると言っていたでしょう?どうして捕まえてくれないの?犯人は店内でお酒を飲んでいたのよ?私に痴漢をしてその後堂々と車で走り去ったのよ?どうしてなの?怒りが収まらない。
私はただ誰かに『大変だったね』『あなたは悪くない』と言ってほしかった。
まだ誰にも言われてはいない。
皆に忘れられるのも憎い、無かったことになんか出来ない、私の想いはどこにやったらいいのでしょうか。
令和2年6月22日 寝ている息子の隣で。