【SLAM DUNK GI】168話「青空に潜む星」
3年契約のシーズンが終了した諸星大。
3年目は開幕序盤に出場したがオーバーワーク症候群に影響でその後は出場なし。
復帰も未定状態である。
契約の席が設けられたが、諸星は既に1つの決断を下していた。
「退団願、これを受け取って下さい。解雇されるのはわかっています。自分から退団します。自主退団ってやつを選びます。解雇よりいいと思っていますし、これ以上、チームに迷惑をかけられないです。」諸星
「・・・・」
「諸星、これからどうするんだ?」
「リフレッシュ、リハビリも兼ねて、海外に行こうと思っています。チームとして動くのではなく個人としてリハビリ、トレーニングします。まだ話はこれからですが。個人トレーナーを見つけて、インドネシアのバリ島で、気候もいいですし、環境を変えて活動します。」諸星
「そうか。」
「引退ではないです。」
「やれるかわからないけど、星をまだ輝かせたい。来たるべき時が来ればトライアウト受けさせていただければと思っています。」諸星
そう言い残し諸星は席を立とうとした。
「待て。諸星。
素原空澄さんという女性は知っているよな?」
「えっ?? はい。知っています。」諸星
「実は、数日前に我々の所に訪ねて、直訴してきた。」
「何を!? ですか?」諸星
「契約を1年延長してほしいと。」
「必ず、諸星大を再生させると言っていたよ。」
「!?!(空澄が!?)」諸星
「オーバーワーク症候群に関してはチームにも責任がある。認知や理解が足りなかった。それに2シーズンの貢献を我々は忘れていない。諸星、契約を延長させてもらえないか?」
諸星は想定外のことに驚いていた。
「しかし、チームでというのは、、、。個人としてこの病気にフォーカスしたい。そういう時期、時間が必要だと、その決断は変えることはできません。」諸星
「その決断は尊重する。安心してくれ。個人トレーナーの件もこちらで手配しようと思っている。現地のチームの練習参加などの交渉もサポートするつもりだ。」
「俺にそんな待遇をしていただけるのですか?」諸星
「減俸は免れないが、個人で全て活動するより、選択肢は広がるはずだ。」
「・・・・」諸星
「素原さんが言っていたよ。星の輝く方法は2つある。1つは自ら、光り輝く。もう1つは、太陽の光を反射させて輝く。前者はいずれ爆発をおこしてしまう。」
「太陽の光を浴びる時間も、昼、青空に潜む時間も、輝きを引き立てる澄んだ空も全て必要で輝くためにいろんなサポートがあって輝く星になるんだってね。」
「はい。だから自分は日本とは別の太陽を浴びようと思っています。また今までとは違う光を取り入れて、病気に向き合って行こうと思っています。」諸星
諸星の決心は揺るぎなかった。
そしてもう1つ、
「ありがたく、契約延長のサインをさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。」諸星
「こちらこそよろしくどうぞ。愛知の星が再び輝くことを我々も待ち望んでいる。必ずチームに必要な時が来ると信じている。」
「必ず戻ってきます。」諸星
「そうそう。素原さんが、輝く星を引き立てる澄んだ空になると言っていたよ。彼女を大切にしろよ。」
「はい!」諸星
個人としてとは言ったものの、フリーランスで手に職につけている素原空澄と一緒にインドネシア、バリ島に向かったのだった。
こうして4年目のシーズンに諸星大は静かに日本を離れることになる。
時が経ち、諸星大のいない日本のバスケット界は大きく変化を遂げていた。
テルノン会長の宣言という暗雲が立ち込めたが、その危機を見事に反転させ、
https://note.com/tyimage/n/n4bd2547156a6
諸星大という存在を人々の記憶から薄めてしまうほどの熱気を取り戻していたのだ。
三田良佑チェアマン就任、
https://note.com/tyimage/n/n19abdea3c34b
UJBリーグ開幕
NBAプレーヤー流川楓の帰国、
オーストラリアから帰国した河田雅史、
https://note.com/tyimage/n/ndd4e17fb01d3
消えた天才、仙道彰の復帰等、
様々なトピックが上がる中、
静かに諸星大が日本へ帰国。
CBAリーグ、川部製作所とJBAリーグ、諸星の元所属チームが統合し、名称も一新された
レーゼンダンク神奈川へ入団
青空に潜んだ星は、輝くことが出来るのだろうか。
ドリームズ・ファンド杯 準決勝 ヴィルフェーダ大阪戦へ、その舞台にたつ。
第4章 「レーゼンダンク神奈川 集結」編
諸星大 「愛知の星」編
完
次編 へ続く
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