精神のヒーロー、マッスル北村。/2020.7.8
仕事が終わってから、ジムに行った。
さんざん探した電子キーは結局出てこず、5000円払ってまた作る。
記憶力の欠如に罰金がついてしまった。
夕方ごろだからそんなに人はいないんだけど、器具がたくさんあるジムではないのでなかなかの混雑具合で、思うように動けなかった。
やっぱり夜のほうがいいな。明日からは時間帯を変えようと思う。
今日は腕のメニューをやった。上腕二頭筋と三頭筋。
腕のトレーニングがいちばん好きだな。
筋肉の収縮がわかりやすくて、キュウキュウに締め付ける痛みがキレてる!キレてる!と破壊を実感できて、爽快感がたまらない。
パンプした腕がその証明のようでさらにうれしい。
筋肉にはマッスルメモリーというものが存在している。
簡単に言えばトレーニング期間が空いてしまっても、再開すれば短期間で筋量や筋力が元の水準に戻る筋肉の記憶のこと。
現在のわたしのワークアウトの目的は、そのマッスルメモリーを呼び起こすことに重点を置いている。
トレーニングをしていると筋肉の記憶が目覚めているのか、いろいろ筋肉に関する知識や記憶が蘇ってきた。
超メジャーなゴールデンタイムやサプリの知識から、昔さんざん見たマッスル北村さんの食事風景まで、あーあったあったとひとりで懐かしんでいた。
栄養の分野はほとんど忘れてしまっていたので、また1から勉強しなおしだ。
マッスル北村さん、ご存じですか?
水樹奈々、ジョナ・ロム―に並ぶ、わたしの人格にめちゃくちゃ大きな影響を与えた3大ヒーローの1人。
わたしはこう在りたいと憧れ続けている存在だ。なれる気は全くしてない。
大まかに説明するならば、慈愛と狂気が同居している人。
2000年に減量による事実上の餓死で亡くなってしまった。
死ぬ間際に妹さんから飴玉だけでも舐めてと懇願されても、断ったそうだ。
優しさ溢れる姿勢や話し方で語られる衝撃的な食事やトレーニングの数々。
早朝から卵20個分のラーメンどんぶり一杯の卵白を飲み、取り分けた卵黄は近所の飢えたカラスにあげたという話がある。どこからツッコんでいいかわからない。
常に限界に挑戦し、「鍛えれば鍛えるほど道は開ける」という内的啓示に一生従って生きてきた人物である。
数ある衝撃的なエピソードの中で、死ぬ気でやってみ、死なねえからとはこういうことだと言わしめる、わたしが大好きな話がある。
4日後に国際大会を控え、別の大会に85㎏で出場したマッスル北村さん。
直後に、抑えていた食欲が爆発してしまい夜通し食事をした結果、体重は98㎏。2日間で13㎏太ってしまった。
98㎏。国際大会に出発するまでに残された時間は、1日半。
そこでひとつ妙案を思いつく。
秩父から100㎞強の距離を走って自宅に帰って来るというもの。持ち物はラジカセとカセット、ヘッドホンだけ。
結果、足の爪が剥がれた痛みで、疲労と消耗で遠のく意識を覚醒させながら戦い抜き、見事走り切った。帰宅時の体重は83㎏だったそうだ。
北村さんのは唯一無二で尊く美しい人生哲学が聞ける動画があるので、シェアしたい。動画で見てほしかったがなくなってしまったようで、すごく残念。
まるでお釈迦様の説法のような素晴らしいお話なので、ぜひ聞いてください。
おしまい。