【SLAM DUNK Gl】100話「青年海外協力隊」
安西光義を偲ぶ会に流川楓の姿はなかった。
大々的にプレパラシオン東京の新規参入と移籍が発表されたこの夜、三田良佑と報道番組の出演が決まっていた。
「あーあ。やっぱり 楓様はこれないのかー。」紡希
「フン 白状な奴だ。オヤジの命日だぞ。」桜木
「そーでもないぞ、桜木。ほら、流川のスーツとネクタイを見てみろよ。」木暮
衣装はプレパラシオン東京のチームカラーである緑を主体としたカーキのスーツとネクタイが用意されていた。
しかし流川たっての希望で黒のスーツとネクタイで出演しているのだ。
「流川の希望で衣装を変えたそうだ。三田さんも思いやれる人間は強くなれると了承してくださった。流川なりの考えはあるのさ。」木暮
キャスターからの質問が流川にとんだ。
「流川選手は日本でのプレーを選択しましたが、対戦してみたい選手はいますか?」キャスター
「・・・・」流川
「こいつを 食ってやる みたいな ことですかね?」三田
「・・・・ ん んどう・・・・」流川
「えっと うどん ですか!? 流川選手はうどんが好物なのですね(笑)」キャスター
現場の話の流れは変わってしまった。
「はっはー(笑) うどん だと!」桜木
「えーそうなの? 私でも作れる!!」紡希
しかしこの答えに何かを浮かべ、気付いたものがいた。
卒業式で流川と晴子の会話を聞いた水戸洋平とその会話を晴子から聞いていたであろう赤木剛憲だった。
~回想~
(高校卒業後のストーリーへ)
赤木晴子。
赤木の妹で、兄には全く似ていない美少女。桜木を初めて見たときに、体格の良さや驚異的なジャンプ力からバスケ部に勧誘し桜木をバスケットの道へ導いた張本人である。何かと桜木をのことを気遣い、落ち込むことの多い桜木を友人として健気に支えるため、晴子の存在が桜木の原動力となっている。
流川に片思いしているが、自身への恋に疎い性格で桜木の思いには気付いていない。
インターハイ終了後、再び全国を目指すには一人では足りないと彩子に勧誘され、湘北高校バスケットボール部のマネージャーとなった。
高校を卒業後は、青年海外協力隊として海外ボランティア団体に所属し各国にボランティア活動をしながら様々な国を飛び回っていた。
「ハルコ! ここの日本語おしえてよ!」
「ハルコ! あそぼーよ!」
「ハルコ! これを運ぶから手伝ってくれ!」
教育が行き届いていない国の教育に携わったり、村おこし等、ボランティア活動の内容は多種多様だった。高校卒業をしてからはもう数年の月日が流れていた。
「いい天気ねー! ちょっとお散歩でもしよっか!」晴子
晴子は子供達を連れて散歩に出かけた。とても空気が澄んでいて湖やほとり等の景色も絶景だ。
「ハルコ! 魚つりしている人がいるよ!」
「ホントねー。どんな魚がいるんだろうねー。」晴子
その時、座っていた釣り人が立ち上がった。背筋を伸ばしている様子だ。
「背大きな人だね! 190㎝くらい あるかしら? わかる? 190㎝。」晴子
釣り人は、無精髭をたくわえ、髪の毛も伸びきり、整えられていない風貌だった。しかし優しい目をしていた。
「あれ!?? 日本人かな?」晴子
晴子は少し近づいた所で、もう一度よくその姿を見てみた。
「(えっ??? もしかして、、、、、まさか こんなところで、、???)」晴子
「どうしたの? ハルコ。」
「あっ ちょっと ごめんね。ここで みんなで遊んでてくれる?」晴子
「わかったよ!」
再び座った釣り人に晴子は声をかけた。
「こんにちは お魚 よく つれますか?」晴子
日本語で声をかけた。釣り人は言語を理解したのだろうか?
晴子は勇気をふりしぼり再びその釣り人に質問をした。
「・・・・ せ せんどう あきら、、、、。仙道彰さんですか?」晴子
釣り人は晴子を見上げた。
続
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