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セブンと塩むすびアイ

コンビニの塩むすびが好きだ。そもそも私はコンビニの冷えた米や小麦を愛してやまないのだが、中でも塩むすびは格別である。米に塩を振って握るだけのシンプルな構造ゆえに、企業のこだわりをダイレクトに感じられるところが良い。それに「塩むすび」というネーミングが実にコロコロしていて愛らしい。

 人生で初めてコンビニで「塩むすび」を買ったのはセブンイレブンである。駅のホームでササッと口に放り込むや否やアっ!と声をあげそうになった。1粒1粒がちゃんと際立っており「コメ粒総主役」の精神を感じる。なんと言っても塩加減が絶妙で、噛む場所によってしょっぱさが違うのだ。濃いものが好きな私は、塩っけが強い部分を噛み締めると「ラッキー」などと舌でガッツポーズをしたりもした。このようにおむすびにエンタメ性が感じられるところは、セブンイレブンの企業努力ゆえであろう。

 さて、私はそれ以来すっかりセブンの塩むすびのトリコになってしまった。しかし、同じ企業のものばかり食べるのも味気ないので、思い切ってライバル企業の塩むすびにもチャレンジしてみた。さて、こいつは一体私にどんなワクワクを与えてくれるのかと期待して口に放り込んだものの、噛めば噛むほど口が違和感を覚える。米同士の引っ付いてるみっちり感、均一な味わい、ずっしりした重量……うーん。これが具ありの「おにぎり」だったらきっと満足したけど、塩むすびとなるとなんだか違う。ちょっと半分食べるともういいや、となってしまう。

 別に、ライバル企業のものがまずかった訳ではない。ただ、おむすびに関してはセブンイレブンが圧勝だった。その分スイーツはそちらの企業の方が好きなので、コンビニ1つとっても適材適所を感じる。自身の強みを伸ばし、並々ならぬ情熱を注ぎ込む姿勢は、私も見習わなくてはと感じる。  

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