【SLAM DUNK Gl】128話「幼き戦国時代」
清田信長にとってガーナ人とのハーフ、サミュエル・謙信は意識せざる得ない存在となっていった。
「謙信、バスケやろーぜ! スピード、バネ、それとなんてたって高さだよな! バスケに活かせるぜ!」清田
「そうなの? でもやったことないし。。。」謙信
「かっか(笑)そんなの最初はみんなやったことねーよ! 今度の土曜日、体育館な!」清田
サミュエル・謙信は清田信長に導かれバスケットを始めた。
経験のある清田に教えられることが多かったのは当然の流れだが、謙信の成長速度も速く、互角に渡り合うまでになるのにそう時間はかからなかった。
「謙信さすがだな! 高さを活かしたポストワークからのゴールってパターンもそうは止められねーな! でも困ったら俺を使えよ! ぶち抜いてやるぜ!」清田
「うん。バスケ 面白いね!」謙信
「だろ!? よーーし! 1ON1やろーぜ? バスケは局面によっては個人競技だぜ。」清田
「そうなの?」謙信
この時、小5の終盤、経験で勝る清田は謙信に負けなかった。
そして春が訪れ小6に、新学期早々の学校行事である運動会が開催された。
「信長君! 頑張ってね! 6年連続で1位って今までいないんじゃない?」女子
「かっか(笑) そりゃこの名にかけて天下統一しなきゃな!」清田
「信長、バスケで体力もついてきたし、今年は負けないよ!」謙信
小6の100メートル対決、昨年と同様に息詰まるレースとなった。
「謙信! いけー!!」男子
「信長君!! キャー!!」女子
先にゴールテープを切ったのはサミュエル・謙信だった。
「負けた、、のか?」清田
「負けるというのは悔しいな、、、謙信。でもまだまだ! これで終わりじゃねーからな!」信長
「そうなの?(笑)」謙信
清田と謙信の抱擁に会場の児童、教員、保護者、から暖かい拍手が贈られた。
最終学年となった二人の一年が始まった。
そしてある時の帰り道、清田は本屋の棚に置かれた週刊バスケットボールに目を奪われた。
その表紙を飾っていたのは、
神奈川の王者、常勝軍団、海南大付属高校だった。
「謙信! 海南大付属は神奈川にとどまらず、全国でも強豪だって書いてあるぜ?」清田
「そうなの?」謙信
「インターハイの決勝リーグがこれからだな? 謙信、父ちゃんに頼んで見に行こうぜ!」清田
6月インターハイ神奈川予選決勝リーグ、その会場に清田信長、サミュエル・謙信の二人の姿があった。
インターハイ連続出場を不動のものにする海南のバスケットに二人は興奮を隠せなかった。
ダンクできしむリング、常勝軍団の風格に魅了された清田は、試合終了のブザーが鳴ると同時に立ち上がり、
「俺、、海南に入る! 俺たちで海南をもっと強くしよーぜ!」清田
「うん!」謙信
そうなの?が
口癖の謙信だったがこの時は、自然とうなずいた。それから二人はスイッチが入りバスケットへの姿勢に変化が表れる。
特に表れたのはサミュエル・謙信だったのかもしれない。
「信長、1ON1 やろう。」謙信
小6の夏休み前、成長速度が止まらない謙信は100メートル走に続き、1ON1でも清田に勝つことになる。
「ちくしょう、、、ちくしょう。こんなんじゃだめだ!」清田
幼少の頃から抜群の運動神経を誇った清田信長。
学年無双状態に入りかけた所で新たなる刺客が入った。
アフリカ、ガーナ人の血を持つサミュエル・謙信。
「(全国にはまだまだ上がいる?? きっとそうだ、、、。)」清田
「俺はまだまだ甘い。身体能力で劣るなら技術でカバー。まだまだのびしろがあるんだ! 謙信もこれで満足するなよ!」清田
「そうなの?」謙信
「謙信! 最後の夏休みはバスケに明け暮れようぜ!」清田
「そうなの?(笑)」謙信
しかしお盆休みが明ける頃、サミュエル・謙信は突然、親の仕事の関係で日本を離れることになった。
清田信長とサミュエル・謙信の幼き戦国時代、
二人で海南を強くするという思いはかなわなかった。
しかし清田はその後の努力を怠らず海南の歴史に名を刻む選手の一人となった。
〜現在・安西光義を偲ぶ会〜
「へーーー ノブナガ君の小学生の時の話かぁ モテてたんだね?(笑)」紡希
「そこかよ!?」清田
「で? 今はどーなのよ?」紡希
「世界を股にかけるフリースタイラーだぜ!引く手あまたに決まってるだろ? かっか(笑)」清田
「そこじゃないし! 謙信君 は どうしてるの?」紡希
「・・・・」清田
「さあな。」清田
時を経て、再び戦国時代の幕は上がるのだろうか。
続
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