【SLAM DUNK GI】163話「フラッシュバック」
オフ返上で自らを追い込んだ諸星大の2年目のシーズンが開幕する。
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プレシーズンでの準備が功を奏し序盤から好プレーでチームを牽引、開幕ダッシュに成功した。
そしてイベントの目玉として参加し、諸星の人気とともに地域密着のチーム運営も順調に進んだ。
「諸星さん がんばって下さい 応援しています!」
「ありがとうございます!(ありがてーでも、まだまだこの声援に応えられてるとは言えねー。)」諸星
中盤以降、停滞する時期もあったが、それは他のチームも同様で優勝の行方はシーズン終盤戦までもつれることになる。
奇しくも三つ巴でタイトルを争ったのは同期の河田雅史、
そして土屋淳だった。
残り2戦の勝敗次第という場面までこぎつげたのだ。
まず雌雄を決したのは土屋淳だった。
「えらい 人気や。でもこの声援は相手にも勢いをつけてくれるわ。ありがとう。」土屋
「そんなこと言ってるが、土屋、お前の人気もあがってるだろ。」諸星
「いやいや、知名度がちゃうわ。愛知の星って言うたら高校時代からやんけ。」土屋
「名ばかりとでも思ってるのか?」諸星
「そんなことないで、俺は高校3年で初めてインターハイ出場、知名度なんてありはせんかった。今日ここで倒して看板を下げてもらおうか。」土屋
「別に愛知の星っていう看板にこだわっているわけじゃねぇ。こだわってるのはタイトルだ!」諸星
「ほな はじめよーか。」土屋
同期対決となった諸星大と土屋淳の火花が散った。
そして軍配が上がったのは土屋淳だった。
そして
最終節、河田雅史との対決。
河田はこの試合でルームショー埼玉からメルボルン・キングスへのレンタル移籍が既に発表されていた。
「諸星、おれは、背負っているものがちげーべ。今回も勝たせてもらうべ。」河田
「今回も?」諸星
「おれは手加減できねえ男だ。」河田
連覇をミッションとした河田の実力は確かだった。諸星大を退け連覇を決めた。
「諸星、確かにおめーはいい選手だ。でもな、沢北のほうがインパクトあるべ。」河田
「何!?(そんなこと、、、、そんなことは、、、俺だって、、、、ちくしょう、、。)」諸星
その時、諸星大の脳裏にいつしかの記憶がフラッシュバックした。
インターハイ広島大会、愛知県予選決勝リーグ、名朋工業戦。
「あの野郎許さねぇ・・・絶対許さねぇぞ あの1年坊主・・・!!」諸星
「ダンクブチ込むと・・・フロアに2人か3人ころがってるだろ それを上から見下ろすのが好きなんだ。」森重
2位で出場できるとはいえ、大本命・愛和学院の完敗となった。
インターハイ広島大会、準決勝、海南大付属高校戦。
「ここでお前と戦うとはな。」牧
「俺は、想定内だ。」諸星
愛知の星と帝王の激突は、帝王に軍配があがった。
「俺たちはここで山王を破るために準備してきた。山王が敗退した以上、負けるわけにはいかない。残念だったな。」牧
「・・・・冬で借りは返す。」諸星
「ほう。出場できるといいがな。」牧
僅か一週間前、JBAリーグ、天王山。
「諸星、お前のおかげでこんな満員の会場で試合やらせてもろうたわ。楽しかったわ。ありがとう。」土屋
「くそっ! 大事な時に勝てねえ、、。」諸星
「おっと。最後に勝つから楽しいねん。」土屋
諸星大、2年時、ウインターカップ、1回戦、山王工業戦。
「あんたが、高校バスケ界トップレベルの愛知の星、諸星大さん。」沢北
「山王の1年生エース、沢北栄治。」諸星
インターハイから最強山王のエースをはり連覇を成し遂げた力は、本物だった。
「1ON1じゃ、俺には勝てねえっすよ。」沢北
「・・・・」諸星
〜現在〜
「何が、愛知の星だ、、、、、。輝けねえじゃねえか、、、。いや、あきらめるな、、まだだ。」諸星
諸星大の2年目のシーズンが終了した。
後一歩、二歩のところで力が及ばなかった。その隙間を埋めるために、諸星大は歩みを止めなかった。
しかし、その飽くなき向上心には落とし穴があったのだ。
続