そとあそびを5年運用した僕が自然から学んだこと
株式会社そとあそびの代表になりました
僕は2014年、株式会社そとあそびにエンジニアとして参画しました。
そこからいくつかのサービスを経て、2019年11月1日から同社の代表をやらせて頂くことになりました。
もともと自然は好きでしたが、参画当時は自然に対しての思いはそこまで強くなく、「休日の過ごし方ってもっといろんな形があるよね!」を実現させるための一つとしてそとあそびを広めたくプロダクトを作っていたように思います。
そこから5年、創業者の山本貴義や、そとあそび、ウラカタに参画頂いてる事業者さんとの会話、自身でもたくさんの体験をさせて頂く中で、自然についての思い、それがなぜ良いと思えるのかを理解できてた気がしたのでまとめておこうと思います。
自然にはすべてがある
以前、マインドフルネスで有名な医学博士の久賀谷先生と山本が対談をさせていただきました。※対談記事
その中で出てくる「自然にはすべてがある」という言葉が強烈に頭に残っています。聞いた瞬間は何を意味してるのか深く考えなかったのですが、とにかく頭に残っていました。
自然は何もしないことを受け入れてくれる
普段都会で生活していると、ほぼ常に人工物に囲まれています。当たり前ですが、ほとんどの人工物は何かをするために作られています。移動するためのもの、食事をするための場所、道具...。
なので人はほとんどの時間何かをすることを強いられやすい環境にいる気がします。
一方、自然の中にいくと、そこで何をすべきかの定義はありません。
そこにある土、水、木は人が何かをするためのものではないので、「何もしないモード」に移行しやすい感覚があります。
もちろん、そこで何かをすることもできます。激流を下ったり、大空を風にまかせて浮遊したり。何が起きるかわからない自然の中をいろんなギアを使って遊び尽くすのは格別に楽しい体験です。
何もしないことも何かをすることもできる
これが「自然にはすべてがある」ということなのかなと感じています。
何もしない時間の重要性
マインドフルネスという言葉をいろんなところで聞くようになってきました。
「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」 wikipediaより
マインドフルネスな状態になると脳の中のデフォルトモードネットワークと呼ばれる神経回路が活発化することがわかっています。
デフォルトモードネットワークが活発化すると脳のメンテナンスが行われ、ストレスを軽減できたり、気付きを得られたり、創造性が高まったりすることがわかってるそうです。
なのでGoogleやApple、日本だとYahoo!など有名企業がこぞって導入するわけですね。
アメリカで行われたいくつかの研究のなかで「幸福な従業員はそうでない従業員の1.3倍生産性が高い」と報告されてるそうです。
このことからwell-being(ウェルビーイング)、「幸せな状態」であり続けることが注目されています。
マインドフルネスによってwell-beingな状態に近づき、より幸せに生きることで生産性をあげる。そのために何もしない時間を大切にする必要があると理解しています。
ただぼーっとする時間を過ごすことが生産性につながる
忙しい現代人にとって魔法の言葉に聞こえる気がしますが、ぼーっとすることの効果については脳科学者の茂木先生と山本との対談でも触れられています。※対談記事
羽生善治さんも脳のメンテナンスのために休日はぼーっとしているそう。
僕自身もこの効果をめちゃくちゃ実感してます。
この1年半ほど、昼にランチ含め2時間自分の時間をとり、本を読んだり瞑想したり、ただ公園でぼーっとしてみたりしてます。さらに週に1回キックボクシングジムに通い、1時間みっちり追い込んだあと渋谷の街をただ歩いてみたりしてます。(ほんとは自然の中を歩きたい)
そうすると自分の思考を整理できたり、事業で詰まってたところに対して解決策を思いついたりします。
みなさんもシャワーを浴びてるときや、散歩しているときにいいアイデアが浮かんだ経験があるんじゃないかと思います。
それを意図的に起こせてる感覚がここ最近強く、創造的な状態でいられる時間を多く作れてると思ってます。
マインドフルネスやwell-beingを加速する動きとして最先端の脳科学、生体科学、心理学、テクノロジーを活用して心の健康や幸福を実現するための“トランステック”(Transformative technologyの略)という新たな分野が注目されています。
割と気軽に脳波計なども使えるので僕も購入しいろいろ実験してみてます。
山中湖でSUPしながら脳波測ってみたので後日詳細お伝えします。
実際、自然がデフォルトモードネットワークに影響を及ぼし、脳を回復させることはいくつもの実験でわかっているそうです。
森林浴や、冒険セラピーなど自然の中に身をおいてリフレッシュする習慣は世界各国に存在しています。何もしないことを受け入れてくれる自然だからこそマインドフルな状態になりやすく癒やしにつながっているのかなと感じてます。
自然の中で何かをする楽しさ
自然を使って非日常的な体験をすることもできます。
僕も夏はキャンプ、冬はスキーくらいしかやったことありませんでしたが、そとあそびに入ったあとに知った自然を使った様々な遊びは楽しくもあり、癒やされることも多い特別な体験です。
体を動かすことも、自然にいることも脳を活性化させることがわかっています。トレイルランで山の中を走るのとルームランナーの上を走るのでは脳の活性具合は格段に違うこともわかっているらしいです。
自然には予定調和がありません。
正しい知識をもとに行動しないと身に危険が降りかかることもあります。
だからこそ、普段、安全が管理された場所で生活している我々にとって刺激的な場所になっているのだと思います。
自然はもともと人類がいた場所なはずですが、自然との付き合い方の知識がない我々にとってはガイドさんに案内してもらうことが必要です。そうすることで自分だけではできない自然を感じ、人間が本来もっていた感覚を取り戻せると感じています。だからこそ、特別な楽しさ、充実感があるのだと思います。
自分を大切にする生き方
ものであふれ、利便性、快適性を求め続けた消費が変わってきた今、自然に触れ、自分の幸福度を高める生き方はますます注目されると思っています。自然に触れないと幸せになれないわけではないと思います。僕自身も情報系の大学院を出てますし、テクノロジーも大好きです。なので最新のテクノロジーや人の活気に溢れた東京も好きです。ただ、東京にいると過度に意識しないと自然に触れることも難しいと感じます。
自然にはすべてがある
「何もしないモード」と「何かをするモード」
僕自身も意識してないと常に何かをしてる気がします。日々やりたいことはどんどん生まれるのに時間は有限です。
何もしない時間を大切にし、脳をメンテナンスすることは自分を大切にすることだと思います。
そとあそびを通じて自然の魅力を感じ続けているうちに自分を大切にすることの意味に気づき、何が自分にとって幸せな生き方なのかを学んだ気がします。