【SLAM DUNK Gl】85話「田岡茂一の誤算」
会見を終えた木暮公延は、会場の後片付けをしていた。
そこに声をかけてきた人物は、
「木暮君 素晴らしい 役者ぶりだったぞ!」田岡
木暮に統合改革を進めるためのアイディア。
通称「田岡茂一の脚本」を授けた田岡茂一だった。
「田岡先生! 来ていらしたのですね!」木暮
「ああ かつての教え子、ライバル達が総出演なら見ないわけにはいかないだろう。そして木暮君、まさか君も来るとはな。さすがにそれは脚本にはなかったぞ!」田岡
「はは(笑) 僕も驚いています。」木暮
「田岡茂一の脚本ならぬ田岡茂一の誤算だったぞ!」田岡
「どうだ? この後、時間はあるか? 打ち上げにでもいかないか? ご馳走するぞ。」田岡
「ありがとうございます。そうですね。予定外にここで会見が済んでしまいましたから時間は取れると思いますが、、、、。」木暮
「どうした?」田岡
「いや 田岡先生! 一緒に行きませんか? 魚住の店で祝勝会と「安西先生を偲ぶ会」をするので、僕も遅れていく予定ですので、田岡先生もいきましょう!」木暮
「何と、、、面白いメンバーじゃないか!? ではお邪魔してしまおうかな!?」田岡
「はい。連絡入れておきますね!」木暮
安西の墓参りを済ませ、一同は魚住の店に集合していた。
「はいはい! 監督はコーラだな!」魚住
「えーー!? 大丈夫じゃないですか?(笑)」紡希
「だめだめ。幹事はオレだから問題起きたらまずいの。紡希ちゃんはノンアルコールでお願いします。」水戸
「洋平!固いこと言うなよ。出せ出せ!」桜木
「ゴン!」
「だめだ」赤木
「赤木。はじめよう。挨拶を頼む。」魚住
「皆さん、今日はお疲れ様でした。1年前、訃報を聞いた時のそれぞれの思いを今日という日に素晴らしい環境、素晴らしい相手がいて、素晴らしい試合、プレーが出来たと思います。」
「安西先生も空の上で見守っていただいたと信じています。後、数時間、安西先生との時間、お酒を楽しみましょう。献杯!」赤木
「献杯!!」
「木暮!」赤木「木暮先輩!」彩子「メガネ君!」桜木「公延さん!?」紡希
「田岡先生?」福田 「田岡先生!!」魚住「くそジジイ!?」桜木
亭主の魚住は木暮、田岡をエスコートする。
「田岡先生! お久しぶりです。驚きました。どうしてここに?」魚住
「魚住。頑張っているようだな! 積もる話は後だ! 今日の私は気分がいい。上手い酒を持ってきてくれ!」田岡
「はい! わかりました!」魚住
「田岡先生。マネージャーの彩子です。会見の後の田岡先生の脚本に尽力してくれました。」木暮
「彩子です。ご無沙汰しております。」彩子
「おーーそうなのか!? それはありがたい話だ。」田岡
「三田さんを人選したのは彩子なんですよ!」木暮
「度肝を抜く人選だ!しかしぴったりじゃないか!?」田岡
「ありがとうございます。」彩子
「そう言えば、田岡先生。今思い出したのですが、あの時の「もう田岡茂一の脚本を裏切らないくれ」の意味は何だったのですか?」木暮
※第1話より、田岡が木暮にかけた言葉
https://note.com/tyimage/n/n4bd2547156a6
「あー、その話か。そうだな、、こんな機会も中々ない。みんなに話そうじゃないか。」田岡
木暮の呼びかけにより、田岡が中心となって話した。
「木暮君は今回、田岡茂一の脚本の役者として見事に演じて大成功をおさめてくれた。しかし8年前は、憎いまでも脚本を裏切ったのだ。」田岡
「あっ? 何言ってんだ くそジジイ?」桜木
「インターハイ出場権をかけた一気打ち、陵南-湘北戦。魚住の4ファウルで劣勢を強いられていたが、必ずまた陵南に流れがくるからと魚住投入を我慢した。」田岡
「そもそも俺が桜木の仕掛けに乗らなければ、ベンチに下がることもなかった。若かったな。」魚住
「湘北には不安要素があると読んでいたからだ。1つ目はファウル・トラブルだった。」田岡
「確かリョータが4つ目のファウルだったよね。」彩子
「ああ でも交代する気はなかったけどな。」宮城
「不安要素その2は選手層がウスい。その3は安西先生不在。後に三井が体力切れで交代。タイムアウトを取ったがあたふたしているのはリードしている湘北だった。」田岡
「ホント情けなかったぜ。」三井
「確かにあのタイムアウトで具体的な策は出なかった。」彩子
「いろいろ考えたけど結局、何もね。藤真はホントすごいよ。」木暮
「コートの外にいる時は常に冷静に、コートに入ったら解放してたよ。」藤真
「結局、メンタルの話しか出来なかったか?」赤木
「そして不安要素その4は素人・桜木だった。」田岡
「あっ! 何だと!?」桜木
「ぎゃっはっは(笑) 監督 それは 間違いない!」桜木軍団
「苦し紛れにパスミスしていただろーに!」清田
「しかしその桜木とベンチがウスイと軽視していた木暮にやられた。」田岡
「頭で考えてやったことじゃない、それでも福田を止め、仙道を止め、魚住を止めた。」花形
「ああ 細胞が瞬間的に反応しただったよな?」藤真
「よく覚えているよ。対峙した経験とあの姿とどこかで脳裏にあって俺は今、この仕事をしているのかもしれないと思うよ。」花形
「なぜ? 流川で勝負しなかったんだ?」田岡
「監督。その答えは 簡単だぜ!」水戸
「それは 流川のことが嫌いだから!」桜木軍団エトセトラ
「なに!? それだけ?」田岡
「勉強になるなぁ。」紡希
「田岡茂一の誤算はそんな所にも影響していたのか?」田岡
「フン。この天才バスケットマン桜木を甘くみたツケがまわってきただけだぜ!」桜木
「たわけが。」赤木
「とにもかくにも、田岡茂一の脚本を裏切ったのは木暮君だったというわけだ。」田岡
「そういうことだったのですね。」木暮
「そのツケを払う方法を教えてやろうか?」桜木
「????」田岡
「二ホンの監督になって、オレを呼べ! それだけで済む話だぜ!」桜木
「ははは(笑) 木暮君。またまた田岡茂一の誤算が生じてしまったよ。俺もまだまだ青いな。」田岡
「??」
「50歳にもなろうとしているのに、夢を与えられるとはな。」田岡
田岡茂一の脚本には良くも悪くも誤算が生じる。
田岡茂一は若者と語らったこの夜を忘れないだろう。
続